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2021年02月08日

『PUI PUI モルカー』の原点、『マイリトルゴート』は人間の愚かさを超えた残忍さを暴く

『PUI PUI モルカー』の原点、『マイリトルゴート』は人間の愚かさを超えた残忍さを暴く



SNSを中心に話題沸騰の『PUI PUIモルカー』。モルモットを自動車化した可愛いデザインと愚かな人間の対比が鮮烈で、かわいさとブラックユーモアが魅力な、ストップモーションアニメーションです。

その里見朝希監督の原点とも言える『マイリトルゴート』が急遽、オンライン配信が始まりました。



アカウントを作成すればだれでも無料で視聴可能です。(2021/2/4~2021/2/28まで)

【臨時配信】 マイリトルゴート / My Little Goat|THEATER|Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE

※成人向けの作品で、人によってはトラウマを刺激するような内容も含まれますのでご注意ください。

『マイリトルゴート』は里見監督の卒業制作作品で、国内外の映画祭で高く評価され、併映ながら劇場公開も果たした作品です。グリム童話『狼と七匹の子山羊』をモチーフに、人間の歪んだ愛と欲望を描いた作品です。

物語はお母さんヤギが、オオカミの腹を裂いて7匹の子供たちを救い出すところから始まります。しかし、すでに消化が始まっていた子ヤギたちは皮膚がただれてしまっています。しかもトルクという名の長男の子ヤギが見当たりません。狼の腹の中には1匹分の骨が残されています。

子ヤギたちが連れ帰ったお母さんヤギは、一人の人間の子供を連れて家に閉じ込めます。お母さんはその子をトルクだと信じ切っている様子です。お母さんヤギは買い物に出かけ、決してドアを開けてはいけませんよと言い聞かせるのですが、そこに人間のお父さんが助けに来るが・・・というお話です。

『モルカー』放送日に、「人間は愚か」という言葉がTwitterトレンドになりましたが、本作は「愚か」を超えて、人間はなんと残酷で、愛は恐ろしいもののだ、ということを描いています。本作を観ると「モルカー」の印象もまた変わってくるでしょう、里見監督の人間に対する冷徹な視線が一貫しています。

(文:杉本穂高)

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