【厳選】今週公開オススメ映画!『ブラック・ウィドウ』『東京リベンジャーズ』だけじゃない…!
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『ねばぎば新世界』
令和の今だからこそ新鮮に映えわたる『悪名』さながらの義理と人情の浪花活劇!“NEVER GIVE UP”かつて映画『野性の証明』(78)のキャッチコピーにも用いられていたこの名文句も、赤井英和&上西雄大が使うと「ねばぎば」と聞こえてくる?
一体これはいつの時代の設定? と一瞬戸惑ってしまうほどの昭和テイストに浪花ド根性モードが組み合わさっての『ねばぎば新世界』、上記の主演ふたりに続いて堀田眞三やら田中要次やら菅田俊やら西岡徳馬やら、ついには小沢仁志の兄ィまで加わっての古き良き義理と人情のアクション、いや活劇といったほうがふさわしい娯楽作ではあります。
とかく規制だのコンプライアンスだのといった現代社会にはびこる窮屈な縛りなどどこ吹く風で、拳による正義の制裁も「たまには月に代わってお仕置きしたってかまへんやろ!」の潔いノリなのでした!?
前作『ひとくず』で文字通り人間の屑のごとき男の闇の中の光を真摯に自作自演で描いた上西監督は、ここでは勝新太郎&田宮二郎主演による昭和を代表する任侠映画『悪名』シリーズの再来を目指しているかのようで、それはなかなかの成果を収めているといってもよいでしょう。
特に赤井英和は『どついたるねん』(89)『119』(94)などデビュー当初の荒々しさと素朴な好ましさが久々に蘇ったかのようで、リアルタイムで彼を見続けてきた側としては実に嬉しい限り。
それにしても2020年ニース国際映画祭(フランス)で何と外国映画部門最優秀作品賞(グランプリ)&最優秀脚本賞(上西雄大)、2021年WICA(ワールド・インディペンデント・シネマ・ワールド)外国映画部門最優秀男優賞(赤井英和&上西雄大)という海外での評価は正直驚きですが、要は本音丸出しの下町人情&アクションといった題材が、21世紀の今、世界的にも斬新に映えているということなのかもしれません。
昭和世代が見たら懐かしく、平成&令和世代が見たら新鮮な、義理人情の浪花バディ映画、こういった映画が今の国内でどのように受け入れられるかも楽しみではあります。
(文:増當竜也)
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