完璧じゃないあなたにこそ魅力がある!アナ雪の「ありのままで」ってどういうこと?

『アナと雪の女王』は、心を解放する物語です。

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エルサは幼い頃に植えつけられた思いこみに苦しみながら育って、あれこれトラブルが起きて、やっとやっと気づいて、心がパッカーンと開くんです。 「あ、私ってばありのままで生きてよかったんだ〜」って。

松たか子さんが唱った主題歌も流行って、一時はどこを歩いていても「ありの〜ままで〜♪」って聞こえてきましたよね。 でもこの「ありのままで」って、実際にはどういうことなんでしょう?

当時結構有名な人も含めて、「ありのままって言うけど、ニートとか犯罪者がありのままでいいわけねえだろう!」という論調が多くありました。 その辺が曖昧でモヤモヤしている人のために、今日は「僕らがリアルにありのままで生きるってどういうことなのか」についてまとめてみましたよ。

竜さんの「大事なことはぜんぶ映画が教えてくれた」 

幼い頃に「ありのまま」を封じこめられたエルサ

エルサは子どもの頃遊んでいるときに、誤ってアナの頭に魔法をぶつけて傷つけてしまいます。 誤って、と言うけど、そもそも嫌がるエルサを無理やり起こして魔法を使わせたのはアナだし、自分が調子に乗って飛びまわったせいで傷ついたんだし、エルサはひとつも悪くないんですよね。

でも詳しい事情を知らないパパは 「力を抑えられるようになるまで、エルサを守ろう。城の門を全て閉ざし、できるだけ人に会わせず、まわりの目から力を隠すのだ」 と言って、アナの記憶を消して、エルサを城の一室に幽閉してしまいます。
エルサはそれからひとりぼっちで部屋に閉じ籠もって、自分を責めて暮らします。

「私は他人に迷惑をかける存在だ」

「私なんていないほうがいい」

「私には価値がない」

「ありのままの私ではいけないんだ」

と心を閉ざしてしまうのです。

 

でもこれ実は、エルサに限った話じゃないんですね。

僕もかつてそうだったし、もしかしたらあなたも、現代に生きる多くの人が、エルサと同じように、無意識に「ありのままの私ではいけないんだ」と思いこみ、「どうせ私なんて」と拗ねちゃってるんです。

ちなみに『くもりときどきミートボール』というアニメ映画では、失敗ばかりでみんなに迷惑をかける主人公に対してお母さんが言います。

「世界にはあなたの個性が必要なの。だからそのまま大きくなりなさい」

エルサのパパもこう言ってくれればよかったのに!

心が拗ねてるから、何をやってもうまくいかない

大人になったエルサは、感情を抑えきれずに魔法を使ってしまうと、王国を逃げだして山に自分だけの氷の城を建てて、今度はそこに引きこもります。「ありの〜ままで〜♪」と軽やかに唱い、一見心が開いたかに見えるんですが、実はまだ拗ねてるんですね。

アナが迎えに来ても 、「私はここにいる。自分でいられるし、誰も傷つけないですむもん!」 と言って城を出ようとしません。

でもアレンデールは一面氷の世界になっていて、すでにみんなに迷惑かけちゃってるんですよ姉さん! それを知ったエルサは、またムキー!と感情的になって、ふたたび魔法でアナを傷つけてしまうんですね。

せっかく自分だけの氷の城を作って自由になれたと思ったのに(ニートになって部屋に閉じこもったのに)、愛するアレンデールは厳寒の冬の王国になっちゃうし(家族関係は冷えきっちゃうし)、愛する妹は死にそうになっちゃうし(お母さんは悩んで寝こんじゃうし)、 もう最悪!みたいな。

でもクライマックスで、アナが命を投げだして自分を救ってくれたことで、やっとやっとエルサの凍りついた心が溶けます。 「私はこんなに愛されてるんだ!こんなに大切な存在なんだ!ありのままでよかったんだ!」 って気づいて、やっと拗ねるのをやめるんですね。 拗ねるのをやめると、今までできないと「思いこんで」いたことが、いろいろできるようになります。

アレンデールを夏に戻すこともできたし、魔法をコントロールしてみんなで幸せに暮らすこともできた。 今まではただ「自分はダメだ」「自分にはできない」と拗ねていただけです。

エルサはきっと 「なんだよー!そもそも私の魔法ってダメじゃないんじゃーん!早く言ってよー!」 と心の中で叫んでいたに違いありません。

「ありのまま」は「今のまま」ではない

僕らも同じように、幼い頃に「ありのまま」を封じこめられることがよくあります。

勉強ができなかったとか、期待に応えられなかったとか、自分のせいで大好きなお父さんやお母さんを悲しませてしまったという記憶が、 「ありのままの自分じゃダメなんだ!もっとがんばらなくっちゃ!良い子にならなくちゃ! 」という考えを生み出して、その思いこみに縛られて生きてしまう。

つまり「ありのままの姿見せるのよ」というのは、 「今のまま(拗ねていじけた状態のまま)でいいのよ」ということではなくて、 「完璧じゃない、問題もある本来のあなた(今は隠れている)をさらけ出して生きていいのよ」ということなんです。

今仕事をしていなかったり、犯罪を犯してしまったり、うまくいっていないのは、拗ねて、いじけてしまった結果なだけ。

カッコつけず、自分を抑えないで、ありのままの本来の自分で生きるようになれば、自ずといろんなことに積極的にチャレンジして、失敗を恐れず、充実した人生を送るようになるのです。

僕はよく悩み相談で「ありのままの自分なんて本当にどうしようもないんですよ」と言われることがあるけど、そんな「どうしようもない自分」にこそ、本当の価値があるんだって、それに気づけたら、エルサのようにみんなを幸せにできるんです。

頭は簡単だけど、心を変えるのはとてもむずかしい

トロールが 「当たったのが頭でよかった。心を変えるのはとてもむずかしいことだが、頭は簡単に丸め込めるからな」 と言ったように、幼い頃に心に刺さった「思いこみ」を取り除くのは理屈だけだとむずかしいんです。

だって幼い頃に凍りついた心は、その原因も忘れているし、すでにそれが自分の「常識」や「前提」になってるから、他人に「それ思いこみだよ〜」って言われたって信じられません。

トロールは言います。 「頭に刺さったのなら簡単にとれた。だが、凍った心を溶かせるのは真実の愛だけなのだ」 、「真実の愛」なんて言うと、仰々しくて手に入りにくいように考えてしまいがちで、アナも「愛する人とのキスだわ」なんて勘違いしちゃうんだけど、本当はそんな大変なことじゃなかったりする。

「真実の愛」も、本当はすぐそばにあるもの。 与えられているのに、とっくに愛されてるのに、自分が受け取っていないだけかも。 今は心が拗ねてるから見えないだけかもしれません。

さあ、ありのままの姿見せよう。ありのままの自分でいいんだから。

(文:茅ヶ崎の竜さん)

    ライタープロフィール

    茅ヶ崎の竜さん

    茅ヶ崎の竜さん

    「30代からの人生をもっと楽しむ!」ための情報を発信するフリーランスブロガー。中高時代は映画監督を目指すも、アメリカ留学直前に心変わりして挫折。「映画は失敗やしくじりもプラスに変えてくれる魔法の芸術」という言葉を胸に、あらゆるジャンルの映画を見ますが、「どんでん返し系」「家族モノ」「奮起して人生やり直す系」が特に大好物。アラフォーになってからは邦画に涙することも増えました。永遠の映画中年!

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