「ジャパニーズスタイル」第4話:柄本明の柔軟な芝居スタイルに驚かされるばかり
本作はさびれた温泉旅館のセットを舞台に、俳優たちが観客の前で“ほぼ本番一発勝負”の演技を繰り広げるテレビ朝日初の本格シットコム。仲野太賀のほか、市川実日子、要潤、KAƵMA(しずる)、石崎ひゅーい、檀れい、柄本明ら豪華俳優陣が登場する。
本記事では、第4話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
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「ジャパニーズスタイル」第4話レビュー
双子の弟が指名手配犯の浮野(KAƵMA)、ダメ男との離婚経験があるルーシー(市川実日子)。「ジャパニーズスタイル」では毎話、登場人物の過去が明かされてきた。第4話でスポットが当たるのは、旅館「虹の屋」の古株である“梅さん”こと、梅越(柄本明)。超ベテラン俳優であり、悪役でお馴染みの柄本明が舞台上で大暴れする。
ローカルアイドルの花岡花枝(佐々木春香)に入れ揚げ、闇金で多額の借金をしている梅さん。花枝が起用された「オレオレ詐欺撲滅キャンペーン」のポスターをいらなくなったら譲ってほしいと、支配人の影島(要潤)に懇願する。「いいよ」と言われ、小躍りしながら舞台をはけていく姿がなんともコミカル。柄本明がとにかく、めちゃくちゃ楽しんで梅さんを演じているのが伝わってくる。
そんな梅さんは勤続40年を迎え、他の従業員たちはお祝いの内容を考える。なんだかんだで「虹の屋」の従業員はみんな仲良しだ。梅さんに昔からお世話になっている哲郎(仲野太賀)は“ウサギ小屋脱出”も目指し、盛大に梅さんをお祝いしようと張り切る。話し合いの結果、梅さんの推しである花枝のライブを旅館で開催することになった。
しかし、いつもと同じように梅さんにもある疑惑が浮上。桃代(檀れい)いわく花枝は梅さんの孫というが、ライブ当日に影島は二人が揉めているのを目撃する。孫とは思えない花枝の態度に疑問を抱き始める従業員たち。2時間ドラマオタクである影島お馴染みの考察タイムが始まり、みんなが梅さんに関する新情報をくちぐちに明かし出す。
なんと梅さんの本当の孫は男で、焼き鳥屋を経営しているらしい。梅さんには娘がいるもののずっと疎遠で、それをいいことに花枝が孫を名乗り梅さんを騙しているのでは?という結論に従業員たちは至る。
残酷な真実をどう伝えるべきか。悩む彼らの前に現れるのが、ライブ終わりの梅さんだ。年甲斐もなく凛吾郎(石崎ひゅーい)とはしゃぐ梅さんは可愛い。でも騙されていると思うと途端に哀愁を帯びてくる。
そんな梅さんに意を決して、花枝が本当の孫ではないことを突きつける哲郎。しかし、梅さんは心のどこかでそれをわかっていた。「血縁関係があるかないかで、本物と偽物に区別されるもんなんでしょうか!」と主張する梅さん。
なるほど良いことを言っている。なのに顔がふざけてる。あの顔を目の前で披露されて、笑わない仲野太賀と市川実日子もすごい。お茶目というかなんというか、柄本明の演技には遊び心がある。第1話でもアドリブをぶっ込んでいたが、そういう偶然から生まれる笑いをすごく大事にしている気がするのだ。作品の雰囲気に合わせ、柔軟に芝居のスタイルを変える俳優・柄本明の凄みを見せつけられた。
さて、次週はこれまで映像出演だった気になる女たちが登場する。哲郎の元カノである、もう一人の“ルーシー”ことイチ子(モトーラ世理奈)と、桃代が絶大な信頼を寄せている占い師の尾崎(宮澤美保)。どちらも見た目からして癖が強すぎる。
市川実日子とモトーラ世理奈のルーシー対決も見どころとなりそうだ。それにしても二人は雰囲気から何まで似ている。もしかして、哲郎は市川実日子の方のルーシーも実はタイプなんじゃないだろうか。ルーシーもダメ男が放っておけないタイプみたいだし、仲野太賀と市川実日子のカップルが見られる日も近い……?実に楽しみだ。
(文:苫とり子)
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