『子供はわかってあげない』レビュー:上白石萌歌×沖田修一監督で贈る、ひと夏のガール・ミーツ・お父さん!
『子供はわかってあげない』レビュー:上白石萌歌×沖田修一監督で贈る、ひと夏のガール・ミーツ・お父さん!
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■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」
「少女と自転車とキャメラさえあれば映画は作れる」とはジャン=リュック・ゴダール監督の名言ですが、実際、自転車はあったりなかったりしても「少女」と「映画」は昔から相性が良いようです。
昨年の夏は『アルプススタンドのはしのほうで』が絶賛を博し、今年の夏も伊藤万里華主演『サマーフィルムにのって』が現在公開中(こちらも素敵なSF青春映画!)。
そして2021年8月20日から全国公開される(東京・テアトル新宿では8月13日より先行公開)上白石萌歌主演×沖田修一監督の『子供はわかってあげない』もまた、夏にふさわしい少女と実の父親の数日間の再会をさわやかに描いた青春映画の秀作なのでした。
水泳&アニヲタ少女と元教祖の実父が過ごすひと夏の思い出!?
『子供はわかってあげない』はマンガ大賞2015第2位にランクインした田島列島の同名コミックを原作にしたものです。主人公は17歳の高校2年生・朝田美波(上白石萌歌)。
水泳部の実力選手である一方、大のアニヲタでTVアニメ「魔法左官少女バッファローKOTEKO」をこよなく愛しています。
(このアニメ、劇中でちゃんと断片を見ることが出来ます。KOTEKOの声は富田美憂が担当。他にも浪川大輔、櫻井孝宏、速水奨など、すごいキャスティング!)
わんぱくな弟と優しい母(斉藤由貴)、そして美波と一緒に「魔法左官少女バッファローKOTEKO」を楽しんでくれる義父(古舘寛治)と、家族関係も大いに良好。
(冒頭での、家の中のドタバタなやりとりを長回しで捉えたシークエンスが秀逸!)
そんな美波が夏休みの直前、書道部の“もじくん”こと門司昭平(細田佳央太)と出会い、彼が「KOTEKO」ファンであったことから大いに意気投合!
では、本作はガール・ミーツ・ボーイのラブ・ストーリーへ発展!……するかと思いきや、この出会いがきっかけとなって、何と美波はもじ君のお兄さんで今は女性の明ちゃん(千葉雄大)を通して、幼い頃に別れた実の父親が怪しげな新興宗教の元教祖様であることを知ってしまった!?
かくして美波は、夏休みの水泳部合宿を抜け出して、家族に内緒で海辺の町に住む実父・藁谷友光(「わらや・ともみつ」と呼びます/豊川悦司)に会いに行くのでした……が!?
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