2021「ゴールデングローブ賞」で浮き彫りとなった問題点|賞とは何か…?
配信勢がコロナ禍で躍進、テレビ部門を席巻
2020年は、コロナ禍で映画館が休館に追い込まれ極端に公開本数が少なかった年です。多くの映画会社が苦しむ中、勢力を伸ばしたのはNetflixをはじめとする配信勢。ゴールデン・グローブ賞においても配信勢の勢いを感じさせます。
Netflixの『Mank マンク』は無冠に終わりましたが、映画部門最多ノミネートを記録。ミュージカル・コメディ部門で作品賞を受賞したのはAmazon Prime Videoで配信された『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』となりました。
ドラマ部門主演男優賞チャドウィック・ボーズマンの『マ・レイニーのブラックボトム』もNetflix作品で、アニメーション映画賞の『ソウルフル・ワールド』もディズニー+での配信となったのは記憶に新しいところです。脚本賞の『シカゴ7裁判』も、本来は劇場公開予定の作品でしたが、コロナ禍でNetflixでの配信となった作品です。
映画部門以上にテレビ部門で配信勢が躍進しています。ドラマ部門ノミネート5作品中、純粋にテレビ作品だったのは、HBO製作の『ラヴクラフトカントリー 恐怖の旅路』のみ、ミュージカル・コメディ部門ではCBCの『シッツ・クリーク』のみ。Netflixだけでなく、Apple TV+作品『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』もノミネートされるなど、新興の配信勢力も対等してきており、もはや「テレビ部門とはなんぞや?」という状況になっています。
接待疑惑が報じられた『エミリー、パリへ行く』はミュージカル・コメディ部門にノミネートしていますが、受賞は逃しています。
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