「本当に大切にしたいものは何か」を考えるきっかけになる映画

3月に入り、気づけば年度末。新しい年度、より良い人生を送るに当たって「本当に大切にしたいものは何か」を考えてみるのはいかがでしょう。私の大好きな映画がとてもヒントになるのです。

「今日も映画日和ういログ」第3弾、今回は心温まる死神の物語『Sweet Rain 死神の精度』をご紹介します。

Sweet Rain 死神の精度 コレクターズ・エディション [DVD]

「死神」という言葉を聞いて、どんなイメージを思い浮かべますか?
「鎌を持っていて容赦なく人の魂を奪っていく……」私はホラー映画や漫画の影響なのか、そんな恐ろしいイメージが浮かびます。でも、この作品に出てくる死神は、まったく違うんです。

自然と引き込まれる世界観

葬式の会場へ向かう男性。会場に着くと、その男性は席に座っている女の子の隣へ。そこで、女の子が男性に話しかけます。

女の子「ねえ、おじさん。おじさんは死神でしょ?……おじさんが、みっちゃんを殺したの?」

男性「死神は誰も殺さない、死ぬことが予定された人間に近づいて、死に値する生き方をしたかを判定する。今、死んでもいい人間か決める役目だ。」

遺影には、いま隣にいる女の子が笑顔で写っている写真が。
その男性は、今死んでもいいと判定した女の子の付き添いにきた“死神”だった。

死神「どうしてあんなに泣くんだ?」(女の子の母親が泣きわめく姿を遠目から見て)

女の子「おじさんは何も知らないんだね」

これがこの作品のはじまり。

「え、私の想像してる死神と全然ちがう!」初見だった私にとって、非現実的な死神の日常生活を当たり前のように流されて、すでに面白い、そしてわかりやすいその世界観に、すぐ引き込まれました。

個性を持った死神

人の心を知らない死神ですが、行く先行く先「ミュージックは?」と大の音楽好き。そして雨男。それはパッケージにも表現されています。

そう、この作品、いつも雨なんです。こちらからしたら、死神というものは、いつでも雨が降っているものなのかなと思いきや、そうでもない。死神本人が、うんざりそうな顔で、青空を見てみたいという発言をしたり、まるで人間のような……ちょっと個性的。

そんな死神のターゲットとなる女性に出会うところから、死神の心に変化が起こります。ここで恋愛に発展……しない。それがまたいいんです。判定が終われば次のターゲットへ、時代も登場人物も変わり、ひとつの映画から、いくつもの物語が観れるこの作品、夢中になれる理由でもあります。

死神の相棒、黒い犬は、いつでも冷静沈着。しゃべるときは、すべて字幕。声はありません。しかしなぜか私の頭では、男性の渋い声が聞こえて、人にこの映画を勧めるとき「犬のあの渋い声がいいんだよね~」なんて言って、字幕だったっていう恥ずかしい経験もあるくらい……それほど、男前な雰囲気が漂っていてかっこいいんです。死神とのやりとりが素敵。

そして死神役を務めた『金城武』さん。作中、死神は、時には青年、時にはヤクザと、判定をするターゲットに接触するため、あらゆる人物になりきります。そのどの役もハマり役で、かっこよくて、きっと女性が見たら、青年ver.の死神に惚れます。

さらに『小西真奈美(通称:こにたん)』さんが、死神のターゲット「27才OL」として登場。清楚でおとなしい役柄を演じていて、普段はあまり笑わないのに微笑むシーンとか、とてもかわいいんです。バラエティー番組に出演されていたころの全盛期を思い出します。

かくいう私がちょうどいま27才。清楚に微笑むどころか、大笑いをしてしまう正反対な性格なので、黒い犬の「実行だろ?」という一言で、すぐ判定を下されちゃうだろうな……という妄想をしてしまうほど、とてもいい役を演じています。

この作品の原作者『伊坂幸太郎』さんは、映画化の話を持ち掛けられたとき『金城武』さんだったら……という条件で映画化が決定したという話も。なぜ『金城武』さんなのか、きっと観た人にはわかります。

そして原作の小説では流せなかった“音楽”に、とてもこだわっていて1度聞いたら心に残り、おわりには、必ず誰しもが鳥肌になる映画です。

「本当に大切にしたいものは何か」を考えるヒントになる映画『Sweet Rain 死神の精度』。ぜひお近くのレンタルショップで。

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(文:木村うい)

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