映画コラム

REGULAR

2015年06月26日

大ヒット御礼企画☆『トイレのピエタ』のあのシーンを松永監督が大暴露〜宏(野田洋次郎)編

大ヒット御礼企画☆『トイレのピエタ』のあのシーンを松永監督が大暴露〜宏(野田洋次郎)編



生まれるべくして生まれた映画


―— そう考えると、全てが最高のタイミングで最善に起こったというか、この世に生まれるべくして生まれた映画のように思えますね。

松永監督「そうなんです。森のシーンはもちろん、この作品に着手してから『映画自身が意志を持ってるんじゃないか?』と思う瞬間が何度もありました。もちろん、映画を撮りたいと思って始めたのは僕なんですけど、そこに色んな方との関わりがあって、その方々の想いが乗っかった時に、映画そのものが意志を持ったように感じたんです。映画自体が最終的な目的地を知ってるみたいな。」

―— この作品に登場するピエタは、ミケランジェロが彫った『サン・ピエトロのピエタ』ですよね。ミケランジェロと言えば「作品とは、元々石の中に内包されているもので、彫刻家はそれを取り出すだけの媒介だ」という名言が有名ですが、映画『トイレのピエタ』も、生まれるべくして生まれた作品のように思えました。

松永監督「僕もそういう感覚はありました。自分の頭で考えて、自分の手でノミを振るってるんだけど、いくら『こうしよう』『このスケジュールで行こう』と決めても、思ったように進まない。映画自体が力を持っている感じがしました。」

―— なるほど。『トイレのピエタ』は、それほどの強さを持った内包物なのですね。

松永監督「映画の持つ引力に吸い寄せられるように、色んな人が最善のタイミングで集まってきました。そんな方々の想いの強さが、映画の具現化をさらに後押しするパワーになったんじゃないかと思っています。」

―— あのシーンでは、野田洋次郎さんの演技も神がかっていましたよね。頬を涙がツーって伝って、ポタっと落ちるんです。宏の心境を寸分違わず表現した、天文学的な涙のピッチに魂が震えました。

松永監督「僕も大好きなんですよ、あの洋次郎というか宏がね。ロケハンも含めて、本当に色んな思いやエピソードが詰まったシーンということもあり、作品の中でも一つのピークだと思います。」

matsunaga01



無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

RANKING

SPONSORD

PICK UP!