「岸辺露伴は動かない」第1話感想:あっという間の49分「あれ、面白かった!」
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2020年12月28日放送の「岸辺露伴は動かない」(NHK総合・BS4K 夜10時から10時49分)第一話、「富豪村」を見終えて......。
まずは、「原作ありきの実写化は、なにかしらの違和感がある」と思っていた自分の考え方を改めなければならないと思った。そして、先に原作者の荒木飛呂彦先生はじめ、制作者、出演者の方々に偏屈な私を許して欲しいと願う。私はこのドラマで二つのことに驚いた。まず一つ目は、ドラマ全体のクオリティだ。
原作で突拍子もない岸辺露伴の言動や奇抜なルックスは把握していたが、彼の持つ特殊能力「ヘブンズ・ドアー」を実写化で自分が受け入れることができるのか心配であった。きっと視聴している最中も、「まあ、まあ、落ち着いて!これは漫画の実写化だから......」と自分の肩をポンポンと叩きながら言い聞かせるものだと思っていた。
しかし、あっという間の49分。
見終わったあとの率直な感想は「あれ、面白かった!」である。
そうなのだ、原作があろうがなかろうが今回の「岸辺露伴は動かない」という作品は、一つのドラマとして完璧に完成されていた。
二つ目は、高橋一生さんという俳優の声の出し方だ。どちらかというと高橋さんは、独特の声の持ち主だと思う。あの端正なお顔を想像したとき、私の中では、パッとその声色が想像できる。
しかし、高橋さんが露伴として登場し、第一声を発した途端、「え?こんな声だっけ?」と高橋さんの声色に対して二度見をした。これは私の想像にすぎないが、きっと露伴を演じるにあたって高橋さんは声色に一番気を遣ったのではないかと思う。
アニメ化もされた作品なので視聴者のイメージを損なわないために声優さんに寄せてもよかったのかもしれない。でも、高橋さんはきっと高橋さんが思う露伴像に近づけあえて、地声よりも野太い声で露伴を演じたのではないだろうか。
一話はとにかく登場人物が少ない。(二話以降もそうかもしれないが......)
露伴の次に登場時間が長いのは、飯豊まりえさんが演じる露伴の担当編集、泉京香。偏屈な露伴を前にしてもあくまでも自分のペースは崩さない。凸凹のコンビネーションが実によかった。
さらに、一話のストーリーのカギを握る12歳の柴崎楓雅さん。露伴と泉が訪れる富豪村の案内役、一究を熱演した。一究が初めて画面に登場したとき、視聴者もその姿に一瞬、ギョッとしたのではないだろうか。圧巻の雰囲気と演技力は、「テセウスの船」(TBS系)で加藤みきお役を演じた少年だと聞けば誰しもが納得するだろう。
放送後、ファンの声を見ても全体的に原作の世界観は損ねず、良かったという感想が多いのも納得だ。露伴の特殊能力、「ヘブンズ・ドアー」に関しても最新技術を駆使し、再現していないところがファンを興ざめさせなかった点かもしれない。
違和感なく物語に入っていけた第一話。本日放送の第二話「くしゃがら」を多くの原作ファンが楽しみにしていることは、想像に難くない。
(文:駒子)
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