ドラマ好きライターが選ぶ、2023年【夏ドラマ】注目作“7選”
早いもので2023年も7月に突入。残すところ「あと半年」と感じるか、「まだ半年」と考えるか……。月日が過ぎる早さに戸惑うものの、これからスタートする夏ドラマにワクワクしている。今年の夏は、どんな作品が私たちの心に癒しや潤いを与えてくれるだろうか。
2023年春ドラマは「あなたがしてくれなくても」（フジテレビ系）が話題になり、「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」（TBS系）では、山田裕貴や赤楚衛二、上白石萌歌ら若手俳優が大奮闘した。
7月に入り、続々とスタートする夏ドラマ——。
そこでドラマ好きライターが注目したい夏ドラマを7つご紹介する。期待値の高い魅力的なドラマばかりで見逃せない！
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「VIVANT」
■出演者以外ベールに包まれたドラマ
7月16日（日）よりスタートする日曜劇場「VIVANT」（TBS系）。
2020年夏に放送された「半沢直樹」以来、3年ぶりにTBSの日曜劇場に堺雅人が登場する。阿部寛・二階堂ふみ・松坂桃李・役所広司といった豪華俳優陣の発表はあったものの、内容はベールに包まれたまま。「敵か味方か。味方か敵か。」というフレーズがさらに好奇心をあおる。
すでに公開されている映像ではスーツ姿の堺が砂漠を歩いているが、これは何を意味するのか。 “企業スパイ”ものでは？との噂はあるものの、真相は現時点ではわからず。しかし、原作が「半沢直樹」（TBS系）シリーズや「下町ロケット」「ドラゴン桜」（同）の演出を手掛けた福澤克雄の完全オリジナルストーリーとのことなので、これは大いに期待できる。
また、モンゴルで2か月半に及ぶ大規模ロケを敢行したとの情報から、TBSの本気度が伺える作品だ。
（2023年7月16日から毎週日曜よる9:00～／TBS系）
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「トリリオンゲーム」
■目黒蓮演じるハルは「トリリオンダラー」（1兆ドル）を手にできるか！？
2022年冬ドラマで話題だった「silent」（フジテレビ系）で聴覚障害者を演じた目黒蓮。そんな目黒が主演を務めるドラマ「トリリオンゲーム」が7月14日(金)よりスタートする。
原作は稲垣理一郎、作画は池上遼一の同名漫画（小学館ビッグコミックスペリオール連載）だ。
ハッタリと野心と類まれなるコミュニケーション能力が武器のハル（目黒蓮）と、気弱なパソコンオタクのガク（佐野勇斗）。この2人がゼロから起業し、予測不能な作戦でトリリオンダラー（1兆ドル）を手に入れようとする痛快エンターテインメントドラマだ。
今回の作品には、今田美桜と福本莉子も出演することがすでに発表されている。今田と目黒といえば、興行収入 25億円を突破した映画『わたしの幸せな結婚』で共演。冷酷無慈悲な主人公を目黒が、虐げられてきたヒロインを今田が演じ、話題となった。
今回は映画とはまったく違うハイテンションの“ハル”と、才色兼備の社長令嬢“桐姫”をどんな風に演じるのか楽しみで仕方ない。
（2023年7月14日から毎週金曜よる10:00～／TBS系）
「こっち向いてよ向井くん」
■赤楚衛二の快進撃が止まらない
2023年春ドラマ「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」（TBS系）に出演したばかりの赤楚衛二が今度は7月12日からはじまるドラマ「こっち向いてよ向井くん」（日本テレビ系）で主演を務める。
ドラマのキャッチフレーズが「10年ぶりの恋愛なんて、どうすりゃいいの！？」とのことだが、このビジュアルで恋愛迷子だなんて向井くん、筆者は信じないよ。
向井くんが10年間忘れられない元カノ、美和子役を演じるのは初のラブストーリー＆ヒロインに挑戦する生田絵梨花。10年前に向井くんと付き合っているときに「守ってあげたい」と言われた美和子は「守るって何？」という言葉を返し、その後、破局。当時の向井くんは「守ってあげたい」と言われたら女子はみんな喜ぶと思っていたのかもしれない。美和子のことが忘れられないのか？ 言われた言葉がその後の向井くんの恋愛偏差値を下げてしまったのかはまだわからないが、向井くんと美和子は元さやになるかが気になる。
個人的には出演者に財前直見と森脇健児の名を見つけたときにテンションがあがった。平成のドラマを盛り上げてくれた2人が、どんな役どころなのかも注目したい。
（2023年7月12日から毎週水曜よる10:00～／日本テレビ系）
「警部補ダイマジン」
■大人気漫画を生田斗真×三池崇史でドラマ化！
週刊漫画ゴラクに現在も連載中の漫画「警部補ダイマジン」が実写化された。原作はリチャード・ウー（原案）、コウノコウジ（作画）。
主演は、映画『土竜の唄 FINAL』（2021年）など “土竜の唄シリーズ”で三池崇史監督とタッグを組んだ生田斗真だ。生田と三池の作品と聞けばどうしても骨太で見応えのある作品を期待してしまう。
さらに共演者もかなり豪華。土屋太鳳やシシド・カフカ、成海璃子に加え、松平健や高橋克典、片岡鶴太郎、小澤征爾などそうそうたる役者は三池監督の人脈だろうか。
生田が演じる警視庁捜査一課のエース、台場陣（だいば・じん）、通称「ダイマジン」は誰よりも早く現場に駆けつける熱血漢タイプ。しかし、ダイマジンには人には言えない過去が……。ダイマジンは徹底的にダークヒーロなのだろうか？それとも……？
