映画コラム

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2016年09月03日

『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』をより楽しむための5つのポイント

『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』をより楽しむための5つのポイント

公開中の『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』(以下、本作)がとにかくおもしろかった!めちゃくちゃ楽しかった!ということで、本作をもっと楽しむための5つのポイントをご紹介します!大きなネタバレはありません!


1.あっと言わせるマジックにさらに大興奮! 瞬きの回数は最小限に!


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TM & (C)2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.



本作の一番の魅力は、「あっ」と言わせる奇想天外なマジック(トリック)の数々に他なりません。しかも、その驚きは特報や予告編で観られる“雨をストップさせる”マジックがピークではない!それ以上の衝撃が訪れるのです!



詳細はネタバレになるので書きませんが、あの“スペードのエースの連続隠し&受け渡し”のシーンは大興奮という言葉では足りません!“神技”が「これでもか!」というくらいに連続で、何度も何度も繰り返されるのです。これが始まってからは、ぜひ瞬きの回数を最小限に、脳をフル回転させて観てください!

もちろんこれ以外にも、大なり小なりのマジックが作中では目白押し。序盤の潜入ミッションでは、一瞬で靴を“変身”させるだけなく、「あれっ」と思う暇もないままプレートがカバンに入れ替わっているなど、「もう一度見せて!」と言いたくなるマジックが詰め込まれていました。



なお、本作はほとんど特殊効果に頼らず、実際に俳優たちが行ったマジックを撮影しているのだそうです。俳優たちは撮影に入る数週間前、プロのマジシャンからマジックトレーニングの合宿に参加し、マーク・ラファロは口から炎を吹くマジックさえも習得したのだとか。この“編集でごまかさず、実際にスクリーン上でマジックをやっている”という尊い精神性は、終盤の“人が隠れる大きなトランプ”のシーンでも存分に現れていました。

なお、本作はマジシャンのキース・バリー、メンタリスト、催眠術師、そしてイリュージョニストのデヴィッド・カッパーフィールドに脚本段階からアドバイスを求めていたそうです。カッパーフィールドといえば“自由の女神消失”や“万里の長城すり抜け”などのマジックで知られるお方。本作のド派手で大掛かりなマジックには、かなりの“カッパーフィールドらしさ”を感じます。


2.前作『グランド・イリュージョン』を観ておく必要はある!?


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本作は2013年に公開された『グランド・イリュージョン』(以下、前作)の続編。前作は盗みを働くマジシャンチーム“フォー・ホースメン”と、それを追う警察という構図がわかりやすく、展開もとてもスピーディで一瞬たりとも退屈させない、誰もが楽しめる娯楽作に仕上がっていました。

今回は科学者との対決や、兄弟間の因縁といった要素も込められており、幾分かは物語が複雑化しているようにも思えます。しかし、人間関係がわかりやすくまとめられており、何より数々のマジックの魅力は前作をも上回っているので、前作を観ていなくても楽しめるでしょう。「どういう話だっけ?」と忘れている方にとっても、冒頭で簡単なおさらいをしてくれるので問題ありません。

ただし、本作では前作のとある“秘密”がネタばらしをされてしまっているので、可能であれば前作→本作という順番で観ることをおすすめします。今回から観て大興奮した方は、きっと前作も観たくなるでしょうしね。


3.前作からヒロインが変わっている!?


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本作の大きな魅力と言えば、一癖も二癖もありそうなキャラクターたち!早口で観客を煽りまくるリーダー格のアトラス(ジェシー・アイゼンバーグ)、催眠術の名人にして厳格な雰囲気を持つメリット(ウディ・ハレルソン)、影は薄い(笑)が縁の下の力持ち的にチームには必要不可欠なジャック(デイヴ・フランコ)と、フォー・ホースメンのメンバーは様々な意味でキャラが立ちまくっています。

そして、今回のヒロインは前作のヘンリー(アイラ・フィッシャー)から、ルーラ(リジー・キャプラン)にバトンタッチ。ルーラもまたキャラが立ちすぎで、あまり積極的には仲良くなりたくない感じがあります(笑)。彼女がどういうキャラであるかは、初登場時の“ピタゴラ装置”なシーンでいきなりわかるでしょう。



なお、アイラ・フィッシャーが本作に出演していないのは、彼女が妊娠していたからだったりします。アイラ・フィッシャーとリジー・キャプランは、“女性版『ハングオーバー!』”と呼ばれるお下品コメディ『バチェロレッテ あの子が結婚するなんて!』で共演していたりします。



4.あのハリー・ポッターが最低男に!?


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本作は、その豪華キャストっぷりもたまらないものがあります。『ショーシャンクの空に』『セブン』のモーガン・フリーマン、『はじまりのうた』『スポットライト 世紀のスクープ』のマーク・ラファロ、が前作から続投されているのはもちろんのこと、今回はあの『ハリー・ポッター』のダニエル・ラドクリフが敵として登場するのです!

何がすごいって、その全身から感じられる“最低男”のオーラ。初登場時から「あっ、こいつヤバい」と思わせるのです。あのかわいかったハリーの面影なんてない!
そうそう、この最低男の“父親”が画面に出てきたときに大笑いをしてしまいました。その理由は秘密にしておきます。


5.少年のような心で観よう!


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本作で一番重要なポイントは、少年(または少女)のような素直な気持ちで観ること。

というのも、前作も本作もマジック(トリック)のネタばらしをしてくれるものの、その方法がとにかくゴージャスかつ大胆であるため、「このマジックは無理じゃないのか?」「いくらなんでも非現実的すぎる」と思ってしまうと、“冷めて”しまうかもしれないのです。

必要なのは、目の前の華麗なマジックに魅了され、興奮に満ちた体験をすること。余計なことは考えず、世界中の何もかもが驚きに満ちていた、あの頃の気持ちになって観れば、このうえなく幸せになれるでしょう。世の中に実在するマジシャンも、観客にそのような気持ちでいてもらいたいと思っているのではないでしょうか。

最後に豆知識をひとつ。本作の原題である『NOW YOU SEE ME 2』は、実はマジシャンの常套句が元ネタです。「今あなたは私を見ていますよ(NOW YOU SEE ME)」と相手をじっと見つめさせておき、この後「NOW YOU DON'T(ほら消えた)」とマジックを展開させ、マジシャンは観客に目の前での驚きを与えるのです。

本作はまさに、この「じっと見て……ほら消えた!」というマジックの楽しさに満ちています。スクリーンという目の前でこそ、堪能してください!

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(文:ヒナタカ)

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