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2023年03月14日

「夕暮れに、手をつなぐ」9話:季節外れの花火。確実にこの二人は、恋をしていたのに。

「夕暮れに、手をつなぐ」9話:季節外れの花火。確実にこの二人は、恋をしていたのに。


広瀬すず主演、永瀬廉(King & Prince)が共演する火10ドラマ「夕暮れに、手をつなぐ」が2023年1月17日放送スタート。本作は、片田舎で育った女の子・空豆(広瀬すず)と、都会の平凡な男の子・音(永瀬廉)の、互いの夢を応援し合う青春ラブストーリー。共演は田辺桃子、黒羽麻璃央、松本若菜ら。

本記事では、9話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

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「夕暮れに、手をつなぐ」9話レビュー

「アンダーソニア」の久遠(遠藤憲一)にコレクションのテーマを盗用され、音(永瀬廉)とも離ればなれになった空豆(広瀬すず)は、まさにドン底状態。音とセイラ(田辺桃子)の新ユニットがどんどん売れていくのを横目に見ながら、彼らの衣装を作る話も頓挫した空豆は、まさに希望を失ってしまっていた。


地を這うような様子の空豆に、天啓となるアドバイスをしたのは、やはり響子さん(夏木マリ)。実母である浅葱塔子(松雪泰子)に助けを求めればいい、という、空豆に取っては喜ばしくない提案だった。

しかし、アンダーソニアの後ろ盾もなくなり、せっかく考えたコレクションのスポンサーにも降りられ、八方塞がり。空豆は一本の藁を掴む絶体絶命の状態で、塔子に連絡をする。

それが、道を拓くきっかけとなった。

音とセイラのデビュー曲を彩った、あのおはじきのドレスを見た瞬間から、塔子は空豆を「スカウトしよう」と考えていたらしい。空豆の資金援助の申し出を受け、パリでコレクションをしようと誘う。ドン底状態から一転、いきなり世界の舞台にまろび出ることになった。


音はどんどん名前も顔も売れ、遠い存在になっていく。

空豆はパリ行きを決め、距離的にも遠く離れていってしまう。

壮行会と称し、久々に顔を合わせることになった音と空豆。3月、季節外れの花火が、二人に訪れなかった“空白の夏”を思い出させる。寝転びながら、手を繋ぎ、この夏は花火をしようと約束した。小さくささやかな約束は、果たされなかった。

あの頃交わした秘密のキス。手を繋いだひととき。そして、互いに取り消されたメッセージ。確実にこの二人は恋をしていたのに、ようやく気持ちが通じたのは、別れの直前だった。


「手を伸ばしたら、届くと?」空豆は音に問いかけた。「届くんじゃない? 割と、簡単に」音は答え、そして空豆を抱き寄せる。どこで道が分かれてしまったのか、ボタンの掛け違えはいつ起こったのか。それは音にも空豆にも、もうわからないことなのだろう。

かつて、音は言っていた。俺たちは、離れたって変わらない、と。あれは、どうしたって嘘だった。優しい優しい、嘘だった。「届くんじゃない?」と言ったのも、彼なりの優しさから溢れ出たような、小さな嘘だったに違いない。

(文:北村有)

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