「ナイト・ドクター」第6話レビュー:働き方改革は誰を救うのか?(※ストーリーネタバレあり)
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波瑠主演のフジテレビの連続ドラマ「ナイト・ドクター」が、2021年6月21日(月)より放送開始した。
“昼夜完全交代制”を試験的に導入した病院を舞台に、夜間救急専門の医師チーム「ナイト・ドクター」の奮闘を描く本作。“月9”ドラマ初出演となる波瑠が強い信念を持つ主人公・朝倉美月を演じる。
本記事では、その第6話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。
「ナイト・ドクター」第6話レビュー
働き方改革は、誰を救うのか?
人命救助のため災害現場に駆けつけた朝倉たち。他病院とも掛け持ちで仕事をしていた朝倉は、連日の疲れがたたり立ちくらみを起こしてしまう。ギリギリのところで患者を助けられたから結果的にはよかったものの、朝倉も肋骨を折り重傷を負ってしまったーー共にいながら何のサポートもできなかった深澤は責任を感じる。
朝倉がここまで身体を押して働きづめになったのは、ひたすらに医師としての技術を高めたいと思ったからだ。先輩である成瀬に早く近づき、もっと現場で力になりたいからという向上心もあったのだろう。その野心は評価されるべきものだし、頑張らずにほどほどにやれとも言えない。
医師の世界まで浸透した「働き方改革」により、労働時間を”不当に”削られスキルアップの機会さえ奪われていると感じていた朝倉。だからこそ他病院での副業を選択し、過労に繋がってしまった。働き方を改革しなければならないのに本末転倒だ。
結局、働き方改革とは何なのか。働き方改革は誰を救うのだろうか?
何とか一命を取り留め、現場に復帰した朝倉。生死の境を彷徨ったにも関わらず、以前と同じようにストイックに動こうとする彼女を、同僚たちが止める。
もっと自分の身体のことを考えろ。朝倉が患者を大事に思うように、俺たちだって朝倉のことを大事に思ってる。頑張るのは良いことだけど、あまりにも頑張りすぎている姿を見ると心配だ。見てる側の心が擦り減ることもあるーーさまざまな言葉が朝倉の意識を少しずつ変える。
筆者自身も、頑張ることは良いことだと信じてきた。努力は美徳だ。手を抜いたり怠けたりするよりも、よっぽど良いだろうと。
その価値観自体は今でも変わらないかもしれない。それでも、自分にとっても周囲の人たちにとっても負担にならないような”頑張り方の選択”もあると、このドラマに教えてもらった。
深澤のように、同僚から論文を借りたりオペ映像を借りたりしてもいい。成瀬のように、休日にセミナーを受けに行くのもいい。ただ自分の時間と労力を体当たりで消費するような頑張り方だけが、”頑張る”じゃないのだ。
自分に合う頑張り方を模索するのも仕事のうちだ。「働き方改革」とは、まさにそういうことなのだろう。
「ナイト・ドクター」第6話ストーリー
工場の事故で複数の傷病者が出たと『あさひ海浜病院』にドクターカーの出動要請が入る。本郷亭(沢村一樹)は朝倉美月(波瑠)、成瀬暁人(田中圭)、深澤新(岸優太)たちを現場に向かわせた。深澤が崩れた資材置場を見に行くと重傷を負った作業員がいる。
治療の自信がない深澤は美月を呼びに行き、処置を頼むことに。美月は作業員を助けるため資材の山を登るが、立ちくらみを起こして落下してしまった。しばらく意識を失った美月だが、深澤の呼びかけに目を覚まして作業員の処置を再開する。しかし、全ての傷病者の搬送を終えた時、美月の身体に再び異変が起こる。
本郷は成瀬と深澤に美月の事故原因を尋ねる。深澤は自分が傷病者の処置を任せきりにしたことを悔やみ、成瀬も美月を止める事が出来なかったと責任を感じていた。
美月が事故に遭ったことは病院内でも問題に。本郷は桜庭麗子(真矢ミキ)、八雲徳人(小野武彦)に全て自分の責任だと頭を下げた。
(文:北村有)
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