「警部補ダイマジン」スタート!「ドラマの刺激と共に夏を乗り切って」
オンエアに先立って、都内にて試写会、記者会見が行われた。主演の生田のほか、三池監督、向井理が登壇した記者会見の模様をレポートする。
新たなダークヒーローが誕生
漫画「警部補ダイマジン」をドラマ化した本作。平安才門(向井理)にある弱みを掴まれた警視庁捜査一係のエース台場陣(生田斗真)は特命捜査班に異動となり、平安に奴隷のようにこき使われることに。その仕事の内容というのが法では捌けない犯人を秘密裏に始末すること。
しかし、その中で台場たちが迫るのは未解決事件の裏にある国家の暗部や警察組織の闇。彼らが相対する悪は、一体どんなものなのか……。
本作で、正義感あふれる台場陣を演じた生田は「とんでもないものができたな、という実感を持っております」とし、向井も「すごくハードで、ダークでそれでいてユーモアがあり、いろんな要素のあるドラマになったと思います」と自身の役どころにいて語ると共に作品の出来について自信を見せた。
三池監督は「監督役の三池です」と笑いを誘ったあと、「だんだんテンポアップして、どんどんおもしろくなっていくので、楽しんでいただければと思っています」と挨拶。
これまで、ドラマ「ハチミツとクローバー」、映画『ハナミズキ』で共演経験のある生田と向井。今回は13年ぶりの共演となる。
感想を聞かれて生田は「見た目も関係性もそんなに変わらないけど、現場にいる居住まいっていうのが、これまでたくさんの修羅場や経験を乗り越えてきたんだな、っていう大きな背中だったので、それも面白いな、と。またこうやって会えて嬉しいな、と思います」と笑顔を見せた。
一方、向井は「(当時は)まだまだ僕も全然わかっていない状態の中で共演していろいろ学んだこともありましたし、それをまたこうやって大きな舞台で一緒にやれることはすごく嬉しいことです」と振り返りつつ、「戦友として一緒にひとつの目的に向かって戦う物語でもあるので、同世代とバチバチやることは減ってくるので、すごく嬉しかったです」と語った。
向井曰く、キャストやスタッフをすごく安心させる存在だったという生田。司会から生田が中心になって現場を盛り上げたのかと問われると、食い気味に「そうですね」と自信ありげな笑顔を見せ、それに向井がちょっと首を傾げて見せる、という、随所に信頼感溢れるやりとりが見られた。
そんな2人の共演について三池監督は「魂がむき出しという感じ。正義についてのお話なんですけど、僕らは普段は正義と悪について社会の傍観者的な立場なんですけど、(台場と平安の)2人はそういうわけにはいかない。自分の事情があって、自分たちの正義を貫く。それは法的にいうとダークなところに入っちゃうんですけど、それは目的があるから。その目的を皆さんで一緒に体験していただいて、何を感じるか。エンターテイメントとして楽しんでいただければと思っています」
また、今回は、テレビ版と、テレサにて完全版を配信するというシステムとなっている。今までとはテレビ、ドラマを視聴する形が変化していく中での珍しい試みとなる。
この試みについて監督は「オンエアはオンエア版で完成しているんですけど、オンエアを見た後で完全版をみるとまた見えてくるものがあるし、少し来週の気になるところまで入り込んだりするというところもあるので、両者がひとつのセット。理想はオンエアを見て、すぐに完全版を見て、来週の木曜の夜に完全版を見てもらって、金曜の11時15分を待っていただけたら」とアピール。同時に「新しい形という意味では、テレビドラマってすごく可能性があるな、と感じました」と語った。
また、この日は欠席となったが、共演の土屋太鳳からはビデオメッセージが寄せられた。「今の時代には暗黙の諦めというような閉塞感が存在していて、なんなんだこれ、っていうよう怒りだったり、憤りを感じることが多い難しい時代だ思うんですけど、そのエッセンスを凝縮した、マグマにしたような、クセになる作品だと思います。夏のオンエアになりますので、水分補給をしながらダイマジンの世界をぜひ一緒に戦っていただけたら嬉しいです」と思いを伝えた。
「新しい学校のリーダーズ」がサプライズで登場
