『劇場版 マジンガーZ/INFINITY』 を観ることは日本国民の義務である!全力でその理由を語る!
6:声優が若手実力派からベテランまで勢揃い! 耳が幸せだ!
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©永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会
超豪華な声優陣にも触れなければなりますまい! 主人公・兜甲児役には森久保祥太郎、ヒロインの弓さやか役には茅野愛衣、新ヒロインのリサには上坂すみれ、グレートマジンガーを操る剣鉄也には関俊彦、さらには花江夏樹、高木渉、山口勝平、菊池正美、森田順平、島田敏、塩屋浩三などと、声優に明るくなくても知っている、若手実力派からベテランまで勢揃いしているのです。
悪役もまた豪華で、ブロッケン伯爵には藤原啓治、あしゅら男爵(女性)には朴璐美、Dr.ヘル役には石塚運昇というキャスティング!
さらに、テレビアニメ版で兜甲児役であった石丸博也が統合軍司令を演じています!
あしゅら男爵(男性)に宮迫博之、アイドルユニット“マジンガールズ”のメンバーにおかずクラブのオカリナ&ゆいPというタレントも起用されていますが、他の声優たちと遜色ない上手さであったので問題ありません!
声優ファンの方は、想像してみてください……森久保翔太や関俊彦ボイスによる必殺技の数々を……上坂すみれの天真爛漫のヒロインを……細かいことはいいです、これらの声優さんが好きな方は耳が幸せすぎるので観てください……。
7:主題歌とエンディング楽曲も最高だ! オープニングでブチ上がれ!
本作の主題歌を歌うのは誰か……これも言うまでもないでしょう。生きるレジェンドであり「マジンガーZといえばこの人!」な水木一郎ですよ!
最新作のためにもちろん新録が行われ、水木一郎は「45年間で何万回も歌ってきましたが、初心に戻って歌えたのが自分でも新鮮でした。“マジンガーZ愛”は誰にも負けないので、“愛”を持って歌わせていただきました!」と熱いコメントをしています。このテーマ曲に合わせたオープニングの演出も最高なので、「まばたきすらしてはならぬ」な勢いで挑むことをおすすめします!
さらに、エンディングテーマを手がけるのは吉川晃司! 映画の余韻を、さらに深く、素晴らしいものにしてくれますよ!
8:4D上映で「パイルダーオン」が体験できる!
『劇場版 マジンガーZ/INFINITY』の公開スクリーンの半数以上で、アトラクション型の演出が楽しめる“4DX”、“MX4D”、“D-BOX”にて上映がされます。
©永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会
この4D上映が実に気合が入っているらしく、映像に合わせてさまざまな演出が用意されていることはもちろん、なんとマジンガーZに乗り込む時の夢の「パイルダーオン」を体験できるのだとか……。筆者は試写で体験できなくて悔しい! 絶対にもう一度観ます!
9:テーマは『ズートピア』の真逆? 現代社会で生きているオトナがグッとくる!
©永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会
実は、本作には「多様性の危うさ」という、2016年のアニメ映画『ズートピア』で表れた多様性の素晴らしさとは正反対のことが示されています。詳しくはネタバレになるので書けないのですが、それぞれの“正義”にも個性があることや、多様な価値観があるがゆえに危機的な状況に陥ってしまうことなどが語られているのです。
今回の主人公の兜甲児のヒーロー像は、その現代ならではの多様性の危うさや、『マジンガーZ』という作品に通底している「神にも悪魔にもなれる」言葉をも踏まえたものになっています。
監督である志水淳児もまた、「今までの兜甲児はパイロットとして頑張っていましたが、今回は中間管理職的な、守りの立場とも言えるポジションについています。当時子どもだった視聴者がオトナになったように、甲児も成長しているのです」と語っています。
成長した兜甲児が、葛藤しながらも昔の感覚を取り戻し、正しい価値観を持ったヒーローとして立ち上がっていく姿は、現代社会で生きているオトナこそが自身に投影できるでしょう。子どもも大興奮できるロボットアニメでありながら、深いテーマを備えたオトナ向けの視点も忘れていないのも、本作の美点です。
10:たった1つの欠点……それは短いことだ!
©永井豪/ダイナミック企画・MZ製作委員会
ここまで絶賛してきましたが、『劇場版 マジンガーZ/INFINITY』には1つだけ、どうしようもない欠点があります。それは、単純に「短すぎる!」ということです。
本作の上映時間はわずか95分。前述した通り登場人物それぞれの価値観を示す物語はしっかりと整理されているのですが、それにしても話運びが矢継ぎ早な印象があることは否めません。必殺技の連続そのものは嬉しいのですが“タメ”が欠けているため、「その技は“ここぞ”という時に使ってくれ!」という贅沢な不満を覚えるほどでした。正直、3時間くらいは余裕で観られるよ!
