「舞いあがれ!」第42回:「デブリーフィング」を「反省会」と訳した意図は…
本作は、主人公が東大阪と自然豊かな長崎・五島列島でさまざまな人との絆を育みながら、空を飛ぶ夢に向かっていく挫折と再生のストーリー。ものづくりの町・東大阪で生まれ育ち、 空への憧れをふくらませていくヒロイン・岩倉舞を福原遥が演じる。
本記事では、第42回をライター・木俣冬が紐解いていく。
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I have control You have control
【朝ドラ辞典 反省会(はんせいかい)】朝ドラファンがネットで作品批評を行うときに使う用語。かつてはこっそり裏の活動として行われていたが2022年、ネットニュースになるほど広く認知された。
冒頭、飛行機が運ばれていく画が印象的でした。これからこの飛行機が飛ぶのだなと思って、わくわくします。
舞(福原遥)がはじめて飛行機に乗ることになります。
フライト前に「ブリーフィング」という安全にフライトが行えるか訓練計画を教官に説明します。
気象のことなども踏まえないといつでも飛べるわけではないのですね。しかも飛行機のチェックも
行います。かなりの知識と観察眼も必要です。
舞をはじめ学生たちがのんきに見えて、精密機器・飛行機を飛ばす能力をいつの間に培ったの?と驚いてしまいますが、そこは物語の省略です。
飛行機を操縦し、離陸する前の緊迫感はなかなかドキドキしました。フライトシミュレーションゲームをしているような感覚があります。
「飛べた 空、飛べた!」
トントン拍子に飛べましたが、ことは容易ではありません。うまく操縦できず、交代。
車の運転も最初は怖いと思うけれど、空を飛ぶってすごいことですよね。
教官(吉川晃司)が隣にいて、操縦桿もあるので、何かあったら助けてくれるとはいえ。
後ろに乗った水島(佐野弘樹)は気持ち悪くなっているし、柏木(目黒蓮)もちょっと気持ち悪くなっているように見えます。
I have control
You have control
と操縦するとき、操縦を代わるときはこういうふうに言う決まりがあるようです。
カリキュラム名は英語だし、英語もできないといけなそうです。あらゆる知識が必要なんですねパイロットは。
初フライトのあとはデブリーフィング(「反省会」)が行われます。デブリーフィングを「報告」や「確認」ではなく「反省会」と意訳したことにはユーモアを感じます。「反省会」とは今年の流行語大賞の候補に「#ちむどんどん反省会」がノミネートされたほどの印象的なワードです。
その日、舞をはじめみんな、すっかり疲れて言葉も食欲もありません。
夜になってお腹が空いて、談話室(?)でカップ麺を食べていると(なぜかラベルレス)、吉田(醍醐虎汰朗)も来て、ふたりで今日のフライトをしみじみ振り返ります。いい感じのふたりの様子を、柏木が立ち聞きしていて……。
出た、朝ドラ名物「立ち聞き」!
【朝ドラ辞典 立ち聞き(たちぎぎ)】物語の進行に必要なもの。立ち聞きなくして物語は進まないと言っても過言ではない。誰かが誰かの話しをこっそり聞いたことで、明るみになる真実。動く感情。そこから転がる思いがけない展開。和室、ふすまの時代は立ち聞きも比較的自然だが現代劇でドアで塞がれた場での立ち聞きはなかなか難しい。「舞いあがれ!」では舞がすでにドア越しの立ち聞きを行っている。第42回では柏木が……
(文:木俣冬)
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