「どうする家康」第23話:瀬名(有村架純)を覚醒させたのは戦乱の世か、それとも
2023年1月8日放送スタートしたNHK大河ドラマ「どうする家康」。
古沢良太が脚本を手がける本作は、弱小国の主として生まれた徳川家康が乱世を生きる姿を描いた波乱万丈エンターテイメント。大河ドラマ初主演となる松本潤が従来のイメージとは異なる「ナイーブで頼りないプリンス」の家康に扮する。
本記事では、第23話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
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「どうする家康」第23話レビュー
父親としても、夫としても、主としてもしっかりしてほしい、家康。武田の使者である千代(古川琴音)と密会を重ねる瀬名(有村架純)。秘密裡にではあったが、五徳(久保史緒里)は気づいていた。
涙をあふれさせながら、父・信長(岡田准一)に文を送る。
信長のことだから、すぐに手を下すのかと思ったが、まず標的となったのは水野(寺島進)。武田と通じたことを問い、岡崎にて家康(松本潤)が手を下すよう命じた。
水野としてはいわれもないこと。
なぜ自分だけ、と首をひねった結果、「見せしめだ」という。家康、もしくは家康の周りで武田に通じている者がいるはずだ、と。
水野のその見立ては正しい。
意外にも、信長は家康に猶予を与えたのだ。しっかりしろ、企んでいる者がいるぞ、と。
また、五徳も瀬名に忠告する。
「我らも気をつけねばなりませぬな。疑われることのないように」
五徳は信長に逆らうことはできない。信長の恐ろしさを知っているから。
だからこそ、水野の一件は信長の恩情だと気がついているだろう。
幼いころに信康(細田佳央太)のもとに嫁いできた五徳からしてみれば、瀬名は母も同然のはず。
子どものころはケンカばかりだったが、五徳は信康を愛している。子も生まれた。信康と共に子を育てていきたいという思いもあるのではないか。
そんな矢先、信康が鷹狩りで通りすがりの僧を切り捨てるという出来事が起きる。僧に落ち度はない。
忠義心の厚い七之助(岡部大)が諫めても聞き入れない。逆らうなら斬る、とまで言う。
そこで前に出たのは瀬名。「五徳と姫が怖がっている」と言うと、信康は何か糸が切れたように、尻餅をつく。
そのあと、ひとり、床に横たわる信康のもとを訪れる瀬名。瀬名に向かって信康はつぶやく。
「私はわたくしでなくなりました」
「いつまで戦えばよいのですか」
「いつまで人を殺せば…」
このままでは息子が壊れてしまう、と瀬名は思ったのだろう。自身の謀をついに信康に向かって口にする。
そして本格的に動き出す。築山には千代が唐人を装った穴山信君(田辺誠一)を伴って訪れる。瀬名による企みが動き出した。
一方、家康。
石川数正(松重豊)から、瀬名が築山の侍女や門番を総入れ替えしたと聞く。
数正は水野の話を持ち出し、瀬名に対する不安を伝えるが、家康は耳を貸さない。
「草花が好きなたおやかな妻じゃ」と言うだけ。
信長は猶予を与えた。しかし、家康は何もしなかった。
戦乱の時代。
妻と子をさらに追い詰めている張本人は、信じるだけで何もしない、夫ではないのだろうか。
そんな中、癒しの存在とも言える於愛(広瀬アリス)が登場。
初登場で、気づかなかったとは言え、家康のお尻をひっぱたき、得意だと言った笛では音を外し、初めて会った瀬名とは源氏物語で意気投合、つい我を忘れて盛り上がってしまう。
そんな彼女が家康の側室になるわけだが、どんな妻になるのかも今後気になるところだ。
(文:ふくだりょうこ)
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