ジョージ・クルーニー&ブラッド・ピット再共演!話題作『ウルフズ』と4つの名作を振り返る
ジョージ・クルーニーとブラッド・ピット主演の新作映画『ウルフズ』が、2024年9月27日にApple TV+から配信予定です。
本作は『スパイダーマン:ホームカミング』のジョン・ワッツ監督によるクライムアクションで、裏社会のもみ消し屋として活躍する二人のフィクサーが、同じ依頼を受けたことで共に行動せざるを得なくなる一夜を描きます。
劇場公開が中止となったのは残念ですが、Apple TV+で9月27日(予定)から配信を楽しみに待ちましょう!
今回は、この映画の配信を記念してジョージ・クルーニーとブラッド・ピットが出演した過去の名作4作品を紹介します。
12モンキーズ
(1995年、ブラッド・ピット出演)
『12モンキーズ』は、テリー・ギリアム監督による名作SFスリラーで、ディストピアな未来と複雑なタイムトラベルを描いた作品です。
2035年、人類の99%が致命的なウイルスによって絶滅した後の地球が舞台となり、生き残ったわずかな人々は地下に追いやられます。
主人公のジェームズ・コール(ブルース・ウィリス)は、未来の支配者たちから過去へタイムトラベルし、ウイルス発生の原因を突き止めるという任務を負います。
その過程で出会うのが、精神病院に収容されているカリスマ的なリーダー、ジェフリー・ゴインズ(ブラッド・ピット)。ピットはこの役で、そのエキセントリックで予測不能な演技が評価され、ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞しました。
見どころ:
『12モンキーズ』の中でも特に注目すべきは、ピットの鮮烈な怪演です。
彼のジェフリーは、狂気の中にも知性を感じさせる存在であり、その異常さは観る者に不安と緊張感を与えつつも目が離せません。
物語のテーマは単なるタイムトラベルを超え、「過去を変えられるのか」という哲学的な問いを投げかけます。
さらに、未来と過去、現実と幻覚が入り混じる不安定な物語は、人間の記憶や現実の曖昧さを探求し、観る者に深い余韻を残します。
終盤のどんでん返しや、時間のループに囚われた人類の無力感を描くギリアム監督の独特なビジョンも、映画の深みを増す重要な要素です。
この映画は、単なるスリラーやSF作品の枠を超え、見る人に複雑な感情と問いを残す作品です。
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◆『12モンキーズ』を観る!
スーパーチューズデー 〜正義を売った日〜
(2011年、ジョージ・クルーニー監督・出演)
『スーパーチューズデー』は、ジョージ・クルーニーが監督と主演を務めた、米国の大統領選挙戦の裏側を描いた政治スリラーです。
物語の中心は、若手キャンペーンマネージャーのスティーヴン・マイヤーズ(ライアン・ゴズリング)と、カリスマ性を持つ大統領候補者モリス(ジョージ・クルーニー)の選挙戦です。
彼らの選挙活動は、希望や理想に満ちていますが、次第に道徳的なジレンマ、裏切り、そして権力の腐敗に直面していきます。
モリスは、正義と権力の狭間で揺れるリーダーとして描かれますが、その背後に潜む政治のリアルな顔を暴露していく展開は、緊迫感を持って描かれています。
見どころ:
クルーニーの演技と監督としての手腕が光る本作は、単なる政治ドラマではなく、現実の政治に深く根ざしたメッセージ性の強い作品です。
クルーニーが演じる候補者モリスは、理想的なリーダー像として登場しますが、その裏に隠された弱さと政治的野心が次第に露わになっていきます。
クルーニーは、政治家としての葛藤を冷静かつ繊細に演じ、権力の持つ二面性を観客に強く印象づけます。
また、ライアン・ゴズリング演じるスティーヴンの視点から描かれる政治の裏側、特に道徳と現実の折り合いをどうつけるかに焦点が当てられており、彼の成長と堕落が同時に描かれる点も見逃せません。
映画は、選挙戦が持つ緊張感と共に、メディアの影響力や個人の理想がどのように政治の現実に打ち砕かれるかを鋭く問いかけます。
『スーパーチューズデー』は、アメリカの政治システムに対する批評的な視点を持ちながらも、普遍的なテーマである「正義と権力の狭間での人間の選択」を描いており、現代社会における政治の意味を再考させる一作です。
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◆『スーパーチューズデー』を観る!
