「逃げるは恥だが役に立つ」新作スペシャル感想:コロナを含む多くの問題を描きながら勇気を貰った感動の2時間半
2016年にTBS系で放送された大人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」のスペシャルドラマ、「逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!」が2021年1月2日21時から放送されました。
新春スペシャル(SP)ドラマでは、みくりと平匡が契約結婚から生まれた恋を経て、ついに本当の“結婚”を決めた連続ドラマのその後が描かれました。
今回の記事では、そのあらすじ概要と、放送終了後に感想を追記していきます。
あらすじ
家庭という仕事場の「共同経営者」である森山みくり(新垣結衣)と津崎平匡(星野 源)。共働きとなり、2人に最適な家事の分担も出来て、平和で幸せな日々を過ごしていた。
女子社員の「出産の順番待ち」、みくりの会社ではそんな話題も出ていた。そんな中、みくりの妊娠が発覚。2人はついに正式に結婚をすることになるが、入籍をめぐってひと悶着が。さらに、つわりで苦しむみくりを前に混乱する平匡は、「泣きたいのはこっち」と弱音を吐く始末。大切なプロジェクトを前に育休を取ることを決める平匡だったが、そんな窮地を支えてくれたのは昔の同僚である沼田(古田新太)たちだった——。
家事の役割分担など暮らしの再構築を目指すが、出産、育児と慣れない出来事の連続に翻弄されていくみくりと平匡。
一方、百合ちゃん(石田 ゆり子)も人生の大きな転機を迎えていた・・・。そして、“ある出来事”がみくりと平匡の間を引き裂き、離ればなれの日々を過ごすことに・・・。
2人は再び“ハグの日”を取り戻すことは出来るのか——。
感想
「逃げ恥」らしい、コメディ性を楽しみながら「夫婦を超えていく」物語を楽しもうとテレビの前に座りました。そう、あくまでも「楽しむ」ことを目的として今日を楽しみにしていました。
しかし、見終わってから振り返ると「楽しんだ」ではなく「勇気付けられた」と思いました。
夫婦別姓の話から始まり、育休問題(父親含む)、つわり、同性愛、子宮体がん、男らしいという呪い、無痛分娩と。その名前は誰もが聞いたことあり、社会問題であるとわかっていながら、間近に無ければ直面しない数々のそれらをわかりやすく、しかし説教臭くないように問題提起していました。
そして子供の出産を迎える夫婦が直面する避けられないすれ違いやぶつかり合い。それらに直面しながらも解決していくさまは、まさに主題歌「恋」で歌われる"夫婦を超えていけ"を体現していたように感じました。
極めつけは新型コロナウイルスの扱い方。思えば2020年の1月-2月は本当に何もわからず、専門家の意見もそれぞれ異なり見えない恐怖に多くの方が支配されていたと思います。胸が苦しくなった方もいたと思いますが、人類共通の課題に直面した今、それを真正面から描くことで多くの視聴者は勇気を貰ったのではないでしょうか。
奇しくも放送当日の2021年1月2日は首都圏の一都三県が政府に再びの緊急事態宣言発出を要請した日。残念ながら新型コロナウイルスとの戦いは2021年になっても終わりが見えていません。
それでも、前を向いて生きていこう。
世界は美しい。生きていれば、また大切な人たちといつかリアルで会えるはず。
きっと、今回の「逃げ恥」のラストのように、いつかの未来はマスクをしないで外でハグをできる日が来る。いつかはわからないけど、その希望を持って明日からも生きていこうと奮い立たせてくれた2時半でした。
ガンバレ人類!ありがとう逃げ恥!
キャストコメント
<主演・新垣結衣さん コメント>
クランクイン初日はセリフが一言しかなくて、それでちゃんとみくりに戻れるか心配だったのですが、監督や平匡さん(星野源さん)にも「とてもみくりさんだった!」と言ってもらえて安心しました。平匡さんも変わらず平匡さんで「戻れるものなんだな・・・」と。とはいえ、あれから『逃げ恥』の世界も4年の月日が経ち、みくりと平匡がまた新たな問題に立ち向かっていくので、その姿をぜひ楽しんでいただきたいです。
そして、お正月の息抜きとちょっとした希望になれたらいいなと思います。
<星野 源さん コメント>
あの後、みくりと平匡はどんな人生を踏み出していったのか?
4年経ってどうなるかと思っていましたが、戻れるものですね。僕は一足先にクランクインしていましたが、みくりさんと会って改めて始まったな、戻ってきたなと感じました。
キャストもスタッフも連ドラの時の方ばかりで、大集合で再会できてうれしいです。初日は古田(新太)さんと藤井(隆)さんと一緒だったのですが、相変わらず笑うのを我慢するのに必死で、そこのシーンも期待していて欲しいです。
新垣さんと同じく、今回のスペシャルの中でも色々なことが起こりますが、その中でちょっとした希望を感じていただければと思います。
<原作者・海野つなみさん コメント>
引き続き最高のスタッフ、最高のキャストで楽しみでしかありません。
先が見えず不安な毎日に寄り添う、元気が出るドラマをお届けできたらなと思います。
あとはどうか、無事に安全に撮影が終了して、大きな事件なくお正月に放映されますように!
<プロデューサー・那須田淳コメント>
あの後、みくりと平匡はどんな人生を踏み出していったのか?
きっと、あんなことやこんなことが起こるんじゃないかと想像するだけで、私たちも、キャストの皆さんも、そして、視聴者の皆様も、ムズムズしてしまうのでは!?
2016年に放送いたしました連続ドラマから時を経て、結婚生活3年目に入ったみくりさんと平匡さんの2019年から2020年の一年以上を描きます。 テーマは「がんばれ人類!」。大きく出たテーマの意味と、お正月にふさわしい、ご家族みんなで、楽しんで、考えて、泣いて、笑っていただけるようなスペシャルドラマになるよう全力で制作いたします。そして、「恋ダンス」は、もちろん…!?
キャスト
森山 みくり…新垣結衣津崎 平匡…星野源
風見 涼太…大谷亮平
日野 秀司…藤井 隆
田中 安恵…真野恵里菜
梅原ナツキ…成田 凌
山やまさん (マスター)…古舘寛治
森山ちがや…細田善彦
津崎 宗八…モロ師岡
津崎 知佳…高橋ひとみ
森山 栃男…宇梶剛士
森山 桜…富田靖子
沼田 頼綱…古田新太
土屋 百合…石田ゆり子
花村 伊吹…西田尚美
灰原 慎之介…青木崇高
千川さん…滝沢カレン
笠井さん…ナオト・インティライミ
坂田さん…池谷のぶえ
相場さん…Kaito
区役所職員…前野朋哉
谷部長たに…金子昇
原作・スタッフ
原作海野つなみ 『逃げるは恥だが役に立つ』
(講談社「Kiss」にて連載中)
脚本
野木亜紀子
(『MIU404』『アンナチュラル』、映画「罪の声」)
プロデューサー
那須田 淳
磯山 晶
峠田 浩
勝野逸未
編成
宮﨑真佐子
演出
金子文紀
音楽
末廣健一郎
MAYUKO
主題歌
星野 源 「恋」
(スピードスターレコーズ)
製作著作
TBSスパークル
TBS
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