スポーツの秋に気づいたこと 「日本映画こそはスポーツ映画の宝庫だ!」


ちょっと変わり種の
スポーツ映画たち


こういった流れとは別に、90年代、学生相撲を題材にした周防正行監督の『シコふんじゃった。』(92)が大ヒットし、その年の映画賞を総なめしたあたりから、ちょっと変わったスポーツに挑戦する人々を描いた映画が徐々に登場し始めます。

周防監督自身、続いて社交ダンスを題材にした『Shall we ダンス?』(96)を発表して、これまた大ヒットを記録するとともに、前作以上の評価を得るに至り、そういった題材を扱う傾向はさらに高まっていくことになるのでした。

では、ざっと思いつく限り記していきましょうか。

高校女子ボート競技を題材にしたのが『がんばっていきまっしょい』(98)。この作品でデビューした田中麗奈は、後にその名もずばりの『Ekiden 駅伝』(00)や、ラクロスを題材にした『ドラッグストア・ガール』(03)、スキー場を舞台にした『銀色のシーズン』(08)でヒロインを務めています。
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氷上ということでは、女子高校生たちがカーリング・チームを結成して試合に挑む実話を基にした『シムソンズ』(02)も作られています。
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フィギュアスケートでは名脚本家・倉本聰が初監督した『時計 Adieu I'Hiver』(86)。これはまだ幼かった中嶋朋子に9歳から14歳までの5年間フィギュアスケートを学ばせ、その成長過程もリアルに収められていましたが、このとき助演していた陣内孝則は、後に小学生アイスホッケー映画『スマイル 聖夜の奇跡』(07)を監督しています。

プロのフィギュア・スケーター西田美和が主演した『COACH コーチ 40歳のフィギュアスケーター』(10)なんてものもありましたね。
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『ドッジGO!GO!』(02)はドッジボール少女と野球選手の父との交流を描いた日韓合作映画。

鹿児島県の子どもたちが錦江湾を泳いで横断する行事を描いた『チェスト!』(08)も異色作ではあるでしょう。

野球映画『バッテリー』(07)でその年の新人賞を総なめした林遣都は、翌年水泳の飛び込みを題材とした『DIVE!!』(08)に主演し、さらに続けてボクシング『ラブファイト』(08)、パラグライダー『RISE UP』(09)、大学駅伝『風が強く吹いている』(09)といったスポーツ映画に連続主演し続けました。

『綱引いちゃった!』(12)は文字通り綱引き競技の映画で、松坂慶子と井上真央の共演も妙味。
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そしてやはり何といっても、男子のシンクロナイズドスイミングを描いた『ウォーターボーイズ』(01)の登場は画期的だったのではないでしょうか。
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