何より、これほどキャラそれぞれが魅力的で、テレビアニメ版のリスペクトと愛に溢れ、ロボットアニメの魅力も満載という本作が「この1作だけで終わりだなんて…!」という寂しい感情を隠せないのです。本音ではテレビアニメとして2クールぐらい観ていたいよ!
もちろん、この「短すぎるよ!」という不満は、時間が限られた映画というフォーマットだからでこその特徴にすぎません。むしろ「短い時間に詰め込まれたロボットアニメの魅力を、映画館で最大限に堪能できる!」と前向きに捕らえるべきでしょう……と言いつつ、やっぱり続編やテレビアニメ版としても観たいです! お願いします!
まとめ:『パシフィック・リム』ファンはもちろん、息子を持つお父さんは絶対に観るべきだ!
みんな大好き『パシフィック・リム』は、ロボットアニメを愛してくれている方々が届けてくれた、最高の日本へのラブレターでした。そのラブレターがあったのは、ご存知の通り『マジンガーZ』という最高のロボットアニメのおかげでもあります。
しかしながら、「『パシフィック・リム』は大好きだけど、『マジンガーZ』を観たことがない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか……。そうであれば、『劇場版 マジンガーZ/INFINITY』を観ない理由はありません。かつての(こう書いてしまうことが悲しい!)日本が誇るエンターテインメントであり、世界中で愛されたロボットアニメを、現代の映画館で(ロボットに乗り込む体験ができる4D演出も含めて)楽しめる絶好の機会なのですから!
©Legendary Pictures/Universal Pictures.
誰もが待ち遠しい続編『パシフィック・リム アップライジング』の公開は2018年4月……まだ3ヶ月もあります。そのハリウッドから日本へのさらなるラブレターを受け取るというのは、国民の義務と言っても過言ではありません。その大祭りの前の大祭りである、この『劇場版 マジンガーZ/INFINITY』を盛り上げ、映画館で観ることもまた、国民の義務と断言していいでしょう!
往年の『マジンガーZ』ファンはもちろん、ロボットアニメに興味がなかった方も、その魅力に気付き、熱狂できることでしょう。いつも息子(娘)にかまってやれないお父さん、ぜひお子さんと一緒に観てください。きっと最高の思い出になりますよ!
おまけ:合わせて観て欲しい、永井豪にまつわる作品はこれだ!
最後に、『劇場版 マジンガーZ/INFINITY』と合わせて観て欲しい、永井豪作品を原作としている、またはその作品が重要なモチーフとなっている、3つの映像作品を紹介します。
1:マジンガーZ対暗黒大将軍
『マジンガーZ』の映画オリジナル作品で、その衝撃的な内容から高い人気を博していました。次々に危機が訪れ、これ以上なく絶望的な状況にまで追い込まれる物語はかなりスリリング。『劇場版 マジンガーZ/INFINITY』 にも登場するグレートマジンガーがどのように活躍するかにも注目です。
Amazonプライムビデオ会員特典ほか、Huluでも気軽に観ることができます。
2:皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ
(c)2015 GOON FILMS S.R.L. Licensed by RAI Com S.p.A. – Rome, Italy. All rights Reserved.
永井豪原作のロボットアニメ『鋼鉄ジーグ』が重要なモチーフになっている、イタリアの映画です。“犯罪もの”と“スーパーヒーローもの”を組み合わせたような作風で、孤独な男が純粋な女性と打ち解けていくラブロマンスもある、低予算ながら見応えのある作品に仕上がっていました。PG12指定であり、子どもには不適切な性描写もあるのでご注意を。
3:デビルマン crybaby
『デビルマン』のアニメ版ではなく、マンガ版を下敷きにした連続アニメ作品です。時代設定はSNSや動画共有サイトが存在する現代となり、陸上競技が重要なモチーフなるなどのオリジナル要素もふんだん。何より「地上波では絶対に流せない!」なエログロ描写が大盤振る舞いでした。『夜は短し歩けよ乙女』の湯浅政明監督ならではの“ドラッギー”な映像表現、『聲の形』の牛尾憲輔による研ぎ澄まされた音楽も見事にハマった、原作ファンも納得の素晴らしい作品になっていました。こちらはNetflix限定で配信中です!
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(文:ヒナタカ)
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