全米にも影響!? 元祖メタルヒーロー『宇宙刑事ギャバン』【篠宮暁の特撮辞典・第24回】
【オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典・第24回】
今は無き「メタルヒーローシリーズ」の第1作目
今はもうなくなってしまったのですが、十数年前まで「仮面ライダーシリーズ」「スーパー戦隊シリーズ」と並ぶ、東映の看板シリーズに「メタルヒーローシリーズ」というのがありました。
光沢あるスーツに身を包み、重厚感のあるボディなのに、軽やかに繰り出されるアクションは、シリーズがなくなった今でも僕の記憶に鮮明に残っています。
そのメタルヒーローシリーズの第1作目が『宇宙刑事ギャバン』です。
アメリカ映画にも引用されたコンバットスーツの魅力
宇宙規模のストーリーが展開され、その壮大さは今までの特撮作品にあまりないもので、多くの特撮ファンの心をわしづかみにしました。
「宇宙刑事」シリーズといえば、主人公・一条寺烈が変身するときに「ギャバンがコンバットスーツを蒸着するタイムは僅か0.05秒に過ぎない。では蒸着プロセスをもう一度見てみよう」と、劇中にナレーションで解説される斬新な演出が特徴的なのですが、これがどうにもこうにも新鮮で、かつ何回も見たくなってしまうのです。スポーツのダイジェストに近いのかも知れません。
ギャバンといえば、スーツのかっこよさにも目がいきます。近未来的でメタリックな感じや、電飾で目を光らせた時の感じはとにかくたまりません。
有名な話ですが、アメリカ映画で大ヒットした『ロボコップ』のデザインは、ギャバンから正式に引用されています。
余談ですが、その『ロボコップ』を受けて制作されたのが、「メタルヒーロー」シリーズ第8作目の『機動刑事ジバン』です。まさに特撮は、日米の垣根を越えて、持ちつ持たれつの関係なのです。
とにかくキレキレ! 生身のアクション
ストーリーもスーツのかっこよさも「ギャバン」の魅力ではありますが、やはり特筆すべきは一条寺烈役の大葉健二さんの生身のアクションです。
蒸着してからのギャバンのアクションも最高ですが、蒸着前の大葉健二さんのアクションがとにかくキレキレなのです。
2012年に『海賊戦隊ゴーカイジャー』と「ギャバン」がコラボした『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』で、お歳を召された大葉健二さんがゲスト出演されたのですが、もうおじいちゃんのはずなのに未だにキレキレのアクションをやられていて、映画を見終わった後はその話で持ちきりでした。
僕らも年齢を重ねても、大葉健二さんのようなキレを出せるようにギャンバりましょう。
串田アキラさんが歌う主題歌「宇宙刑事ギャバン」は、カラオケでバカみたいに盛り上がります。
(文:オジンオズボーン・篠宮暁)
※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです
以前の記事はこちらから
【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】も公開中!
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。