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レオナルド・ディカプリオの存在感を堪能!おすすめ作品“5選”【キング・オブ・ザ・ハリウッド】
レオナルド・ディカプリオの存在感を堪能!おすすめ作品“5選”【キング・オブ・ザ・ハリウッド】
マーティン・スコセッシ監督の最新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』が10月20日(金)に公開を迎えた。
主演はスコセッシ監督と6度目のコラボレーションとなるレオナルド・ディカプリオ。石油採掘に沸く1920年代のアメリカ・オクラホマを舞台に、忘れ去られていた先住民殺害事件をハリウッドの名コンビが現代に浮かび上がらせていく。
アイドル俳優から脱却して演技派俳優の地位を確立し、プロデュース業にも精を出すディカプリオも気づけば来年で50歳。そんなディカプリオの輝かしいフィルモグラフィの中から、ぜひチェックしてほしい5作品を紹介していこう。
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『アビエイター』
■スコセッシ×ディカプリオ、早くも盤石のタッグに
スコセッシ監督とディカプリオが『ギャング・オブ・ニューヨーク』に続いてタッグを組んだ本作は、実在した大富豪ハワード・ヒューズの人生を描いた伝記作品。ディカプリオが主演だけでなく製作総指揮を務めていることからも、本作に懸ける並々ならぬ熱量が伝わってくるのではないか。
物語はヒューズが映画制作に奔走する姿や華やかな恋愛歴、そして飛行機乗りとしてのエピソードを映し出す。一方で幼少期に受けた母親の行動を起因として潔癖症になり、やがて精神を蝕まれ生活に悪影響(という言葉すら生優しい)を来していく様子も生々しく描写。
ヒューズの波瀾万丈な人生を見事に再現し、何かに憑依されたようなディカプリオの演技はアカデミー賞主演男優賞初ノミネートをもたらしている。
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話は遡るが、ディカプリオにとってスコセッシ監督との出会いが『タイタニック』以上の転換点となったことは間違いない。甘いルックスゆえにアイドル俳優としてもてはやされる時代もあったが、スコセッシという存在をメンターに自ら軌道を修正したディカプリオの執念は凄まじい。
地に這いつくばるような泥臭い役柄に敢えて挑戦するスタイルは、『ギャング・オブ・ニューヨーク』を経て本作で確固たるものとなったのだ。
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『マイ・ルーム』
■希望のある柔らかなタッチが魅力
名女優のダイアン・キートンとメリル・ストリープが疎遠になった姉妹を演じ、ストリープの息子役で反抗期真っ只中の若者ハンクをディカプリオが演じた本作。キートンが寝たきりの父親の介護と叔母の面倒を見ながらも白血病に冒されるベッシーを演じ、受賞は叶わなかったもののアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた作品としても知られている。
あらすじだけを読むと「なんだか重そうな映画」と感じるかもしれない。実際に冒頭からハンクが自宅に火を放つという衝撃的な幕開けを迎えるが、実は決して悲しいだけの物語ではなく、むしろ「再生」や「和解」がもたらす温もりに重点を置いたポジティブな作風が特徴だ。
その温もりに満ちた手触りはベッシーの存在によるところが大きく、未婚でも肉親の介護を理由にせず「幸せな人生」だと言い切る。家族を捨てた妹のリーを受け入れる寛大なベッシーに対し、ハンクが戸惑いつつ心を開いていく展開も本作の大きな骨組みのひとつになっている。
ハリウッドを代表するベテラン俳優のキートン&ストリープに挟まれながら、親への反抗心が生む爆発的で繊細な感情を表現したディカプリオの存在感は限りなくまばゆい。
なお本作は、ベッシーの担当医役で出演したロバート・デ・ニーロがプロデュースも兼任している。93年の映画『ボーイズ・ライフ』で共演したディカプリオの素質を誰よりも早く見抜いていたのは、デ・ニーロなのかもしれない。
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『レヴェナント:蘇えりし者』
■悲願のオスカー獲得!
