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2022年12月19日

『近江商人、走る!』通信技術の先取り&現代にも通じる“ビジネスあるある”エピソードに注目!

『近江商人、走る!』通信技術の先取り&現代にも通じる“ビジネスあるある”エピソードに注目!


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12月30日公開の映画『近江商人、走る!』は、大坂、伊勢と並ぶ「日本三大商人」“近江商人”の活躍を描く、痛快ビジネス時代劇だ。そろばん勘定だけじゃない。ある時はケガをして働けなくなった大工を救済する方法をひねり出し、ある時は閑古鳥が鳴く茶屋をアイデアで助ける、そしてまたある時は、店の大借金返済に知恵で挑む――。

“情報収集”は、商売の要!
電話もインターネットもない時代に生み出したアイデアはとは?


ビジネスの基礎としての“情報収集”について、本作の劇中で描かれるエピソードに注目が集まっている。主人公・銀次(上村侑)は、勤め先の米問屋が、罠にはめられ大借金を背負ってしまったことから、借金返済のために早く&効率よくもうけを出す手段を考えることになった。

結果、考え付いたのが、“速報の入手”によってもうけを出す方法だった。ここでいう”速報“とは、米の相場(価格)のこと。当時、江戸幕府公認の米取引所は、大阪・堂島、京都、大津の三カ所。中でも堂島は世界で初めて現代で言う「先物取引」が生まれた市場で、規模や取引量において他の追随を許さず、ここでの相場が全国の米市場の基準とされていたという。そんな堂島の相場を誰よりも早く入手できれば、それを元に全国の米市場へ先んじて売り出すことで儲けを出せる…という作戦だった。


あとは、15里=60kmの距離がある堂島と大津の間で、どのようにして“速報”を届けるか。当時、主に使われていた通信手段と言えば飛脚だったが、誰よりも早く情報を伝達するため銀次が思いついたのが“旗振り”通信だ。

旗振り通信とは、見通しの良い丘や山の上に櫓と旗振り担当を数か所に配置、堂島での価格を書きとったメモを受け取り、最初の櫓から順に、予め決めておいた信号(旗の色と、振り方のルール)を次の櫓に送っていく。各櫓は望遠鏡で覗いて信号を読み取って、また次の櫓へ旗振りでつないでゆく連携プレー!


一見、そのような手作業で速報になるのか?というふうに感じられるかもしれないが、資料によれば、堂島から大津までの旗振り通信の到達時間は5分程度だったというから、効果的な手段だったのだろう。実際に、江戸時代は“米本位制”であり、米価は他の物資の価格の基本になっていたため、旗振り通信により、商人たちは競って米相場を知ろうとしていた、という。

映画では、大工仲間たちによる櫓の建設、眼鏡屋の望遠レンズ作成、旗振りの訓練、そして通信開始に至るまでが、臨場感たっぷりに描かれており見どころの一つとなっている。

人気投票のプロモーション活動に、
マーケティングによる戦略で新機軸の店舗も登場?!


さらに、現代にも通ずる“ビジネスあるある”ともいえる、エピソードも描かれている。初めて店を出すとき、どのようなセールストークなら商品の魅力を客に伝えられるのか(あなたは、大根を売れますか?)、同じ業種の店との差別化を図るためのマーケティングと店舗展開(新機軸のお茶屋が登場)、町娘たちの人気投票を制するにはプロモーション活動が必須(どうやってファンを増やすのか?)、とばかりのシーンも登場!

ハリウッドでは、マイケル・ムーアや、最近ではアダム・マッケイが、『ハスラーズ』や『マネー・ショート 華麗なる大逆転』などで金融危機に陥ったアメリカ社会へ切り込む作品を発表し大きな話題になっていたが、近江商人の商売の知恵を足掛かりに展開する本作も、現代社会を見通すヒントを与えてくれるかもしれない。


現在も、商売の職種やジャンルを問わず、 “誰よりも早く情報を入手する”、”顧客獲得のためにプロモ―ションやマーケティング”はビジネスの要ということは変わらない。企業努力や創意工夫のエピソードが、エンターテインメント要素たっぷりに痛快に楽しめる本作、ぜひ劇場で見届けてもらいたい。


ストーリー

ある近江商人との出会いから、大津の米問屋大善屋で丁稚奉公することとなった銀次。それから5年…商才を発揮する銀次は、店の仕事だけではなく、職人の互助組合作りや茶屋の看板娘お仙のアイドル化計画などを手掛け、町の人々を助ける。そんな彼の元には先輩の丁稚・蔵之介や、同じ店で働く楓、眼鏡職人の有益や大工の佐助など仲間が集まるようになった。

そんな中、悪辣な奉行の罠によって大善屋が千両もの借金を背負うことになってしまい、この悪企みから店を守るため、銀次は大津と15里=60km 離れた堂島の米の価格差を利用した裁定取引を思いつく。電話もネットもない時代、飛脚でも半日掛かる距離を越え、情報を迅速に入手するため、銀次たちが仕掛けた壮大な作戦とは?

作品情報

出演:上村 侑 森永悠希
真飛 聖 黒木ひかり 前野朋哉 田野優花 村田秀亮(とろサーモン)
鳥居功太郎 たむらけんじ 大橋彰(アキラ 100%) 高梨瑞樹 徳江かな 落合亜美 半田周平 コウメ太夫
矢柴俊博 堀部圭亮 渡辺裕之(特別出演) 藤岡弘、(特別出演)/筧 利夫
監督:三野龍一 脚本:望月 辰 製作:新谷ゆっちー タケモトナオヒロ 撮影:川口諒太郎 照明:西山竜弘 美術:佐々木健一 録音:古川裕志 編集:川島章正 音楽:RIO 衣裳:真柴紀子 ヘアメイク:塚原ひろの VFX:鹿角 剛 助監督:鹿川裕史
制作担当:三浦義信 ラインプロデューサー:奥田順一 宣伝プロデューサー:鷲谷 一 
主題歌:「non standard」 AMAEBI 
製作プロダクション:KCI 
配給:ラビットハウス 
劇場公開日:12月30日(金)新宿ピカデリー他、お正月ロードショー
映画公式サイト: https://oumishounin.com/ 
Twitter:@OumishouninFilm

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