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「日曜の夜ぐらいは...」第7話:ブロックを踏んだ時の“幸せな痛み”を笑える人生賛歌の物語


主演に清野菜名、共演に岸井ゆきのと生見愛瑠が名を連ねる連続ドラマ「日曜の夜ぐらいは...」(ABCテレビ/テレビ朝日系)が2023年4月30日よりスタート。脚本家の岡田惠和が、あるラジオ番組がきっかけで出会った女性3人のハートフルな友情物語を紡ぐ。

本記事では、第7話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。

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「日曜の夜ぐらいは...」第7話レビュー


宝くじで当選した3000万を元手に共同経営のカフェ「サンデイズ」のオープンに向けて走り出したサチ(清野菜名)、翔子(岸井ゆきの)、若葉(生見愛瑠)。経理担当のみね(岡山天音)とコンサルタントの賢太(川村壱馬)という心強い仲間を手に入れ、理想的な物件も見つかった。

ここまでは全てが順調。少々うがった見方をすれば上手く行き過ぎていると言えなくもない。そこに、それぞれが向き合わねばならない“現実”が訪れた「日曜の夜ぐらいは...」第7話。だけど今は心を預けられる場所がある。そのありがたみを、感じざるを得ないエピソードだった。

物件が決まったことでようやくカフェ開業の実感が湧いてきたサチたちは浮き足立つ。震度2の地震がきただけで自分たちの大事な夢の場所が壊れていないか心配になり、居てもたってもいられず様子を見に行く……そんな3人の姿が微笑ましくて仕方ない。

邦子(和久井映見)や富士子(宮本信子)も私たち視聴者と同じ気持ちのようで、ちょっと遅れてきた青春を謳歌する彼女たちを愛おしく見守るのだった。


ただ、なにもサチたちは冷静さを失っているわけじゃない。泣いたり笑ったりと忙しいくらいに感情が動く日々の喜びを感じつつも、どこかで結局それをもたらしてくれたのはお金なのかという虚しさもある。でも一人で3000万を手にしたところで今みたいな幸せを感じることができたか、といえばきっとそうではないだろう。

全てはあの日、バスツアーでの出会いがあったからこそ。接客業に就くにあたって男性への恐怖を克服しようとする若葉に、「無理に克服しようとしなくていい。私たちが守るから」と語りかけるサチと翔子。そういう存在に出会えたからこそ、3人は幸せへの足がかりを掴むことができたのだ。

遺産相続問題について兄の敬一郎(時任勇気)と話し合うことになった翔子もそう。翔子は相続を放棄する代わりに、自分がタトゥーを入れたことで心のバランスを壊してしまった母親に謝りたいと敬一郎にお願いするも拒否されてしまう。

翔子が家を出て行った後、母親を必死で支えてきた敬一郎も敬一郎で様々な苦労があったのだろう。それでも再構築の機会さえ与えてもらえない翔子の孤独はいかばかりか。彼女に今、ありのままでいられる場所があること。それは何よりの救いである。


一方、サチはバイト先でトラブルが発生し、カフェ開店準備に時間を割けない状態に。数人のバイトが突然辞め、人手が足りなくなってしまったのだ。田所(橋本じゅん)にセクハラされるわ、そのせいで他のスタッフからあらぬ誤解を受けるわでバイト先には決して良い思いを抱いているわけじゃない。だけど、自分の生活を支えてくれていたのは事実で、田所にだってある程度の恩と尊敬の気持ちも感じているサチ。

大金が入ったし、散々嫌な思いをしたのだから、別に放っておいて辞めることもできる。だけど、そうしないところが彼女の誠意であり、美点だ。3人は未来へ向かうのと同時に、過去の自分としっかり向き合っている。それができるのも互いの存在があるからなのだろう。

子供のおもちゃを足で踏んでしまった時の感覚を、邦子は「幸せな痛み」と表現する。人生何もかもうまくいくことばかりじゃない。やるせなさを感じることも多々ある。だけど、だからこそ幸せがより身に染みる。3人と再会した猫田(椿鬼奴)が言うように、日曜日が憂鬱になるほどの月曜日からの日々を経た金曜日の夜がさいっこうに楽しいように。このドラマは、そんな人生賛歌の物語なのだ。

(文:苫とり子)

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