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2023年02月08日

「ルパン三世VSキャッツ・アイ」ファンが歓喜した“3つ”の理由|泥棒一味と怪盗姉妹のロンサム・ドリームを召しませ

「ルパン三世VSキャッツ・アイ」ファンが歓喜した“3つ”の理由|泥棒一味と怪盗姉妹のロンサム・ドリームを召しませ

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泥棒たちには、夜の闇がよく似合う。

時に月明かり浴びて、ときに空をかける流れ星のように乱舞する彼ら。そう、かの有名な泥棒一味と怪盗姉妹があいまみえる瞬間(とき)がついにやってきた。

モンキー・パンチ原作の「ルパン三世」アニメ化50周年、北条司の初連載作品「キャッツ・アイ」原作40周年を記念して作られた「ルパン三世VSキャッツ・アイ」

両作品のファンである筆者は、この夢の競演作を観て唸らされるばかりだった。

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1:ルパンとキャッツを繋げる絶妙なストーリー

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ルパン三世とキャッツ・アイ。いずれも、漫画・アニメの世界で根強い人気を誇る泥棒たちだ。

世界を股にかける大泥棒・ルパンとその一味を描いた「ルパン三世」。1971年にアニメがスタートして以来、劇場版やテレビスペシャルなどさまざまな展開を続けてファンに愛され続けている。

来生泪・瞳・愛の三姉妹の怪盗が活躍する「キャッツ・アイ」は、80年代にアニメ化。当時のテレビアニメとしては異例のセクシーでおしゃれな作品として人気を集めた。

ルパンとキャッツの新作アニメが作られると聞いたとき、筆者は彼らをどう繋げていくのかにまず興味津々だった。ともに泥棒ではあるけれど、盗む目的やスタンスが異なるからだ。

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キャッツ・アイが盗みを働くのは父親(=画家のミケール・ハインツ)を探すため。任務を遂行する中で敵と戦うこともあるが、彼女たちの最優先事項は父を見つける唯一の手がかり・ハインツのコレクションを奪還することだ。

一方ルパンの泥棒稼業は、キャッツのような明確な目的のためでは決してない。ターゲットのお宝を手にしても、それが本当に必要な相手がいるなら潔く手放す。そして、気に食わない悪質犯罪者を見逃さず成敗するスーパーヒーローになるときもある。

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本作で彼らを巡りあわせたのは、ミケ―ル・ハインツの作品だった。父が描いた絵画を美術展で奪おうとする瞳たちだったが、なんとルパンもハインツの絵を狙っており、2組の泥棒は絵画をめぐる戦いに身を投じていく。

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本作を観る前、筆者はどちらかというとシンプルなストーリーになるだろうと思っていた。キャッツ・アイは作品の主人公で次女の瞳が実行犯、長女の泪が司令塔、三女の愛がメカニック担当……と役割が明確化していて、瞳が単独で盗みに入るケースが多い。そのため、ルパンと瞳がお宝をめぐって争う話になるのでは……と予想した。

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しかし蓋を開けみると、その予想はいい意味で裏切られた。本作では瞳だけでなく泪や愛も父親の作品を取り戻すために奔走し、ルパン一味も、ルパンに加えて次元や五右衛門、さらには裏切りがちな不二子も活躍。両作品のキャラクターたちが揃って乱舞する物語に、ドキドキワクワクして夢中になるばかりだった。

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本作におけるルパンと来生姉妹の関わり方がまた絶妙。「そう来たか……」と思わず唸ってしまった筆者である。ネタバレになるので詳細は避けるが、決して単純な争いにはなっていない。ルパン一味とキャッツ・アイが織りなすドラマの中で来生三姉妹のチームワークや父への思い、ルパンがクールでとぼけた態度の裏に隠し持つ深い優しさなどが描かれ、痛快かつほろりとさせるストーリーに仕上がっている。

