『カラー・アウト・オブ・スペース―遭遇―』レビュー:SF恐怖の醍醐味が炸裂!

(C)2019 ACE PICTURES ENTERTAINMENT LLC. All Rights Reserved 

いよいよ8月、真夏の到来ではありますが、夏といえばホラー! もっともホラーにもさまざまなジャンルがあるわけでして、今回ご紹介する『カラー・アウト・オブ・スペース―遭遇―』はSFホラーともダーク・ファンタジーとも区分けできるものではあるでしょう。

原作は“クトゥールー神話”の創造者で、その後のSF&ホラーのクリエイターたちに多大な影響を与えたH.P.ラブクラフトの「宇宙からの色」。

これを『マンディ 地獄のロード・ウォーリアー』などのカルト映画で知られるSpectre Visionの制作、『ハードウェア』(91)『ダストデビル』(92)のリチャード・スタンリー監督が20年越しの準備を経て堂々の映画化!

そして、その内容は……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街489》

あなたの家の庭に隕石が落ちてきたら?

そして、その隕石が人の心と体に影響を及ぼす脅威の“地球外変異体”だったとしたら?

隕石の落下がもたらす
恐怖の家族崩壊!

『カラー・アウト・オブ・スペース―遭遇―』では、都会から田舎の森の奥地に移り住んだガードナー一家の災厄が描かれます。

夫ネイサン(ニコラス・ケイジ)と妻テレサ(ジョエリー・リチャードソン)はテレワークで仕事していて(コロナ禍の今の目からすると、ちょっとうらやましい!?)、なかなか快適かつ理想的な田舎ライフを堪能しているようです。

もっとも3人の子どもたちの長女ラヴィニア(マデリン・アーサー)は思春期ゆえか、今の生活は退屈そうで、おかげでオカルトにはまっているような、いないような。

長男ベニー(ブレンダン・マイヤー)は遠くの隣人で風変わりなエズラ(トミー・チョン)の影響でマリファナを覚えてしまったみたい。

その点、まだ幼い次男ジャック(ジュリアン・ヒルアード)は飼っている動物に夢中といった可愛げを保っています。

そんなガードナー一家の庭に突如、空から隕石が落ちてきた!

直径2メートルあるかないかくらいの大きさではありますが、まあ家を直撃しなかっただけ不幸中の幸い……と思いきや、このときからどうも家の周囲で不穏な事態が頻発していきます。

Wifiの繋がりが悪くなったり、動物たちが暴れ出したり、不気味な生物が出現したり、またどうもこの地域の水質は悪いようで……。

こういった事象の数々とともに、家族の精神も徐々に不安定になっていきます。

特にネイサンの「家族を守らねば!」といった家長のプライドは、逆に家族の神経を逆撫でしていくばかり……。

こうした中、ついにカタストロフの時が!
(それはこの世で最もおぞましく、また美しいものでもあり……)。


    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画レビュー・コーナー『戯画日誌』を連載中。近著に『映画よ憤怒の河を渉れ 映画監督佐藤純彌』(DU BOOKS刊)がある。

    ピックアップ

    関連記事

    新着記事

    WP Facebook Auto Publish Powered By : XYZScripts.com