2017年ブレイク俳優として語らずにはいられない!山田裕貴の魅力に迫る
2017年ブレイク俳優として語らずにはいられない!山田裕貴の魅力に迫る
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急成長を遂げる俳優のひとり、それが山田裕貴です。これから公開される作品も含めると、2017年は12作の映画、5本のドラマに出演と、人気急上昇中の俳優さんです。
2011年に『海賊戦隊ゴーカイジャー』に出演して俳優デビューを果たし、ドラマ『GTO』(2012・関西テレビ)や『スターマン・この星の恋』(2013・フジテレビ)、『ホテルコンシェルジュ』(2015・TBS)、『受験のシンデレラ』(2016・NHK)、『3人のパパ』(2017・TBS)など多数のドラマに出演し、着実に実力をつけてきました。さらに2017年は、『おんな城主 直虎』にも名を連ね、初めての大河ドラマ出演も果たしました。
(C)2017「闇金ドッグス6&7」製作委員会
映画では、『闇金ドッグス』や『HiGH&LOW』といったシリーズものから、『ストロボ・エッジ』(2015)、『オオカミ少女と黒王子』(2016)、『青空エール』(2016)、『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』(2016)など、青春や恋愛を描いた、いわゆる“ キラキラ映画”にも多数出演されてきました。
ところが、意外にも「ああ、あの役の人だな」と思い当たることは少ないかもしれません。これは、山田さんが作品や役に溶け込んでいるからこそ。
憧れる俳優にゲイリー・オールドマンを挙げ、本人はカメレオン俳優になることを目標にしているようですが、実はすでに”カメレオン”な部分の持ち主。
(C)2017『あゝ、荒野』フィルムパートナーズ
今回の「シネマズ女子部」では、映画『亜人』、『あゝ、荒野』(前後編)を中心に「役者・山田裕貴」の魅力に迫ります。
限られた場面に出演する難しさ
綾野剛さん、佐藤健さん主演の『亜人』、菅田将暉さん、ヤン・イクチュンさん主演の『あゝ、荒野』に共通して強く感じたのは「限られた場面に出演する難しさ」です。
どちらも、決して出演シーンが多いとは言えません。
『亜人』は綾野剛さん演じる佐藤に加担する形で途中から出演しますが、その後、死んだことになるので、作品としてのクライマックスの場面には登場していません。
さらに『あゝ、荒野』にいたっては、前編でストーリー上とても重要な役割でありながら、いざ後編で菅田将暉さん演じる新次とボクシングで試合をすることになったとき、新次にとっては消化不良、不完全燃焼の試合でしかなくて、あくまでクライマックスへの布石としての役割でした。
筆者は鑑賞後すぐにメモを取るのですが、それを見返してみると「山田くんは損な役割の人だなあ」と書いていました(笑)。
(C)2017『あゝ、荒野』フィルムパートナーズ
ただし『あゝ、荒野』には、長尺のボクシングシーンがあります。前編でも一部トレーニングの様子がありましたが、メインは後編の試合の場面です。新次や建二(ヤン・イクチュン)が前編から後編にかけて、より一層肉体に磨きがかかっている変化が見て取れるのに対して、山田さんの場合は試合の場面、一発勝負でした。
一部の場面やシーンにしか登場しないということは、役柄としても役者としても、時間の経過や努力のあとを見せられないということです。わずかな出演時間で、観ている人が役柄の背景を想像できるような根拠のあるお芝居をしなければなりません。
それをまさに体現していたのが『あゝ、荒野』でした。試合の場面、それ自体は泣きどころではなかったはずなのに、画面のパワーに圧倒されて(もしかしたら瞬きを忘れていたのかも)、ドキっとするほど洗練されたボクシングシーンになっていました。
ちなみに「損な役割」というのを、筆者がいちばん最初に感じたのは、映画『ストロボ・エッジ』です。
山田さんが演じた安堂は、魅力的な役どころながら、人間がもつズルさやマイナスの感情を表に出すシーンがあります。一方、主演の福士蒼汰さんが演じた一ノ瀬蓮は、感情を隠し通そうと耐える健気さが前面に出ている役。キャラクターを対比してしまうと、どうしても安堂のほうが、分が悪いといえます。
特に同作は、ストーリー上、恋愛が成就しなかったので、余計にそう感じたのかもしれません。
また、『オオカミ少女と黒王子』や『ぼく明日』は、本当に一場面のみの出演ですが、筆者のなかではとても印象に残っています。
限界知らずのパワーを感じさせる俳優・山田裕貴
そういった出演作をふまえて、俯瞰で見てみると、役柄の大小に関係なく、幅広い役を幅広い作品で演じているという点が「役者・山田裕貴」の特徴だといえるのではないかと思うのです。
そんな彼は、経験を重ね、作品数を重ね、おそらく出演する作品を選ぶ立場に変わりつつあるはず。その状況で、コレだと思った作品に食らいつく姿勢や、監督との縁を紡いでいったことが2017年の出演映画12作の結果に繋がっているのだろうと思います。
役作りのための準備、撮影の忙しさや心労は計り知れませんが、お芝居を見て、「ああ、山田くん疲れてるなあ」、「山田くんのお芝居、お腹いっぱいだなあ」と感じたことはありません。
「演じることで元気を取り戻している、限界知らずの役者さんなのでは?」と期待しながら、観ていてわくわくしてしまうのです。
過渡期から一歩前へ進む山田裕貴に期待!
(c)2017「HiGH&LOW」製作委員会
11月11日(土)には『HiGH&LOW THE MOVIE 3』が公開されます。総称してSWORDと呼ばれる、5つのチームのうち、山田さん演じる村山は鬼邪(おや)高校を率いています。
それぞれ違った立場のチームであるSWORDの中で、高校生の集団である鬼邪高校。率いるリーダーとしてのオーラを発揮しながらも、SWORDの序列のなかに溶け込むバランスは絶妙のひとことです。
また、11月18日(土)には、待望の2nd写真集も発売になります。「歩」というタイトルからは、まさに今、過渡期の山田さんを堪能できる内容になっているのではないかと思います。
山田さんはインタビューでたびたび「山田裕貴って誰? という人がまだいっぱいいる」と話しているけれど、いち視聴者として「それは今しかないぞ」と、伝えたい気持ちです。
これからさらに名実ともに成長していくにつれて、作品の世界や共演者に溶け込みながら自分をアピールするお芝居から、一歩前へ出るお芝居へ、変化を求められるところに来ているのではないかと感じています。
作品を愛し、役に関わらず出演を決断する前のめりな姿勢ももちろん、より一層注目される「役者・山田裕貴」の主演作を思う存分堪能できる日が、もうすぐそこまで来ているという期待に胸が高まります。
(文:kamito努)
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