『決算!忠臣蔵』公開記念、中村義洋監督のオモシロ時代劇3選!
戦国ニンジャ・アクション
超大作『忍びの国』
(C)2017 映画『忍びの国』製作委員会 (C)2008 和田竜/新潮社
中村監督が続けて手掛けた時代劇はニンジャ・アクション大作『忍びの国』です。
『のぼうの城』で知られる和田竜の同名小説を原作にしたもので、舞台は戦国時代。
1578年に始まる織田軍VS伊賀忍者衆の戦いを描いた“天正伊賀の乱”を背景にしたもので、嵐の大野智をはじめ石原さとみ、鈴木亮平、伊勢谷友介、知念侑季(Hey!Say!Jump)など人気若手スターらが敵味方に分かれつつ、それぞれの魅力がアグレッシブに、そしてコミカルに炸裂していく快作です。
殺陣を含むアクションは日本はもとより世界各国の古武術を導入したものとのことですが、それらをほとんど吹き替えなしで俳優らが実際に体現しており、その面でも見応え十分!
VFXもふんだんに使われていますが、中村監督はそれ以前に3Dファンタジー映画『映画 怪物くん』(11)も手掛けていて、その手の扱いに精通していたこともあって、ここではさらなるダイナミックな描出に成功しています。(そういえば『映画 怪物くん』も、主演は大野智。中村監督はここで既に彼の魅力を見出した上での『忍びの国』の彼の好演に繋がっているようにも思えてなりません)
中村時代劇の原点のような
現代劇『ちょんまげぷりん』
荒木源の小説を原作とする『ちょんまげぷりん』(10)は時代劇ではなく現代劇ですが、中村監督のその後の時代劇路線を示唆したものとして見逃してはならないものがあるかと思います。
ストーリーは江戸時代からタイムスリップしてきた侍・木島安兵衛(錦戸亮)がシングルマザー遊佐ひろ子(ともさかりえ)と息子・友也(鈴木福)の住む家に居候することになり、家事全般を引き受けているうちにプリンをはじめとするお菓子作りの才能に開花! やがてコンテストに出場して人気パティシエになっていく……というもの。
これが映画初出演となった関ジャニ∞の錦戸亮が、生来の柔軟な魅力の中に侍ならではの凛とした古風な雰囲気を忍ばせつつ好演。
タイムスリップものだけにツッコミどころも満載ですが、それらもまた楽しくワイワイ語りあえるのが本作の長所で、プリンの扱い方も実に気が利いております。
またここでのハートウォーミングかつコミカルな味わいこそ中村映画の本質であり、この作品をご覧になった上で上記2作の時代劇および『決算!忠臣蔵』に接すると、より一層作品世界を深く楽しめることでしょう。
(文:増當竜也)
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