そして今回の主題歌「オオカミと彗星」を歌うのは生田にとって“戦友”とも言える関ジャニ∞だ。この主題歌起用について生田は「若い頃からずっと切磋琢磨してきた仲間。お互い大人になって主演を張る俳優になって、そして主題歌を歌うアーティストになってこうやって再会できるのはとってもとっても嬉しいことだし、思ってもいないことだったので嬉しかったです」。
過去にも生田×三池作品の主題歌を担当していることもあり、三池監督は「毎回、(映像が)出来上がって、仮の編集が終わったものを見て作っていただいているので。ピッタリくるのはすごく必然性がある。自分たちのことを表現しながらもドラマのことも理解して盛り上げてくれる力強い相棒というか」と関ジャニ∞について語った。
また、オープニング曲の「マ人間」を担当する「新しい学校のリーダーズ」がサプライズで登場。
楽曲「オトナブルー」がTikTokでの関連動画で31億回再生を記録している彼女たちが、「マ人間」のサビの部分で動画が撮れるような振り付けを作ってきたということで披露し、さらに生田にレクチャー。新しい学校のリーダーズと共にダンスを披露した。
元々、「新しい学校のリーダーズ」のファンだという生田はイキイキとダンスをする様子を見せ、「嬉しいですね。やっと会えたね。初対面で一緒に踊れると思っていなかったので」と満面の笑み。新しい学校のリーダーズのは「ずっと私たちのことを知ってくださっていて、好きっていうのが伝わってきていた」と待ち侘びていた対面を喜んでいた。
(生田を見守る向井と三池)
そして、ダンスの様子を見守っていた向井は「昔のドラマの打ち上げで踊ったのを思い出しました」と笑顔。当時のドラマの主題歌だった楽曲の振り付けを生田が考え、カラオケに夜な夜な通って、打ち上げで披露したという懐かしいエピソードも飛び出した。
さて、この日は七夕ということで、報道陣からは「今年中に叶えたい願い事は?」という質問が。
「新しい学校のリーダーズ」は「ライブで初めて行く国もあるので、そこで日本のカルチャーを背負って4人がエネルギーをブッ刺せたらいいな、と思って。今年やるツアーを素晴らしいものに仕上げてやるっていう気持ちが願いですかね」
生田は「このドラマが、世界中のみんなに届けっていう。それだけです」と良い表情でコメント。
そんな生田のあとに向井は「やりづら!」と笑い「健康でいることですかね」。「夏が尋常な暑さじゃないので、キャストもスタッフも無事に乗り越えるの大切さっていうのを感じたので」
そして三池監督は「スワローズに奇跡が起こりますように。元気をください」と願をかけた。
最後にメッセージとして、三池監督は「作品がどんどん加速していきますので、お祭りというか、一緒に観ることで参加していただいて。いろんな意味で盛り上がっていけばいいな、と思います。TikTokだけ盛り上がると寂しいな、と思うので」と茶目っけたっぷりに。
向井は「生田くん演じる主人公が『ああいう事件』を起こすところから始まるとても不穏な作品であることは間違いないと思いますし、近年稀にみるダークヒーローだと思っています」と作品について話したあと、「でも、今までいろんな作品があった中でこういう作品も見てみたいと思う方もいらっしゃるんじゃないかな、と思いますし、こういうことも本気でやればいろんな忖度をせず、ここまでできるんだ、と証明できる作品になるんじゃないかな、と思っています。賛否両論あるかと思いますが、あるほうが作った側はありがたいので。いろんな意見が出て、これがまた盛り上がっていけばいいのかな、と思っています」。
そして生田。「夏のドラマは面白そうなものがたくさんあるんですけど、決して他のドラマでは味わえないであろうやばい刺激がこのドラマには集まっていると思います。この暑い夏をこのダイマジンの刺激とともに乗り切ってほしいと思います」と締め括った。
スリル満点、同時に考察要素も満載の「警部補ダイマジン」。ぜひ第1話から刺激的な作品を楽しんでほしい。
(取材・文・撮影=ふくだりょうこ)
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