夏だ!ビーチだ!サメだ!<夏に観たいサメ映画“5選”>



夏だ!ビーチだ!サメだ!


知的風ハット監修の「サメ映画 ビジュアル大全」が発売され、『海上48hours ―悪夢のバカンス―』が公開され、サメ映画が熱いこの夏。配信サイトでも多数のサメ映画を味わうことができる。

そこで、暑い夏にピッタリなサメ映画を5本を紹介する。ポップコーン片手に、友だちと一緒にサメ映画の夏を過ごしまませんか?

[※本記事は広告リンクを含みます。]

1.『ビーチ・シャーク』


(C)Remember Dreaming, LLC

サメ映画、たくさんあってどこから観たら良いのだろうか?

「『JAWS/ジョーズ』は観たけれども他にオススメのサメ映画はありませんか?」

このような質問に答えるとするならば『ビーチ・シャーク』であろう。寂れた町を舞台にビーチ・パーティー「サンドマン・フェスティバル」を開こうとするも、そこへサメの影が忍び寄る話。

『JAWS/ジョーズ』の骨格を継承する本作は、利益のためにリスクを無視したことによる惨劇を描いている。『JAWS/ジョーズ』と違う点は、この映画のサメは水陸両用であること。砂地だろうが爆走しながら確実に人を捕食するのだ。これにより、地面が戦場になる。広大な砂地のどこからサメが現れるのかハラハラドキドキさせる展開は『トレマーズ』さながら。

また、『ビーチ・シャーク』は少ないエキストラを使って大きな群れを作ろうとするこだわりに満ち溢れている。人と人との間隔を広めに設定したり、サメによる大殺戮シーンでは右往左往・予測不能な動きを個々の人物が取る。この工夫の数々は映画を作っている人にとって参考になる演出と言えるだろう。

■『ビーチ・シャーク』作品情報



監督:
マーク・アトキンス

出演:コリン・ネメック、ヴァネッサ・リー・エヴィガン、ブルック・ホーガン

<配信サービス>
Amazon Prime Video
U-NEXT 
Rakuten TV
dTV
RakutenTV
iTunes
Google

2.『パニック・マーケット』


(C)2011 Bait Holdings Pty Limited, Screen Australia, Screen Queensland Pty Limited, Media Development Authority of Singapore, Blackmagic Design Films Pte Ltd.

『ビーチ・シャーク』は、地上が恐怖のフィールドに変わる作品であった。水中の恐怖を描いたサメ映画なら『パニック・マーケット』がオススメだ。

本作は水中は水中でも、大洪水で水没したスーパーマーケットが戦場となっている。冷蔵庫や棚の上で助けを待つ13人の生存者。その中に強盗、殺人犯が潜んでいる。感電必至の断線したケーブル、人喰いガニの群れ、迫り来るホオジロザメ。上から下からやってくる修羅場を乗り越えていく物語だ。

狭い空間ながらも視界に入る様々なギミックを駆使して、次々と押し寄せてくる問題を突破していく展開が熱い。特に回収したアイテムで防護服を作り、とあるミッションをこなす場面はアクションゲームをプレイしているかのような躍動感がある。元々は3D映画として製作された作品だが、配信で観ても全く問題ない作品。サメ映画の中ではトップクラスのクオリティである。

なお、『パニック・マーケット』は上記の通り大洪水のシーンがあるので注意が必要だ。


■『パニック・マーケット』作品情報


(C)2011 Bait Holdings Pty Limited, Screen Australia, Screen Queensland Pty Limited, Media Development Authority of Singapore, Blackmagic Design Films Pte Ltd.

監督:
キンブル・レンドール

出演:ゼイヴィア・サミュエル、フィービー・トンキン、シャーニ・ヴィンソン

<配信サービス>
Amazon Prime Video
U-NEXT
Rakuten TV

3.『シャークトパスVS狼鯨』


(C)2015 Emerald City Pictures, LLC All Rights Reserved

バケモノにはバケモノをぶつけろ!

サメとタコが合体したシャークトパスは開幕早々から、人々を襲う。ドミニカ共和国を舞台に暴れ回るシャークトパス。一方、その頃、落ち目の野球選手が一発逆転を狙って、マッドサイエンティストのもと改造手術を受ける。するとあら不思議、オオカミとシャチが融合したバケモノ「狼鯨」になってしまう。野生の本能に従い血に飢えた狼鯨とシャークトパス、勝つのはどっちだ?試合は野球場にまでもつれこむ!

本作はクオリティの高い狼鯨のCGが魅力的だ。マッドサイエンティストに対して、まるで愛犬のような目つきでエサや愛情を求める姿。言葉は話せなくなっても、目つきで喜怒哀楽を表現する。特に、マッドサイエンティストがエサを出そうとするも袋の中身が空っぽだったシーンに注目してほしい。ワクワクした目がキリッと殺意に変わる瞬間のCGは見事であろう。

ちなみに、本作にはイギー・ポップがカメオ出演していることでも知られている。


■『シャークトパスVS狼鯨』作品情報


(C)2015 Emerald City Pictures, LLC All Rights Reserved

監督:
ケビン・オニール

出演:
キャスパー・ヴァン・ディーン、キャサリン・オクセンバーグ、イギー・ポップ

<配信サービス>
Amazon Prime Video
U-NEXT

4.『ソウル・サーファー』


(C)2011 Enticing Entertainment,LLC,All Rights Reserved.

