乃木坂46 能條愛未、映画『ヘルタースケルター』の感想「美しい人が怒り狂うほど恐ろしいものはない」
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今週の乃木坂週刊映画は、蜷川実花監督×沢尻エリカ主演の『ヘルタースケルター』。芸術的な色彩や世界観、主演沢尻エリカさんの熱演などについて語って頂きました。
■前回までの記事
・乃木坂46 能條愛未、映画『チャーリーとチョコレート工場』を楽しむ
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それ以前の記事はこちらから
■『ヘルタースケルター』作品概要
第8回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した岡崎京子の同名コミックを、写真家・蜷川実花の監督第2作として実写映画化。主演は「クローズド・ノート」(2007)以来5年ぶりの銀幕復帰となる沢尻エリカ。究極の美貌とスタイルを武器に芸能界でトップスターとなったモデルのりりこだったが、その美貌はすべて全身整形で手に入れた作り物だった。そんな誰にも言えない秘密を抱えながらも、人々の羨望の的となり欲望渦巻く世界をひた走るりりこは、やがてある事件を巻き起こし……。
■蜷川実花監督の世界観
まず何よりも蜷川実花監督ならではの世界観に圧倒されました。最初は「鮮やかで美しいなあ」という印象だったのですが、ストーカーが非常に残虐なのでその相反する感じがとても印象的で。
主人公のりりこは映画が進むにつれてどんどん壊れていってしまいます。なのに映像は常に変わらずに鮮やかで美しい。
主人公の心の色と実際の映画の色がどんどんかけ離れていって、ギャップといいますか、残虐さがどんどん鮮明に見えてくるように思えました。
お風呂場で大量の薬に埋もれるシーンなんかもその設定といいますか、画作りといいますか、ビジュアルに圧倒されました。
今でもこの映画の様々な鮮烈な映像を思い出すほどです。この世界観は是非多くの人に体験してほしいなと思いました。
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■沢尻エリカさんの演技は真似出来ないほど素晴らしい
本作の素晴らしさは蜷川実花監督の世界観に沢尻エリカさんの演じるりりこがきっちりとハマっていたからこそだと思います。
とにかく沢尻エリカさんが素晴らしいのです。
おそらくこのお芝居は沢尻エリカさん以外に演じられる女優さんはいらっしゃらないのでないでしょうか。
原作は未読なのですが、原作を読んでもきっと「りりこって映画で沢尻エリカさんが演じる感じなんだろうな」と思う気がするんです。
どこまでも美しい。美しすぎるがゆえに泣き叫ぶシーンや怒り狂うシーンの迫力といったら…。
美しい人が怒り狂うほど恐ろしいものはないなと思いました。
終盤にかけてはどんどん狂っていってしまって、幻覚は見える、幻聴は聞こえるという始末。
人が狂うってこういうことなんだろうな…と演技を超えた納得感を持たされましたね。
このような役柄は私自身まだ演じたことないですが、いつかこのような役も演じてみたいと思いました。でも、こんな素晴らしい演技真似ようにも真似られません。
ある種、一生の目標の1つとなるような演技でした。是非この演技にも注目して映画を見てみてください。
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■万人向けではないけれど
この映画は人が狂っていく姿を描いています。
ですので見終えた後に幸せな気持ちにはなれません。R15指定なのでお子さんはご覧になれませんし。
しかし、人の限界の一つを描いている作品なので、その意味では全ての人がターゲットとなる作品なのかなとも思います。
チャレンジしてみようかなと思われた方は是非本作、鑑賞してみてください。
(取材・構成:柳下修平/撮影:MAKOTO TSURUTA)
(撮影協力:AOYAMA ZERO)
能條愛未 プロフィール(Ami Noujo Profile)
能條愛未
1994年10月18日 神奈川県生まれ 血液型 A型
乃木坂46 一期生メンバー
月に10本は必ず見るというほどの映画好き。
映画、舞台と女優としての活動の場をひろげるほか、バラエティーでも持ち前のセンスで活躍中。
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