橋本淳、『スーパー戦隊』に抜擢された当時を振り返る「今思うと本当に恐ろしい」
『魔法戦隊マジレンジャー』での経験から得たもの
──ここからは橋本さんのルーツでもある「スーパー戦隊」についてのお話も。デビューしてすぐに『魔法戦隊マジレンジャー』で小津魁/マジレッド役に抜擢されましたが、改めて、当時を振り返ってみていかがでしょうか?
橋本:まだデビューして1年ぐらいのときに『マジレンジャー』のオーディションを受けたのですが、まさか受かるとは思っていなかったですね(笑)。すごく驚きました。そのとき、僕は17歳だったのですが、当時レッドとしては最年少だったんですよね。『マジレンジャー』のメンバーは平均年齢が19歳だったので、「スーパー戦隊」の中でも本当に若い代だって言われていました。
──特に印象的だったことは?
橋本:僕らのときは、16mmフィルムで撮影をしていて、全編アフレコという形だったんです。だから現場に録音部さんもいないですし、フィルムの特性上、撮り直しができないんですね。だからNGを出すとめちゃくちゃ怒られました(笑)。次の代の『轟轟戦隊ボウケンジャー』からはデジタル方式での撮影に変わったみたいなんですけど。だからちょっと特殊な経験をしたと思います。
──『マジレンジャー』から得たものを特にあげるとすれば、いかがでしょう?
橋本 たくさんありますね。芝居の基礎はもちろん、アクションシーンでは体の使い方も教わりましたし、現場の居方も学びました。17歳の僕が主役という大役を背負って、1年半、撮影と全国ツアーをやらせてもらえたということは、今思うと本当に恐ろしい話ですよ(笑)。責任の重みがすごいですよね。
──そこで培ったものが今に活きている?
橋本:そうですね。『マジレンジャー』に出ていなかったら、その後の朝ドラもないし、朝ドラがなかったら、その後の舞台もない、というように、全ては繋がっていると思うので。誰かがどこかで観てくれているから、いつでも手は抜けないなって感じます。
──『マジレンジャー』が放送されていたのが2005年なので、もう12年前になるんですね。
橋本:いや~! 当時、観てくれていた人たちが今はもう大人ですからね。ファンの方からも、「今は息子にDVD観せています」とか、「当時は3歳だったけど、今DVDで観ています」とか、そういう声ももらいますし、ビックリしますよね(笑)。僕はもう変身していないのに、テレビの中では変身しているんだなって思うと感慨深いです。改めて、偉大な作品に関わらせてもらったんだなと感じますね。
──現在放送中の『騎士竜戦隊リュウソウジャー』には、事務所の後輩・兵頭功海さんも出演されていますね。先輩として、ぜひアドバイスを。
橋本:一生、記憶に残る作品になると思うので、楽しんでほしいです。あとは、子供たちの夢を背負っている作品なので、「スーパー戦隊」に出ているからといって驕らずにいてほしいですね。子供たちの夢を壊さないように、そこだけは大切にしてほしいかな。兵頭くんが演じているカナロって、婚活してるんですよね? すごいなぁ。時代は令和ですよ(笑)! 頑張ってほしいですね。
スケッチブックトーク
最後に、『カリギュラ』、『泣くロミオと怒るジュリエット』にちなんだ質問に、スケッチブックで回答していただきました。
今後、またシェイクスピア作品に出演するとしたら、演じてみたい役は?
橋本:「ハムレット」ですね。僕、純粋なシェイクスピア作品ってやったことないんですよ。先日、菊池風磨くんが主演を務めて、森新太郎さんが演出をした『HAMLET —ハムレット—』を観に行ったのですが、素晴らしかったんですよね。苦悩を抱えた王様という役を、僕もやってみたいなって思いました。いずれ挑戦してみたい役です。名セリフでもある「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」って言いたいですね(笑)。
映画版の『カリギュラ』からは“カリギュラ効果”という造語も生まれましたが、橋本さんにとって「禁止されればされるほど、やりたくなってしまうこと」とは?
橋本:甘いものです。体を絞っているときはやっぱり我慢しますし、昨日の夜も甘いもの食べたくなったんですけど、取材があるし、肌が荒れたら嫌だなって思って我慢しました(笑)。僕はすあまとか求肥とか、もちもちした食感の和菓子が大好きなんです。もしこの仕事をしていなかったら、たぶんずっと食べていますね(笑)。
■橋本淳さんの映画連載はこちらから
公演情報
『カリギュラ』
作:アルベール・カミュ
翻訳:岩切正一郎
演出:栗山民也
出演者:
菅田将暉 高杉真宙 谷田 歩 橋本 淳 秋山菜津子
原 康義 石田圭祐 世古陽丸 櫻井章喜 俵 和也 野坂 弘 坂川慶成
石井 淳 石井英明 稲葉俊一 川澄透子 小谷真一 小比類巻諒介 西原やすあき 高草量平 原 一登 平野 亙 峰崎亮介 吉澤恒多
【東京公演】 2019年11月9日(土)~11月24日(日)
新国立劇場 中劇場
【福岡公演】 2019年11月29日(金)~12月1日(日)
久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【兵庫公演】 2019年12月5日(木)~12月8日(日)
神戸国際会館こくさいホール
【宮城公演】 2019年12月13日(金)~12月15日(日)
仙台銀行ホールイズミティ21 大ホール
『泣くロミオと怒るジュリエット』
作・演出:鄭 義信
出演者:
桐山照史、柄本時生、橋本 淳、元木聖也、高橋 努、
岡田義徳、朴 勝哲、みのすけ、福田転球、八嶋智人、段田安則
岩男海史 白石惇也 鈴木幸二 砂原一輝 西村 聡 平岡 亮 ふじおあつや 水谷 悟
宗綱 弟 ワタナベケイスケ
【東京公演】2020年2月8日(土)~3月4日(水)
会場:Bunkamuraシアターコクーン
【大阪公演】2020年3月8日(日)~15日(日)
会場:森ノ宮ピロティホール
(撮影:八木英里奈、取材・文:榎本麻紀恵)
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