『君の名は。』の深すぎる「15」の盲点

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(C)2016「君の名は。」製作委員会


『君の名は。』は2016年から2017年にかけて、興行収入250億円を突破する、とてつもない記録を打ち立てました。

本記事では『君の名は。』を劇場で5回観た筆者が、気付きにくい“盲点”をまとめてみます。

※本記事は筆者個人の解釈を元にしております。参考としつつ、みなさんなりの解釈を見つけてみていただけたら幸いです。

なお、1ページ目には大きなネタバレはありませんが、2ページ目からは重大なネタバレに触れていますので、まだ観ていない方はご注意ください!

1.男子高校生3人がカフェ巡りをしている理由は?

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(C)2016「君の名は。」製作委員会


瀧(中身は三葉)は、友達の司と真太に誘われて、東京のカフェに行きます。しかし、男子高校生の趣味がカフェ巡りなんて、ちょっと変わっていますよね。

カフェに行った時の会話をよく聞くと、司と真太は「あの木組みがいいね。」「手がかかってんなあ。」と、カフェの内装に感心していました。つまり、瀧を含めたこの3人は建築物に興味があった(建築物ファンだった)ために、カフェ巡りをしているんですね。

これは、瀧がスケッチで糸守町の絵を描けたことにもリンクしています。瀧は建築物好きで、風景や建物を気にしているからこそ、夢が覚めても絵としては覚えておくことができたのでしょう。(三葉の体に入っていた瀧が、デッサンの授業で建物を描いているシーンもありましたね)

ちなみに、瀧は糸守町の風景をはっきり覚えているわけではなく、スマホで飛騨の山並みを検索しながら絵を描いていたりもしていました。(小説版では「記憶の中の風景とマッチしている稜線を探している」とあります)

そういえば、瀧は奥寺先輩とのデートで、偶然(三葉がいた)飛騨の写真を見ていました。夢の中の記憶はすぐに薄れてしまうものですが、瀧は“現実”でその風景を見ることができたため、記憶に留めておくことができたのでしょう。

2.作戦会議の部屋にあった懐かしのアイテムとは?

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三葉(中身は瀧)とテッシーとさやちんが“作戦会議”をしていた部屋の扉には“廃部につき立ち入り禁止”の張り紙があり、そこには“1995.4”とも書かれていました。三葉のいる世界から数えて、もう18年前に廃部になっていたのですね。

他にも、扉には“天文部”、“マイコン部”、“アマチュア無線部”、“地質研究学部”の看板それぞれに大きな「×」が書かれており、部そのものもどんどん変わっていったようです。生徒数の少なそうな田舎の学校なので、部員が足りなかったのでしょう。

そして、その部室の中には、時代を感じさせる懐かしのアイテムがたくさん置かれています!

ゲーム機の“ファミリーコンピューター”と“プレイステーション”と“ゲームキューブ”、PS one Books(廉価版として発売されたバージョン)の『メタルギアソリッド』のパッケージ、シャープのパソコン“X68000”のほか、入り口近くの壁には若い人はまず知らないであろう“ペナント”が貼られていたりもしました。ペナントのひとつには“EXPO70”と書かれており、これは日本万国博覧会のものですね。

新海誠監督もTwitterで発言されています。


このうち、1995年“以前”を象徴するものはファミリーコンピューター、プレイステーション、X68000、ペナントですね。ゲームキューブやPS one Books版『メタルギアソリッド』は1995年以降に発売されたものなので、生徒の誰かがこっそり部屋に持ち込んで、教師の目を盗んで遊んでいたのかもしれません(笑)。

3.背中合わせになっているクレーンが意味するものとは?


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瀧が糸守町のスケッチをしていたとき、建設に使うクレーンが“背中合わせ”になっている画がありました。これは瀧と三葉それぞれを象徴しているのでしょう。オープニングでは、同じように瀧と三葉が背中合わせになっていたのですから。

よく見ると、左のクレーンのほうが高く、右のクレーンのほうが低くなっており、これはそのまま瀧と三葉の“身長差”を示しています(2人の身長差にはさらなる秘密があるのですが、それはネタバレになるので後に書きます)。

その他にも、瀧と三葉の2人を示しているアイテムに“茶柱”があります。終盤で三葉(中身は瀧)が持っていた湯のみの中のお茶には、茶柱が2本立っていたのです。“茶柱が立つ”というのは吉兆のしるし。この後の2人の“幸運”を示していたのでしょう。

※次ページからは大きなネタバレに触れています!

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