インタビュー

2021年07月22日

仮面ライダー1号・2号・V3奇跡の揃い踏み!まさに原点にして頂点と言えるイベント『KAMEN RIDER FILM ARCHIVE SPECIAL NIGHT』詳細レポート

仮面ライダー1号・2号・V3奇跡の揃い踏み!まさに原点にして頂点と言えるイベント『KAMEN RIDER FILM ARCHIVE SPECIAL NIGHT』詳細レポート


命懸けの危険な撮影も平気でこなす本当のヒーローとは

佐々木は「特撮番組って言いますけど、僕らがやってた頃は(特撮らしい道具は)トランポリンだけですよ。だから、監督もスタッフも(迫力ある映像を撮るために)悩んで、立派な番組を作ってくれたわけです。でも、演ってる方は命懸けですよ。前方転回もできないのに『バック転!』なんて言われて、できなきゃ(特撮の)役者として認めてもらえないし…。ヘリ(上昇するヘリコプターの脚)に飛びついたシーンでは落ちなくてよかったなと思いますよ。普通ならすぐに降ろしてくれるのに予算の関係で(1回のフライトで別カットも撮るために)そのまま『旋回!旋回!』なんて指示が飛んで、本当に旋回するんだもん。あれで落ちてたらもう仮面ライダーありませんでしたよね」と、今では考えられない過酷な撮影環境を明かして会場を唸らせた。

佐々木の言うヘリに飛びつくシーンとは、テレビシリーズの第39話『怪人狼男の殺人大パーティー』で、逃げようとするショッカー幹部の乗るヘリコプターに飛びつき『狼作戦』の秘密が隠されているアタッシュケースを奪い取るというシーンのことだと思われる。

カメラアングルによって顔が見えないカットもあるが、ヘリコプターに飛びつきアタッシュケースを奪い取り、敵を倒して飛行中のヘリコプターから飛び降りるまでの一連のスタントは、すべて佐々木本人によるものである。


続けて、佐々木は「それぐらいみんな命懸けでやってたんです。(映像技術や予算が)足りないところは身体を張って。剣友会(当時アクションシーン全般に携わっていた『大野剣友会』)の連中だってそうです。『おい!右に落ちんじゃねぇぞ!落ちたら死ぬからな!落ちんならこっち落ちろ!』って、そんな危険なとこで(アクション)やらせんなよって言いたいよね。でも、それをみんな平気でやってたね」と、よりよい作品作りのために、危険と隣り合わせの撮影もいとわず迫力ある戦闘シーンを作り上げた大野剣友会を称えた。

それを受けて藤岡も「そのアクションシーンを支えてくれたスタントマン。大野剣友会のショッカーから始まって、すべての怪人。彼たちこそ本当のヒーローだと思う。彼たちなしでは『仮面ライダー』はあり得ないというほど、満身創痍の中で我々を支えてくれたんですよ。これは忘れてはいけないと我々3人いつも話すんですけど、彼たちこそ本当に影の功労者ですね。感謝しております!」と、改めて大野剣友会に感謝の言葉を送った。


続けて、藤岡は「我々3人だけじゃなく、仮面ライダーに携わった関係者・スタッフ、諸先輩の俳優さんたち、あらゆる人たちが支えてくれた、その思いこそが50周年と続いてきた原動力ではないかと思っております。多くの『仮面ライダー』を愛する人たちのそれぞれの思い入れを持って、それぞれの時代に思い出を持って支えてきた。一言で「50年」と言いますけど、50年続くってことはそんな簡単なことではない。すさまじい歴史、ドラマを秘めていると思います。日本だけではなく、世界の子供たちにまで影響を与え続けてきた50年。これは日本が誇るべき映像の記憶だと思っております」と、仮面ライダー50周年という歴史の重みについて熱く力強い言葉で語った。

レジェンドたちによるレジェンドな変身

イベント終盤では『SPECIAL NIGHT』と銘打った今回のイベントにちなんで特別に、藤岡、佐々木、宮内のレジェンド3人による変身ポーズが披露された。


まず、藤岡が舞台中央に立ち、武道の呼吸法のように「ハーッ!」と気を込めると、腹の底から響くような「変身!」の掛け声とともに仮面ライダー1号の変身ポーズを力強く決めた。


続く佐々木は、テレビシリーズで仮面ライダー2号が初登場した第14話『魔人サボテグロンの襲来』での史上初の変身シーンの名セリフ「お見せしよう!」を再現し、「変身!」の掛け声とともに仮面ライダーの歴史に刻まれた始まりの変身ポーズを披露。


宮内もテレビシリーズの劇中さながらに「おのれデストロン!ゆくぞ!」と力強いセリフを決めると、当時と変わらぬキレのある動きで「変身!」「ブイスリャーッ!!」と宮内独特の言い回しの掛け声とともに変身ポーズを見せてくれた。

仮面ライダーは永遠に続くヒーロー


締めの挨拶では、宮内が「今年は2021年。50年前に『仮面ライダー』がスタートして、我々がレジェンドと呼ばれるようになりました。今現在オンエアされている『仮面ライダー(セイバー)』がまた50年後にはレジェンド、次もまたレジェンド、レジェンド、レジェンド…と、仮面ライダーはずっと続きます。仮面ライダーは日本だけのものではありません。仮面ライダーは永遠に不滅です!」と、天に向かってマイクを持つ手を突き上げ、この先も『仮面ライダーシリーズ』が続くことを力強く宣言して会場のファンから熱く大きな拍手が送られた。


続いて、佐々木は「このコロナ禍の中、またこの暑い中、この50周年のイベントに集まってくださった皆様、本当にありがとうございます。また、55周年、お待ちしております」と、5年後の再会を示唆して会場からは大きな拍手が起こった。


最後に藤岡が「この『仮面ライダー』は石ノ森章太郎先生が生みの親です。そこから始まって、多くの関係者、スタッフの皆さん、多くの俳優の諸先輩、多くの皆さんのお力によって、こうやって50周年を迎えたと思いますと、ひとしお感慨深いものがあります。50年と一言で言いますけど、それぞれの中に仮面ライダーの思い出があると思います。愛と正義を伝えてきたこの仮面ライダーをこれからも皆さんの大きな活力として、この4Kリマスター版も観て、いろいろ感じていただいて、勇気を奮い起こして色んなものを乗り越えていただきたいと思っております。仮面ライダーは日本から始まって、日本が誇るヒーローとして世界にまで根差しました。仮面ライダーを作ってくれた会社、制作者、関係者、多くの心ある皆さんによって築かれた50年であります。これからも世界の子供たちを支えて、影響力のあるこのヒーローが永遠に続いていただくことを願いながら、(そうなると)信じております。これからもこの仮面ライダーが未来を作っていく子供たちに多くの影響を与えながら続いていくことを祈ります」と、これまでの仮面ライダーシリーズの歴史とこれからの未来への思いを熱く語ると、「今日、ご来場の皆さん、本当にありがとうございました。50周年おめでとうございます!」と挨拶してイベントを締めくくった。


『仮面ライダー THE MOVIE 1972-1988 4KリマスターBOX』は2021年7月19日より TOEI STORE にて予約受付中(受付締め切りは2021年10月3日23:59)

(撮影・取材・文:いぢま。)

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(C)石森プロ・東映

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