ラーメン二郎のような映画『哭声/コクソン』

哭声/コクソン メイン

(C)2016 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION

真の映画ファンたるは何か?

それは映画を観る前に絶対にネットなどで映画評を見ないことです。映画評など禁断の書。
先入観を持たずに観る事こそ理想!

「あれめっちゃ面白いらしいで。『哭声/コクソン』」

そう人から聞いてしまった……油断してたら禁断の書は口頭でも伝えてくる。

必死で聞いてないフリをして「なんか映画やってないかな?あ、ちょうど『哭声/コクソン』してるやん。『哭声/コクソン』見よ」と誰かに言い訳するようにそのまま劇場に飛び込びました。

『哭声/コクソン』

ナ・ホンジン監督の作品。
ある韓国の田舎町で起きた連続殺人事件。村のはずれに住む謎の日本人が怪しいと疑う駐在さんが……という導入。

もう面白そうじゃないか。
前作品の『哀しき獣』も『チェイサー』も面白かった……気がする。(すぐ忘れがちな映画ファン……)

何よりも我らが國村隼さんが出てる。
「ナ・ホンジン」 「國村隼」 「何よりも人が面白いと言ってた」
この3つで「観るべき!!」と脳がシナプス出してるんす!決して「面白いらしい」って聞いたからじゃない!

哭声/コクソン 國村隼

(C)2016 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION

そして観るー。約150分

序盤は血みどろな事件が起きるも、穏かな田舎の風景と仕事のできない駐在さんとその家族のやり取りなどで場内が不思議な笑いが起きる箇所もある。

そしてそんな雰囲気の中現れる確かに不気味な男「國村隼」。

その顔、眼光、いでたち…すべてが何かしらの恐ろしさを発する・・

これは期待できる……!そう座席で確信しました。

そしてここからのストーリーが凄いのです。

ここから先は多分ネタバレなるかも…。

※ここから先もそこまでネタバレではないです。

哭声/コクソン サブ2

(C)2016 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION

ん?お!?

ん?どゆこと?洗脳なのか?謎のキノコ……?
これはゾンビ映画……?あ、宗教的な話なのか・・・いわゆるエクソシスト……?
悪霊……。

えーーーーーー!!!!

フィニッシュ。エンドロール。

どうかな……ネタバレになってるのか……?

正直に言おう。
僕は直後よくわからなかった。
すみません。

いやわかるんですけど……ぶっちゃけ腑に落ちない箇所がいくつかありました。

ある映画に詳しい人に聞いた。
「あれってさ~結局さ~どういう事なの?何が言いたいの?」

「いやいやナ・ホンジンに理由なんかないから」

え?ないの?

「まあ、あるけどないのよ。」

どういう事?すべてが謎。

そう。僕は観ながら考えてた。
おそらくあれが正義で、多分この構図は何かのメタファーで……いやでもそれなら辻褄が合わないぞ・・
じゃあ逆にこの人が悪くて……む~~

哭声/コクソン サブ

(C)2016 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION

は!!僕は気付いた。

僕はいつからか映画を定型にはめようとしてた……

映画はもっと自由であるべきだ。

○○制作委員会みたいなのが無い韓国なら(あるんかな?このあたり知らんけど。)監督が脚本も書いてたら全権監督にある。

プロデューサーあたりが「いやいやなんでそうなるんですか~もっとわかりやすくしましょうよ~」

と言ってこようもんなら

ナ監「あ!?お前に何がわかる!?どっかいけ!」

と鉈で肩あたりに振り落とされるでしょう。

※ナ・ホンジン監督はこんな鬼才のくせにこんな高校のバスケ部の顧問みたいな顔してます。(写真の左側)
哭声/コクソン 國村隼 ナ・ホンジン監督

(C)2016 TWENTIETH CENTURY FOX FILM CORPORATION

ただただ一言

「想像できない振り切ってる映画」でした。

意味やオチでカタルシスを求める客を一刀両断。

映画に意味なんか考えるな!!意味はあるけどわからなくて結構!
この情熱を受け取れ!!

ナ監督!そういう事なんですね!!
自分汚い映画ファンになってました!すいません!!

今まで映画を観てきて、観終わってからその映画について考えた時間ダントツ1位です。
これは他の人も多かれ少なかれそうだと思う。

次の日も次の日も調べてる。考えてる。

これはまさに「この映画が面白かった」という事を意味してないでしょうか?

正直観終わった時長いな~と思ってたが今「もう一回観たい。いや観なければならない。その時一回目とは違う感じ方になってるはず。」という気持ちになってる。

食い終わったら「二度と食いたくない」と思うが次の日には「食いたい」になってるラーメン二郎のような映画でした。

(文:南川聡史)

    ピックアップ

    関連記事

    新着記事