冷淡な警視正、平安才門を演じるのは向井理。ダイマジンの過去を知る平安は半強制的にダイマジンを「奴隷」としてこき使い、未解決事件に迫っていくという人物だ。そして、やがて2人は警察組織や国家の暗部に踏み込んでいく——。
すでにあらすじだけでもテンションが上がるのは筆者だけだろうか。
（2023年7月7日から毎週金曜よる11:15～／テレビ朝日系）
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「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」
■「……私は生徒に殺された」衝撃なキャッチフレーズが目を引く
つい先日「Mother」（日本テレビ系）の再放送を観たが、この作品が2010年の作品だったことに衝撃を受けた。さらにあの時に怜南役を演じた芦田愛菜が当時5歳だった事実にも触れ再度、衝撃。今や国民の“芦田愛菜ちゃん”も19歳。大人の女性に成長した。
そんな芦田が7月15日から「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」（日本テレビ系）でクラスの命運を握る優等生、鵜久森叶を演じる。
芦田らが演じる生徒の担任の先生、九条里奈を演じるのは松岡茉優。卒業式の日に生徒の誰かに殺された九条が、1年前にタイムリープし、死を避けるために生徒と向き合うというサスペンス学園ドラマ。いささか韓国ドラマにありがちな設定だと頭をかすめる。が、同作品は2019年に放送された「3年A組―今から皆さんは、人質です―」の監督と、プロデューサーが手掛ける、オリジナル脚本の作品だという情報を知れば期待値が上がった。
現代の子どもたちが抱えるイジメやスクールカースト、家庭内トラブルなどは観る人によっては目を背けたくなる問題かもしれない。しかし、結末は明るいものであると願って最終回まで見届けたい。
（2023年7月15日から毎週土曜よる10:00～／日本テレビ系）
▶︎「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」を観る
「なれの果ての僕ら」
■“僕ら”の待つ運命がアレすぎる！
井上瑞稀（HiHi Jets／ジャニーズJr.）が主演を務めるドラマ「なれの果ての僕ら」（テレビ東京系）が、6月27日深夜にスタートした。初回で筆者は、あまりの衝撃展開に火曜深夜に呆然となった。
犬飼貴丈演じるみきおの提案により「同窓会」に集められた元6年2組の23人。ネズ（井上瑞稀）と未来（大原櫻子）らは楽しい会になると思い、小学校に集まったがそれは恐怖のはじまりだった。なぜならそこから3日間監禁された挙げ句、最終的には13名が死ぬことに……。しかも、その殺され方がなんともエグい。初回の放送で一人はバラバラ、もう一人は濃硫酸で即死と、かなりセンセーショナルだった。こんな同窓会、当たり前だが絶対に行きたくない。しかし、初回を観たら最終回が気になって仕方がない。
同作品は、内海八重氏の同名漫画が原作。みきおの母親役に雛形あきこ、事件を追うジャーナリスト役に森カンナも出演する。クラスメート役には工藤遥や矢花黎、大原優乃、西村拓哉らフレッシュな顔ぶれがそろっている。
あまりにも衝撃的な展開のドラマなのである意味、30分間は「現実逃避」できる作品とも言える。HiHi Jetsの人気メンバー、井上の歪んでいく表情、恐怖の同総会を企画したみきおを演じる犬飼の冷たい視線、どちらもゾクゾクすることは不可避だ。
（2023年6月27日から毎週火曜深夜0:30～／テレビ東京系）
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「転職の魔王様」
■悩める求職者の救いとなるか？
額賀澪の原作「転職の魔王様」（PHP文芸文庫）が成田凌を主演に迎え７月17日（月）、22時からスタートする。 “月10”初主演の成田が演じるのは、“転職の魔王様”の異名を持つ、毒舌敏腕キャリアアドバイザー来栖嵐（くるす あらし）。左足が不自由で常に杖を突いている。ヒロインの未谷千晴は小芝風花が演じる。
どんな仕事がしたいのかわからない千晴は、新しい職場を探そうと転職を考えていた。そこへ“転職の魔王様“こと来栖が現れる。来栖の言葉によって自分の本音に触れていく。どんな手を使っても求職者の転職を成功させる来栖と千晴の関係性にも注目だ。一話完結型のストーリー展開も気楽に観れるのでうれしい。週のはじめにスカッとさせてくれそうな予感。
これまで俗にいう“お仕事系ドラマ”はたくさんあった。近々では、芳根京子が主演を務めた知財を扱ったドラマ「それってパクリじゃないですか？」（日本テレビ系）が記憶に新しい。しかし、同ドラマが扱うテーマは「転職」。
コロナが落ち着き、自分の生き方を見直したい、新しいステージに行きたい、と願っている人にとっては魔王様が背中を押してくれそうだ。
（2023年7月17日から毎週月曜よる10:00～／カンテレ・フジテレビ系）
2023年夏ドラマ7選を筆者の主観で紐解いたが、今クールは男性俳優が主演を務める作品が多い。
また、漫画が原作の作品の多さにも驚いた。原作があると最終回が安易に予想できてしまうが、最近は原作とは違う結末に導いてくれる作品が多い。はたして原作通りか、それともアレンジしてくるか？そんな視点で視聴しても面白いかもしれない。
CINEMAS+では、2023年【夏ドラマ】をバイタリティ溢れるライターがレビューを紹介していくのでお楽しみに。
（文：駒子）
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