映画コラム
『ザ・バッド・ガイズ』レビュー:拡張するマ・ドンソク・シネマティック・ユニヴァース
『ザ・バッド・ガイズ』レビュー:拡張するマ・ドンソク・シネマティック・ユニヴァース
『ザ・バッド・ガイズ』は、「服役囚を集めて犯罪を捜査させ、解決したならば見返りとして刑期を短縮する」という名目のもと結成された、「特殊犯罪捜査課」の活躍を描いた映画だ。
特殊犯罪捜査課の面々は、囚人を乗せた護送車を襲撃する事件が発生し、脱走した凶悪犯たちを捕まえるために招集される。
集められたのは、詐欺師のクァク・ノスン(キム・アジュン)、元警察官のコ・ユソン(チャン・ギヨン)、そして、かつて「伝説の拳」と呼ばれたパク・ウンチョル。通り名のとおり、演じるはマ・ドンソクである。
ときに、マ・ドンソクは「韓国映画には2種類ある。マ・ドンソクが出演している映画と出演していない映画だ」とでもいうかのように、毎年数本の映画に登場している。
今や韓国映画界は「誰が一番マ・ドンソク使いが巧いか」を争っているのではと勘ぐってしまうくらいなのだが、とにかく、体感的としては四半期に一回くらい「マ・ドンソク」という言葉を見聞きしているような気がする。
だが、その結果「マ・ドンソクが飽和しているか」と言われればそうでもないし、「そろそろマ・ドンソク疲れが出てきている」わけでもない。むしろ、強いマ・ドンソク、かわいいマ・ドンソク、強くてかわいいマ・ドンソクなど、様々なマ・ドンソクが登場することで、マ・ドンソクの宇宙は広がり続けている。MCUに出演する以前に、MCU(マ・ドンソク・シネマティック・ユニヴァース)である。
本作『ザ・バッド・ガイズ』もまた、今まで何度もマ・ドンソクを観てきたというのに、擬闘シーンの爽快感、拳の破壊力は凄まじく、フレッシュですらある。紛れもなくマ・ドンソク・シネマティック・ユニヴァース作品のひとつとして数えられることだろう。
(文:加藤 広大)
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