カー・バトル・アニメ映画 『新劇場版「頭文字D」Legend3-夢現-』は、 4DX上映と相性がいい!

■「キネマニア共和国」

新劇場版「頭文字D」Legend3 夢現

(C)しげの秀一/講談社・2016新劇場版「頭文字D」L3製作委員会

 

しげの秀一の伝説的コミックを原作に、新たな劇場用アニメーション映画としてお届けする『新劇場版 頭文字D』3部作の完結編『Legend3―夢現―』が完成し、その試写会が行われました。

もっとも、その試写会……

《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街~》

4DX上映だったのです!

新たに紡がれていく
新劇場版シリーズ最終章!

みなさんご承知の通り、『頭文字D』は日本中にクルマブームを巻き起こした作品ですが、『新劇場版』3部作は原作の最初の部分、主人公・藤原拓海の高校3年生の夏をバトル描いたものです。

そして『Legend3-夢現-』では、赤城最強の男・高橋涼介との熱いバトルをクライマックスに、拓海とその周辺の人々の青春群像が綴られていくわけですが……。

これまでも本シリーズは4DX上映がなされてきましたが、今回は2月6日(土)の上映初日から実施することになり、では、その成果はいかなるものかと、会場のシネマサンシャイン平和島4DXシアターへと足を運んできました。

座席が縦横無尽に動く臨場感
そして風、さらには匂い!

映画の流れに合わせて椅子が動き、風が吹き、雨が降るシーンなどでは水がかかるといった体感型映画上映を具現化させた4DX、場内の椅子が通常よりも大きくて座りやすいのがいいですね。前の座席の背面には、匂いや水を出す仕掛けが、またスクリーン横には煙を出す装置が、場内天井の左右には風を送る仕掛けが施されているのが肉眼でも何となくわかりますが、これらが実際に上映が始まるとどういう効果をもたらすのか興味シンシン。

上映開始。

いきなりのカー・バトルです。やってくれます!

本作では、基本的に劇中の車の動きとリンクしながら座席が縦横無尽に動き、また運転席に座っているかのような臨場感でエンジン音の振動などがリアルに伝わってきます。

面白いのは風。高速のカー・アクションから醸し出される風が心地よく感じられるのは、妙に新鮮(もっとも今は寒いので、上着は着ておいたほうがいいかも。これが夏ならもっと気持ちいいことでしょう!)

水に関しては、拓海らがアルバイトしているガソリンスタンドのシーンでちょこっと出てくる程度ですが、やはり今は冬なので、このくらいのほうがいいかなとも思います。

そして今回、もっともおおっと思ったのは匂いでした。

拓海とガールフレンドのなつきがデートするシーンなどで、妙にいい匂いがしてくるのです。

それは木々に囲まれた自然の緑の匂いなのか、はたまたなつきちゃんの匂いなのか⁉

結論は、体感した方それぞれにお任せしたいと思いますが、カーバトル一辺倒ではなく、こういった静かなシーンにも気を配った演出は嬉しい限りで、まただからこそクライマックスが大いにガックンガックン盛り上がるというものです。

上映時間も1時間前後と、4DXはこのくらいの時間がほどよいかなという気もしましたが、いずれにしましても、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』もそうでしたが、カー・アクションものは4DXと相性がいいことを、これで確信しました(こうなると、2月20日からの『ガールズ&パンツァー劇場版』4DX上映にも期待がかかるというものだ!)。

実は以前、某ホラー映画の4DXを見たとき、画面で怖がらせる寸前に座席など仕掛けがアレコレ動き出すもので全然怖くなく、そのうちガタゴト揺れ続けるのにも飽きてきて、いい加減にしろと怒鳴りたくなるような体験をしていたもので、今回はいかなるものか不安だったのですが、もう大正解なのえdした。

まだまだ進化していく
4DXへの期待感!