俳優レオナルド・ディカプリオのフィルモグラフィにおいて、『レヴェナント:蘇えりし者』はこの先いつまでも燦然と輝き続ける作品だ。
自身4度目(助演も含めると5度目)のノミネートにして悲願のアカデミー賞主演男優賞を獲得。ディカプリオの熱演は誰もが認めるものであり、もはや俳優の肩書きを超越した、ひとりの人間が直面した極限状態の姿をスクリーンに焼きつけたと言っても過言ではない。
本作はアメリカ西部開拓時代に探検家ヒュー・グラスが体験したサバイバルを描いており、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督とエマニュエル・ルベツキ撮影監督が映し出した自然の美しさと過酷な環境が注目を集めた。自然光のみで撮影された映像は神々しくもあり、圧巻のスケールに思わず息を呑むほど。
ディカプリオ演じるヒュー・グラスは旅の途中で巨熊の襲撃を受けて瀕死の重傷を負い、旅の仲間にも見捨てられてしまう。さらにグラスの最期を看取るはずだった息子のホークがフィッツジェラルドに殺され、死の淵を彷徨いながらも生還したグラスは復讐を誓う。しかし本作はただのリベンジムービーに非ず、人間の尊厳や死生観、サバイバルそのものなど多層的な表情を持っている点も見逃せない。泥塗れになりながらそれでも生きようとするグラスの生命力は、この上なく本作のテーマにフィットしている。
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『ロミオ&ジュリエット』
■舞台を現代に置き換えホットな作品に
この時代にそぐわない表現だが、『ロミオ&ジュリエット』は公開当時「なんという美男美女!」と目を惹き寄せられたのが正直な第一印象だった。学生だった筆者はいまでこそヒットメーカーとして有名なバズ・ラーマン監督について名前を知らず、ロミオ役のディカプリオとジュリエット役のクレア・デインズもようやく本作ではっきり認識するに至った。
タイトルが示すとおり、原作はシェイクスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」。とはいえ原作にあるクラシカルで荘厳な雰囲気とは打って変わり、現代を舞台に置き換えて睨み合う二大マフィアの対立が軸となっている。じつにラーマン監督らしい熱く激しいキャラクターとその鼓動がもたらす物語において、それでもふたりの男女が織り成す美しい恋愛模様は原作に見劣りしない。
ラーマン監督特有のギラついた演出術は、アクションに限らず自然に観客の目を引き寄せる力がある。たとえばポスタービジュアルにも使用されている、ロミオとジュリエットが水槽を挟んで初めて出会うシーン。対立するキャピュレット家のパーティー会場が舞台という緊張感も手伝い、より鮮烈な印象を残すはずだ。時を経て描かれるロミオとジュリエットの物語は、クライマックスに至るまでひたすら美しい。
▶︎『ロミオ&ジュリエット』を観る
『インセプション』
■ノーラン印の難解なストーリーが魅力!
『ダークナイト』で確固たる地位を手に入れたクリストファー・ノーラン監督作品にディカプリオが参加したことは、映画ファンの興奮を促すにはもってこいの起爆剤だった。しかも共演にエレン(現:エリオット)・ペイジやジョセフ・ゴードン=レヴィット、トム・ハーディ、キリアン・マーフィー、さらに渡辺謙も名前を連ねているとあって、公開前から注目していた映画ファンも多かっただろう。
しかも蓋を開けてみれば「夢の階層」を主軸としたストーリー展開はまさしく難解。「キック」や「トーテム」といった細かい設定もあり、目で楽しみつつ頭の中は「?」状態といういかにもノーラン作品らしい映像体験を堪能することができる。数々のルールを理解した上で鑑賞すれば没入感が凄まじい一方で、ラストシーンが「夢か現実か」の判断を観客に委ねる演出がなんとも心憎い。
主演のディカプリオが演じるのは、他人の夢の中に侵入してアイデアを盗み取る産業スパイ・コブ。その設定だけ聞くとなんともSFチックなキャラに思えてしまうが、妻を亡くし自身の子供に近づくこともできない苦悩に支配されている姿は妙に人間臭さを感じさせる。難解なストーリーでありながら、ディカプリオの重厚な演技が作品の質を底上げしているのは間違いない。
▶︎『インセプション』を観る
まとめ
当時の歴代興収記録を打ち立てた『タイタニック』やクエンティン・タランティーノ監督と息の合ったコンビネーションを見せた『ジャンゴ 繋がれざる者』『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』など、ディカプリオの出演作はいずれも話題作ばかり(なお少年期には『クリッター3』にも出演している)。
プロデュース作も含めると、衝撃のどんでん返しで有名な『エスター』やタロン・エジャトン主演の『フッド:ザ・ビギニング』などがあり、その振り幅にも驚かされる。
年季を重ね円熟味も増してきたディカプリオが今後ハリウッドをどのように牽引していくのか。フィルモグラフィを振り返りながら予想してみるのも一興かもしれない。
(文:葦見川和哉)
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