『ズートピア』感想&全人類が観るべき「10」の理由!!
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本日4月23日(土)より、ついにディズニー・アニメーション最新作『ズートピア』が公開となります。
興行収入、批評面ともに歴史に残る記録を打ち立てている本作。その魅力はいくら語っても語り尽くせないほど多いのですが……なんとか絞りに絞って、ネタバレのない範囲で以下の10個にまとめてみました。ぜひ、観賞前の参考にしてみてください。
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(1)設定をたったの1分で語っていることがすごい!
SFやファンタジーにおいて、“設定を簡潔に語る”ことはとても難しいと思います。説明が短すぎると全体を把握できないし、長すぎると退屈に感じてしまうかもしれないのですから。
しかし、本作『ズートピア』では、“草食動物と肉食動物が共存する”という設定を、冒頭のわずか1分程度で、子どもにも理解できるように示せているのです。この提示方法には「その手があったか!」と唸らされました。
(2)“その動物らしさ”が表現されている!
本作では、動物行動学などの見地から、それぞれの動物が持つ“空気感”を作り上げることに成功しています。「あ!これは確かにウサギっぽい!」というのが、見ているだけでわかるんですね。
たとえば、主人公のジュディはウサギの“几帳面かつ人懐っこい”という性格が反映されていて、相棒のニックはキツネの狩りをするときの知恵や観察力を“詐欺師”という役柄につなげていたりもするのです。
ちなみに、作中ではとんでもない数のきょうだいウサギが、ジュディの出発を見送るシーンがあります。ウサギは一度に3〜6羽の子どもを産み、繁殖力が旺盛なので、このような表現になっているのですね。
(3)世界観が楽しくってしかたがない!
本作の舞台は、動物たちが人間のように暮らす楽園“ズートピア”。中心となる大都会のほか、熱帯雨林、砂漠、雪の降るエリアなどがあり、その造形だけで楽しくってしかたがありません。
それぞれのエリアが“動物に合わせている”というところもミソ。とくにネズミたちが暮らす街は「なるほど!」と驚けるのではないでしょうか。ぜひ、ズートピアでの冒険を楽しんでほしいです。
(4)主人公と相棒が最高に魅力的!
本作の主人公であるジュディと、その相棒となるニックは、およそディズニー映画によくいる“お姫様と王子様”とはまったく違います。ジュディは自分の決めた夢を信じて進み続ける聡明な女性であるし、ニックは皮肉屋っぽい詐欺師なのですから。
一見すると正反対のようなふたりですが……実際に行動をともにすると、その相性が抜群であることがわかります。それぞれの長所を生かして、危機をつぎつぎと回避していくのは痛快愉快! 個人的に、ディズニー至上もっとも好きなコンビになりました。
そういえば、主人公とその相棒が年齢的に成人しているというのも、ディズニーでは珍しいですね(『アナと雪の女王』のエルサも21歳という設定でした)
ちなみに、ジュディがニックの◯◯を指摘して“脅迫”をするシーンもあったりします。ヒロイン(しかも警官)が脅迫をするというのもとんでもないですが、◯◯という言葉をディズニー作品で聞くことはもうないでしょう。ネタバレになるので書けませんが、この言葉は大人こそ笑えるはずです。
(5)自分に似ているキャラクターが、きっといる
本作にはナマケモノ、アフリカスイギュウ、ヒツジ、カワウソ、チーターなどさまざまな動物のキャラクターが登場しており、その性格もバラエティー豊かです。
そして、観客それぞれが自分に似たキャラクターを見つけられるというのがうれしいところ。都会に出てきたばかりの社会人1年生や、長年働き続けてきたベテラン社員の方は、「これ俺(私)じゃん」と思うかもしれませんよ。
(6)ミステリー要素がおもしろい!
本作にはディズニー映画には珍しく、ミステリーの要素があります。“ズートピア内で起きた失踪実験の真相は?”“犯人は誰なのか?”とワクワクできるのです。
そのミステリー要素に、奇想天外なアドベンチャーも組み合わるのですから、たまりません。しかも「どうせこう来るんだろう?」という予想を外してくれる、あっと驚く展開も用意されているんですから! ぜひ、結末を予想しながら観てください。
(7)映画ファンに向けたネタもある!
作中には、なんと『ゴッドファーザー』のパロディーが登場します。映画ファンであればすぐに気づけるでしょう。字幕版であれば、あるキャラの“イタリア訛り”を堪能できますよ。
そのほか、建物の一部がディズニーの実写映画『トゥモローランド』を思わせますし、『ベイマックス』のおばさんが経営していたカフェがチラッと映ったり、『アナと雪の女王』のアナとエルサのような服を着た子どものゾウがいたりもします。
さらにズートピアの道端には“あるもの”が売られたりします。その元ネタに気付いたときには大笑いしてしまいました。
(8)“人種差別”を描いた作品である
物語でもっとも特筆すべきことは、人種差別にまつわる問題を見事に描ききっていることでしょう。
ズートピアにさまざまな種類の動物が住んでいることは、そのまま人間たちにも白人や黒人などの“人種”がいる、と置き換えて考えることができるのです。
しかも、本作で描かれる差別は、奴隷のようにこきつかったりするような極端なものではなく、“誰もがしてしまうかもしれない差別”です。
具体的にどういった差別かはネタバレになるので書けませんが、これこそ差別意識に根付く、もっとも重大な問題なのではないでしょうか。
(9)問題を子どもにもわかりやすく訴えている
差別や偏見の問題を描いた作品の多くは大人向けです。
しかし、本作は子どもにもわかりやすく、しかも問題の解決方法を自分で考えられるようになっているのです。
それは、差別のみならず、子どもがしてしまいがちな“偏見よるいじめ”をも考えるきっかけになるのではないでしょうか。ぜひ、家族で観て、語り合ってほしいです。
(10)夢を実現する物語である
主人公のジュディは夢に向かって努力を重ねる女性なので、「夢はいつかきっと叶う」というありふれた物語に思えるかもしれませんが……じつはそれだけではないのです。
相棒のニックは夢に対してあるトラウマを抱えていますし、ジュディは夢があるからこそ苦しむことになるのですから。
夢というものの厳しさをしっかりと描き、キレイゴトで終わらせず、なおかつ子どもに伝えたいメッセージが内包されている、というのは『モンスターズ・インク』を思わせました。
しかし、そうして夢への厳しさや苦しみを描いたからこそ、訪れる“希望”が素晴らしいものに思えてくるはず。ぜひ、何かの夢に向かって努力をしている人に観てほしいです。
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