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2023年06月05日

「日曜の夜ぐらいは...」第6話:“日曜の夜に死にたくならないカフェ”を目指す4人。魅力的すぎる賢太が今後波乱を巻きおこす?

「日曜の夜ぐらいは...」第6話:“日曜の夜に死にたくならないカフェ”を目指す4人。魅力的すぎる賢太が今後波乱を巻きおこす?

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主演に清野菜名、共演に岸井ゆきのと生見愛瑠が名を連ねる連続ドラマ「日曜の夜ぐらいは...」(ABCテレビ/テレビ朝日系)が2023年4月30日よりスタート。脚本家の岡田惠和が、あるラジオ番組がきっかけで出会った女性3人のハートフルな友情物語を紡ぐ。

本記事では、第6話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
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「日曜の夜ぐらいは...」第6話レビュー

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「日曜の夜に死にたくならない人は、幸せな人だと思う」

またこのドラマから共感必至の名言が飛び出した。

“わぶちゃん”こと、若葉(生見愛瑠)が小学生の頃に書いたという詩。世の中にはブルーマンデー症候群とか、サザエさん症候群などど言ったりするけれど、そういう名称が存在するほど月曜から新たに始まる学校や仕事を想像して憂鬱な気分になる人が多い。きっとその想像の中の自分は、無理して作ったものだから。

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エレキコミックのラジオ番組主催のツアーで出会ったサチ(清野菜名)、翔子(岸井ゆきの)、若葉、そしてみね(岡山天音)。互いの通帳を預け合えるほどの信用を寄せられる人との出会いは、彼らに様々な効能を与えてくれた。中でも大きいのが、心の解放である。

一緒にカフェを開くことになった4人。翔子が理想的な物件を探し当てたものの、一足違いで借り手が決まってしまったり、賢太(川村壱馬)にカフェのコンサルタント料として200万円を一気に支払うことになったり、全ての経験が新鮮で新しい。

彼らはその度に思い切り悔しがって、ドキドキして、ふと騙されているんじゃないかと不安になる。こんなにも心が動く経験を誰も味わったことがなかった……というより、それどころじゃなかったという方が正しいだろう。

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サチたちは、これまで自分じゃない自分を作り上げるのに必死だった。辛い現実に耐えうる自分、好奇な視線に晒されながら生き抜く自分、一人ぼっちの生活に慣れた自分、同級生から馬鹿にされない自分。そうなるために、心を押し殺し続けてきた。

だけど、どうしても辛くなった時のお守りが翔子、若葉、みねにとってはエレキコミックのラジオで、サチにとっては高いアイスだったのだ。誰にでも一つくらいは持っている、明日また頑張るための“何か”。その“何か”に自分たちがこれから作るカフェがなれたらと、4人はお店のコンセプトを固める。

店名は『SUNDAYS(サンデイズ)』。ちょっと高いアイスと長い名前のコーヒーを楽しめる、バリアフリーで誰でも気負うことなく入れて、エレキコミックのラジオみたいに元気が出るカフェだ。

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日曜の夜が憂鬱で仕方がなかった彼らだからこそ思いついた、日曜の夜ぐらいは自分を甘やかしてほしいという優しさがそこには詰まっている。翔子のタクシーでエレキコミックのラジオを聴いて泣き笑いした女性のように、きっとサチたち以外にも日曜の夜に死にたくなる人がきっとこの世界にはたくさんいるのだろう。4人の作るカフェがそういう人たちの笑顔で溢れる場所になってほしいと願わずにはいられない。

誰かの笑顔を守ろうとするサチたちの笑顔を守ろうとする人もまた存在する。その一人が富士子(宮本信子)だ。あっさりと東京行きを決めた富士子だが、心の奥では縁もゆかりもない地でも新たなスタートに不安を抱えていた。それでも若葉についてきたのは、彼女に後ろめたさを感じることなく自分の幸せを追いかけてほしかったから。

そんな富士子を、今は邦子(和久井映見)という存在が支えている。富士子は邦子の役に立つことで自分の存在意義を確認することに罪悪感を抱いているが、邦子も邦子で富士子に“利用”されていることが嬉しい。人と人の関係は何かしらお互いを利用し合うことで成り立つものだけれど、そこに思いやりさえあれば、利用されるのも悪くないと思える。

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サチたち4人と賢太の関係も、ただのクライアントとコンサルタント以上のものになりうる可能性が浮上した。ついに理想的な物件が見つかり、それぞれが過去の苦い経験を払拭する中、賢太の脳裏にも友人から今の仕事を揶揄された記憶が蘇る。彼にも4人と同様に、自分らしくいられなかった過去があったのだろう。

だけど、負けずにここまでやった結果、サチたちに信頼に値するコンサルタントとして指名された。純粋に役に立ちたいと思ってくれる仲間が増えたことは喜ばしいことだ。一方で、あまりに魅力的すぎる賢太を前に一抹の不安を覚えるのは、若葉の恋愛嫌悪が理由。ここまで意見や価値観のすれ違いが一切見受けられない分、「恋愛が嫌いなんで。というか恋愛気持ち悪いからしたくない」と言ってのける若葉の強い信念が後々波乱を巻き起こしそうな予感がする。

友情にしろ恋愛にしろ、相手と自分の考えが全て一致するとは限らない。たとえ一度はぶつかったとしても、彼らが最終的に互いの違いを受け入れ、より安定した関係が築けることを願うばかりだ。

(文:苫とり子)

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