ファン待望の『相棒 劇場版Ⅳ』さーて、今回の右京さんは?

■「キネマニア共和国」

(C)2017「相棒-劇場版IV-」パートナーズ

つい先日の、近所のおばさん(TVドラマ好き)との何気ない会話
私「この前、一番新しい『相棒』の映画版、試写会で見てきたんですよ」
おばさん「あら、いいわねえ! で、誰が犯人?」
私「あ、いや、それは……(って、言えるかい!)」

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街vol.200》

というわけで、『相棒 劇場版Ⅳ 首都クライシス 人質は50万人! 特命係最後の決断』見てきました!(って、サブタイトル長すぎ!)

リフレッシュした雰囲気の劇場版シリーズ第4作

2000年のpreseasonから始まり、現在season15が放送中の大人気TVドラマ『相棒』シリーズですが、その映画版は2008年に『相棒―劇場版Ⅰ―絶体絶命!42.195㎞ 東京ビッグシティマラソン』を皮切りに、以後は主人公・杉下右京(水谷豊)の相棒が代わるごとに『相棒―劇場版Ⅱ―警視庁占拠!特命係の一番長い夜』(10)、『相棒―劇場版Ⅲ―巨大密室!特命係絶海の孤島へ』(14)と製作されてきました。

また『鑑識・米沢守の事件簿』(09)『相棒シリーズ X DAY』(13)と、2本のスピンオフ映画も作られています。

そして今回の第4作は、現在の4代目相棒・冠城亘(反町隆史)とタッグを組んで繰り広げられていきます。

監督は今までシリーズのメイン監督も務めてきた和泉聖治監督から、TVシリーズ演出を多数手がけ、映画『X DAY』も監督した橋本一にバトンタッチ。

そのせいもあって、前3作を経て今回はリフレッシュしたかのような趣もあります。

(C)2017「相棒-劇場版IV-」パートナーズ

二代目相棒・神戸や社さんも登場、そして米沢さんまで復活!

ストーリーは、イギリスの日本領事館関係者の集団毒殺事件が起き、その唯一の生き残りだった少女が国際犯罪組織によって誘拐されるも、当時の駐英大使と日本政府はその事件を闇に葬りました……。

そして7年後の現在、国際犯罪組織バーズが外務省のホームページをハッキングし、7年間に誘拐した少女・瑛里佳の現在の姿を動画で公開し、「7年前、日本政府は我々の要求を無視した。今回拒否すれば、大勢の人々が見守る中で、日本人の誇りが砕け散るだろう」といったメッセージとともに、9億円の身代金を要求してきました。

あたかも東京では世界の要人を招いて国際平和会議が開かれようとしており、「テロに屈しない国家」であることを世界に示さないといけない日本政府の思惑や、では二度も少女は国から見捨てられるのか? といったジレンマの中、やがてバーズが50万人分の致死量がある毒薬を所持していることが判明し……。

劇場版第1作と同様、多くの東京都民の命が危機にさらされるという設定で、また今回は二代目相棒・神戸尊(及川光博)や、現在は警察学校で教官を務める元鑑識課の米沢守(六角精児)、犯罪者と化した三代目相棒の父親で復権を狙う警視庁の甲斐峯秋(石坂浩二)、そして今やシリーズの華ともいえる社美彌子(仲間由紀恵)が登場する、シリーズのファンにはたまらない布陣となっています。

ゲスト・キャラとしてはバーズのひとりを演じる北村一輝、彼らを追い続けてきた国連犯罪情報事務局元理事マーク・リュウ役の鹿賀丈史、瑛里佳には期待の新進女優・山口まゆ。

内容そのものはネタバレになるのであまり詳しく記したくありませんが、今回は毎回評価が高いTVスペシャル版のノリを、劇場用映画としてスケール豊かにブロウアップしているような雰囲気といってもいいかもしれません。

少なくとも前半の特命係ならではの着実に標的を追い込んでいく捜査戦と、クライマックスは多数のエキストラを交えながら一触即発の危機がスリリングに描かれています。

私自身はこれまで劇場版シリーズでは2作目が一番好きでしたが、今回はそれに勝るとも劣らない出来とみました(終わりの方で、ちょっと言いたいこともあるけど、そこがいいっていう人もいるかな?)。

また、ここでの水谷豊の貫録は、もはや言うまでもなく、ただただお楽しみくださいとしかいいようがありません。

あ、忘れてたけど、捜査一課の伊丹憲一(河原和久)&芦沢慶二(山中崇史)の迷コンビは今回もやっちゃってくれていますので、そちらもお楽しみに!

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(文:増當竜也)

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    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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