上映後は、武内樹役の声優・白石稔、中智仁監督、松浦裕暁(サンジゲン代表取締役/CGクリエイティブプロデューサー)、音楽の土橋安騎夫の各氏が登壇し、それぞれ4DX上映の感想を語ってくれました。

白石「初の4DX体験でしたが、シートベルトが必要じゃないかと思ったくらいの臨場感で、楽しく引き込まれました」

中「自分も4DX体験は初めてでしたが、手に汗握る感じで盛り上がりましたし、感動しましたし、力が入って何度も座り直しましたね(笑)」

松浦「今までのものよりも、確実に技術が進化しているのがわかって、今日はすごく嬉しかったですね」

土橋「僕はここ(平和島シネマサンシャイン)で『1』も実費で(笑)見ているのですが、確実に今回のほうが進化しています。それにしても、どうしてあの匂い、まんべんなく行くのかな?(笑)」

一方、今回のMCを務めた「美しすぎるカーレーサー」としても知られる(!)塚本奈々美さんの、本職のプロ・ドライバーからのコメントが、ユニークというかなんというか……。

塚本「4DXはクルマ映画やアニメとものすごく相性がいいし、まだまだ進化していく技術だと思っております。椅子が縦横斜めと動くバランスにもよりますが、ハチゴーのノーマルの足のゆるく動く部分ですとか、拓海の乗っているハチロクはきっとお父さんがいじっているはずなので、足回りは固いはずなんですよ。そうすると、もう少し椅子がキビキビと動く感じですし、ドリフトはちょっと表現しにくいという話も聞きましたが、あれはずっと後ろに加重をかけた動きですので、それで表現できるのではないかと……」

ああ、カー・マニアじゃないから、何を言っているのかよくわからない!

松浦「本職のドライバーの方でいらっしゃるから、おっしゃることがちょっと厳しい!(笑)」

塚本「いえいえ、要はまだまだ進化できる技術ですから、これからが楽しみなんですよ。あと、なつきの香りってこうなんだとか(笑)、森の匂いってこんな感じなんだとか、水とか風とか五感で楽しめるものだと思いますし、私たちドライバーも感動できるシステムです。1作品で最低2回は楽しめます」

今回は3部作の最終章とのフレコミで、登壇された方がたも「これで終わりなのは寂しい」と連呼し、松浦プロデューサーがタジタジとなる光景も見られましたが、こちらとしても原作はまだまだ続いていくだけに、この新劇場版も4作目5作目と続けていただきたいと願いたいものです。またそのときは、さらに4DXと連携させた演出で堪能したい!

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(文:増當竜也)


    ライタープロフィール

    増當竜也

    増當竜也

    増當竜也 Tatsuya Masutou 鹿児島県出身。映画文筆。 朝日ソノラマ『宇宙船』『獅子王』、キネマ旬報社『キネマ旬報』編集部を経て、フリーの映画文筆業に就く。 取材書に『十五人の黒澤明』(ぴあ刊)、『特撮映画美術監督・井上泰幸』(キネマ旬報社刊)など。 編集書に『40/300 その画、音、人』(佐藤勝・著)『神(ゴジラ)を放った男/映画製作者・田中友幸』(田中文雄・著)『日記』(中井貴一・著)『日記2』(中井貴一・著)『キネ旬ムック/竹中直人の小宇宙』『同/忠臣蔵映画の世界』『同/戦争映画大作戦』(以上、キネマ旬報社刊) その他、パンフレットやBD&DVDライナーノートへの寄稿、取材など多数。 ノヴェライズ執筆に『狐怪談』『君に捧げる初恋』『4400』サードシーズン(以上、竹書房刊) 現在『キネマ旬報』誌に国産アニメーション映画新作すべてのレビューをめざす『戯画日誌』、『衛星劇場プログラムガイド』誌に、毎月オンエアされる松竹映画名作群の見どころなどを紹介する『シネマde温故知新』を連載中。

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