映画コラム
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』の前評判をくつがえすほどの魅力とは?
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』の前評判をくつがえすほどの魅力とは?
どうも、橋本淳です。23回目の更新となります。
2018年もいよいよ終わりに近づいてきました。例年より暖かいせいか年の瀬感が、薄いような気がしますが、このパターンの場合、ドン!と寒気がやってきて一気に冬感を演出するやつだなぁと予想しております。
何にせよ、クリスマスがやってきて、街に出ると、強制的に年末感は味わうわけですが、、、
サンタさん。皆さま、いつ頃まで信じていたでしょうか。
小学低学年? まさかの幼稚園? そしてまさかの高校生? 20歳!?などなど、さまざまでしょう。
わたくし橋本はいつだったのかと、思い返してみると、多分小学生高学年の頃だったかと思います。
サンタさんが両親ではないか、、と、疑い半分、信じる半分と揺れ動いていた時期。親に何が欲しいと、薄っすら伝えておくことをしながらも、少しサンタさんを信じていて朝起きて、少し喜ぶ演技をするあの時期です。(どんな時期?)
いつものようにクリスマスイヴの日は早めに布団に入り、眠りにつこうとしていたときに、何故か気になってしまったのです、クローゼットの中が。父親のスーツが並ぶクローゼットの中が。そして、開けてしまう、、、スーツが掛かった下には、綺麗に包装されたスーファミのソフトサイズの箱が、、、
わたくしに掛かっていたサンタさんの"魔法"は、そのとき、その瞬間に、完全に解けてしまったのでした。
さて、今回、ご紹介するのはコチラの作品、
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』
©2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights ©J.K.R.
『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(以下、「ファンタビ」)は、大ヒット大作映画の第2弾。「ハリーポッター」シリーズへと続く、人気シリーズです。もちろん、この魔法の世界を描いているのはJ.K.ローリング。
「ファンタビ」の公開を待ちわびていた人もきっと多いと思います。わたくしも、もちろんそのひとりでございます。
「ハリーポッター」シリーズにはどうも馴染めないわたくし(すみません)ですが、このファンタビには前作で、ハマりまして、公開を今か今かと待っていました。
©2018 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved.
Harry Potter and Fantastic Beasts Publishing Rights ©J.K.R.
その要因としては、やはり魔法動物の存在が大きいかと思います。カモノハシやモグラのような出で立ちで光るものが大好きで、お腹の袋の中に宝物をたくさん集めるイタズラなニフラーをはじめ、魅力的でかわいい(若干キモかわいい子が多めですが)キャラクターたち。動物好きにはこの上なくたまらない、ファンタジー映画。(ちょっと鑑賞ポイントがズレてますので戻しましょう)
主演ニュート・スキャマンダー役は前作に引き続き、もちろんこの人、エディ・レッドメイン。前作からの面々ももちろん出演、ティナ役にキャサリン・ウォーターストン、ティナの妹で自由奔放なクイニー役にアリソン・スドル、クイニーのを愛しているノーマジ(人間)のジェイコブ役に、ダンス・フォグラー。
そして、物語を牽引していく2人にこの人たち。ハリーポッターを観たことある人には説明不要の役、若きダンブルドア役にジュード・ロウ。カリスマ性をもつ闇の魔法使いグリンデルバルド役に、ジョニー・デップ。
と錚々たる面々が作品を彩ります。監督、デイビッド・イェーツをはじめ、クリエイティブチームも前作から引き続き、再結集した心強い面々。もちろん脚本は原作のJ.K.ローリング!
鑑賞前の世間の評判は、「やっぱり1のほうが良かったよねー」的なコメントをチラホラ耳にしていました。シリーズモノの大きな壁ですね。やはりパート1がいい説、それはなかなかに難しい問題です。
実際に鑑賞して、上記のような感想が多数見受けられることも納得しました。
しかし! しかし! わたくしは、とても好きです今作。
たしかに話は複雑に人物たちが絡み合って、前作に比べると派手さやエンタメ性は薄いですが、その分キャラクターの心理を深く掘り下げているのです。(ニフラー、もうちょっとたくさん観たいと思ってますが)
大衆向け映画の色の影に隠れがちですが、ダンブルドアの葛藤、ニュートの僅かに成長した精神、それぞれの手練れのスター役者達の繊細な芝居合戦に、とても白熱します。特に、ジョニー・デップ演じる、闇の魔法使いグリンデルバルド。従来の分かりやすい悪役でないのがいいですね。力でねじ伏せるわけでなく、演説の話術で味方にどんどん引き込んでいく、押し引きの上手い人物。催眠術をかけるかのように、ゆっくりと自分の計画に多数を味方にしていく様は見事でした。
きっと次回作も作るのでしょう。たしかに説明と繋げるための要素も多く地味な印象の今作ですが、次回(あるでしょう、きっと)へバネのように作用して、今作に埋め込まれた、伏線と繊細な人物の心理、関係図が最大限に発揮されるように思います。
とても個人的には好み。落ち着いてはいても、エンタメ性は忘れない、バランスのよい上品な作品でした。
衣装もよく考えられて、人物造形にマッチしているのも見逃してはなりません。見るべきところが多く、目玉が8個くらいはほしいです。それこそ"魔法"に頼るしか無さそうですが。ね。
それでは、今回もおこがましくも、ご紹介させていただきました。
(文:橋本淳)
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