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なお、来生三姉妹の中で特に印象的だったのは末っ子の“愛”だ。明るく人なつこくて調子のよいところもある元気っ娘。しかし姉妹の中で唯一父の顔を見たことがない寂しさを抱えた彼女の心情を描くドラマは、観ている人の心がきっと揺さぶられるはずだ。

2:見逃せない、泥棒を追うお茶目な刑事たちの活躍

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「ルパン三世VSキャッツ・アイ」では、泥棒を追う刑事たちの姿も見どころの1つだ。

ルパンとキャッツ・アイは、ともにしつこい刑事に追いかけられている。ルパン逮捕に人生をかけているおなじみ“とっつぁん”ことインターポールの銭形警部、そして、瞳の高校時代からの彼氏だが、彼女のもう一つの顔に気づかずキャッツ逮捕に執念を燃やしている犬鳴署の刑事・内海俊夫だ。

初共演である2人の刑事を改めて見ると、共通点が多いことに気づいた。逮捕を諦めず犯人を追いかけ続けているところや、正義感が強い一方どこか抜けていて泥棒たちに翻弄されるところも一緒。何より2人とも泥棒を好敵手と認め、敵対しつつも敬意を払っている。

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本作では、ルパンとキャッツの活躍の裏で銭形と俊夫が奮闘する物語も描かれた。まっすぐ使命に立ち向かいながらも、どこかずっこけているこの2人。彼らが登場する場面では漫才やコントのようなやりとりもあり、思わず吹き出してしまった。人間味のある姿が物語のよき箸休めにもなっていたと思う。

本作の番外編などの形で、銭形と俊夫の刑事2人の珍道中の話なども機会があれば見てみたい。

3:心躍る音楽と杏里が歌う「CAT’S EYE 2023」

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「ルパン三世」と「キャッツ・アイ」はいずれも楽曲の秀逸さに定評があるため、音楽面でも良き化学反応を起こすのでは……と予感していた。その音楽がまた期待通りのクオリティに仕上がっていたのだ。

パンチがきいてしなやかなオープニングのサウンドが素晴らしいし、劇中で流れた両作品のおしゃれな楽曲にも心が躍った。そして、何より心に響いたのはやはりあの曲。本作の主題歌、杏里が歌う「CAT’S EYE 2023」だ。

「キャッツ・アイ」アニメ放送時にオリコンチャートで1位に輝き、当時のアニソンとしては異例の大ヒットを記録した名曲を、オリジナル歌手・杏里のボーカルで21世紀にまた聴くことができた。昔からのファンにとってこれほど嬉しいことはない。よくぞこの曲を……とただただ感謝したい。

いつかまた、彼らが出逢う素敵な時間(とき)を

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セルルックCGを使って製作されたという「ルパン三世VSキャッツ・アイ」。両作の昔のアニメとは絵柄の雰囲気が変わっていて、特に「キャッツ・アイ」に関しては、旧アニメに比べて来生三姉妹のセクシーさが若干控えめというかあっさりしたテイストになっているとは感じた。

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とはいえ絵柄の変化はあれど、痛快なアクションやスリリングでハートフルな物語など、両作品の魅力がしっかり詰め込まれており、筆者は最初から最後までしっかり楽しむことができた。

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ルパン三世とキャッツ・アイ。世紀の泥棒たちが混じりあう物語。もしかしたら、ひとときのロンサム・ドリームに過ぎないのかもしれないけれど、叶うのならまたこの夢が見られるときが来ればいいのに……と思う。

いつかまた、ミステリアスな猫たちが秘密めいた扉を開き、美学を貫く泥棒一味と出逢う素敵な時間(とき)が訪れることを願っている。

(文:田下愛)

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Amazon Original『ルパン三世VSキャッツ・アイ』 
 
2023年よりPrime Videoにて “世界独占配信”

公式HP www.lupin-vs-catseye.com
公式Twitter @lupin_vs_cats ハッシュタグ #ルパンVSキャッツ
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©モンキー・パンチ 北条司/ルパン三世VSキャッツ・アイ製作委員会

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