泣けるサメ映画として『ソウル・サーファー』を紹介したい。本作は13歳の時にサメに襲われ、腕を失うもサーファーを目指したベサニー・ハミルトンの半生を描いた作品。高校の英語の教科書に載ったことのある物語の映画化だ。

確かに一般的なサメ映画ではないのだが、サメに襲われるシーンの描き方はリアルで怖いものとなっている。本作の撮影は『ピラニア3D』をはじめとするホラー映画を手がけているジョン・R・レオネッティが担当しているのである。サメに左手が食われそう!と思わせておいて焦らすような描写が多くて、それもしつこくないレベルなので、2回目観ても驚かされる。

そして、サメ映画ではあまり描かれない「サメに襲われた者の葛藤」にフォーカスが当たっている。周りの人は哀れみの目で見るが、「健常者を見るように私を見て!」と1人でなんでもやろうとする。家族の元に食事なんかも持っていくのだが、この痛々しさに切なくなる。涙が出てくる。

べサニーを想う家族は義手をプレゼントする。しかし、可動域が少ない義手にべサニーは怒りをぶつける。ここから、べサニーの胸熱スポ根物語に熱が入る。彼女は義手を捨てる。そして、パラリンピックでもなんでもない一般大会に出場することを決めるのだ。彼女の特訓、そして美しすぎる青い海で繰り広げられる最後まで油断できない試合。これはハンカチ必携のサメ映画だ!

■『ソウル・サーファー』作品情報

(C)2011 Enticing Entertainment,LLC,All Rights Reserved.

監督:
ショーン・マクナマラ

出演:アナソフィア・ロブ、ヘレン・ハント、デニス・クエイド

<配信サービス>
Amazon Prime Video

5.『ノー・シャーク』



サメが出ないサメ映画爆誕!

2022年、サメ映画界隈を震撼させたサメ映画がある。

その名も『ノー・シャーク』だ。

本作は、出オチのような作品に見える。しかし、執筆時点でFilmarksでの評価が3.8/5.0とサメ映画の中でも屈指の高評価となっている。なんと『JAWS/ジョーズ』の3.6/5.0より高いのだ。

ただし、本作は『ビーチ・シャーク』や『パニック・マーケット』のような作品をイメージして観ると肩透かしを食らうであろう。むしろ、普段はサメ映画を観ない、エリック・ロメールやジャック・ロジエ、ギヨーム・ブラックなどのフランスバカンス映画が好きな人にこそ刺さる映画となっている。

主人公の女性は「サメに食べられたい」願望を持ち、ビーチ巡りをする。しかし、サメは来ない。かといって、彼女は海に入ることなくビーチの奥で人間観察をしているのだ。延々と、内なる矛盾を自問自答していく。例えば、『JAWS/ジョーズ』はサメ=人喰いの方程式を作った罪深い作品であり、好きではないが、サメ映画を愛する自分の感情をどのように折り合いをつければいいのかといったことを考えるのだ。

そして、本作は男性による性的眼差しを批判する映画にもなっている。2人の男性が背後からハンターのように主人公を見つめる。気づいていないと思っている男たちだが、彼女は彼らを認識し、どのように会話して切り抜けるのかをシミュレーションしている。

サメが出てくることは非日常である。本作の主人公は、退屈でモヤモヤが増幅する人生において、非日常が手を差し伸べてくれるだろうと待ち続ける。しかし、非日常はやってこない。そんな状況下で何ができるのかを語った傑作であり、サメ映画に対する批評にもなっている怪作だ。

■『ノー・シャーク』作品情報



監督:
コーディー・クラーク

出演:Ian Boyd、イリース・エドワーズ、ビル・ウィーデン

<配信サービス>
Amazon Prime Video

サメ映画の祭典 in パリ

サメ映画に対する盛り上がりは日本だけではない。実はフランス・パリでサメ映画の祭典が開かれているのをご存知だろうか?最後に「Paris Shark Fest」を紹介する。

「Paris Shark Fest」は今年で3回目を迎えるサメ映画専門の祭典である。2022年は9/16〜9/18まで開催となっており、ドキュメンタリーから長編映画までバラエティ豊かな作品が上映されている。

過去には『BAD CGI SHARKS / 電脳鮫』、『シャーコーン! 呪いのモロコシ鮫』がお披露目となった。





2022年大会では、『ウィジャ・シャーク 霊界サメ大戦』待望の続編『ウィジャ・シャーク2』、4人のサメ愛好家が、サメは人を食べないことを証明しようとするドキュメンタリー『LORDS OF THE OCEAN SAISON 2』などといった作品が上映される。

今回の祭典ではサメ研究者のスティーヴン・スリーナがスポンサーを務めており、真剣にサメとサメ映画に向き合おうとする熱い祭りとなっている。

興味ある方は「Paris Shark Fest」公式サイトをチェックしてみよう。

(文:CHE BUNBUN )

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