オーシャンズ11
(2001年、ジョージ・クルーニー&ブラッド・ピット出演)
『オーシャンズ11』は、スティーブン・ソダーバーグ監督によるスタイリッシュなクライムコメディで、ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットの圧倒的な存在感が光る作品です。
クルーニーが演じるダニー・オーシャンは、刑務所から出所したばかりの天才詐欺師。
彼は一攫千金を狙い、ラスベガスのカジノをターゲットにした前代未聞の強盗計画を立てます。
ブラッド・ピット演じるラスティは、ダニーの右腕として計画を緻密に進める一方、独特のクールな魅力を放ちます。
二人が率いるのは、凄腕の詐欺師や技術者たちによるドリームチーム。
各々の個性が交錯する中で、計画は着々と進行しますが、どんな状況も予測不可能。
観る者をハラハラさせる展開が次々と繰り広げられます。
見どころ:
『オーシャンズ11』の大きな魅力は、クルーニーとピットの絶妙なコンビネーションにあります。
二人の息の合った軽快なやり取りが、物語のテンポを心地よく保ち、計画が進む過程で緊張感とユーモアが絶妙に交差します。
さらに、キャスト全員が揃うシーンでは、それぞれのキャラクターが個性的に描かれ、観客はプロフェッショナル集団のチームワークに惹き込まれます。
特に、ラスベガスの煌びやかなカジノを舞台にしたエレガントな強盗計画の演出が、視覚的にも印象深いものとなっています。
本作は、クライム映画としてだけでなく、優れたエンターテイメント作品としても高く評価されており、犯罪のスリル、緻密な策略、そしてユーモラスなやり取りが絶妙に織り交ぜられています。
また、ダニーとラスティの友情やチーム内での信頼関係が強調されており、その深い絆が映画全体に緊張感と温かみを加えています。
『オーシャンズ11』は、何度見ても新たな発見がある、魅力的な犯罪映画の傑作です。
◆『オーシャンズ11』を観る!
ファイト・クラブ
(1999年、ブラッド・ピット出演)
©1999 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
デヴィッド・フィンチャー監督による『ファイト・クラブ』は、公開当時、過激な内容と挑発的なテーマで物議を醸し出し、後にカルト的な人気を誇る作品となりました。
ブラッド・ピットが演じるタイラー・ダーデンは、現代社会に対する反抗的な姿勢を象徴するキャラクターで、抑圧された消費社会の空虚さを暴力と自由という極端な形で表現します。
彼は、無名の主人公(エドワード・ノートン)と出会い、社会の枠に縛られた彼を解放するカリスマ的リーダーとして、荒々しいカリスマを放ちます。
タイラーと主人公は、密かに「ファイト・クラブ」を設立し、物理的な闘争を通じて自己を再発見することを目指しますが、その背後にはより深い、心理的で哲学的な問いかけが潜んでいます。
見どころ:
ピットの演技は、タイラーというキャラクターに圧倒的なカリスマ性を与え、暴力や反抗心の象徴として映画全体を牽引しています。
彼のエネルギッシュで自由奔放な演技は、観る者に強烈な印象を残し、ピットの存在感がタイラーを現代社会のアンチヒーローとして確立させています。
このキャラクターが描き出す反体制的なメッセージや消費社会への挑戦は、映画のテーマを深く補強し、社会に対する不満やアイデンティティの危機といった普遍的な問いを提起します。
物語が進むにつれ、観客はこの「ファイト・クラブ」の本質的な意味に気づき、映画が単なる暴力賛美ではなく、現代社会の抑圧された欲望や孤独感を反映する作品であることを理解することになります。
終盤で明かされる驚愕の真相は、ピットとノートンの二人が単なる対立する存在ではないことを示し、映画のメッセージに一層の深みを与えています。
社会への影響:
『ファイト・クラブ』は、暴力の背後にある現代社会への批判や、個人のアイデンティティの探求を描いており、今なお多くの映画ファンや批評家に影響を与え続けています。この作品が提起する「自己破壊を通じての自己再生」というテーマは、消費主義や資本主義社会に対する深い挑戦であり、時代を超えて強い共感を呼んでいます。
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◆『ファイト・クラブ』を観る!
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