『妖怪大戦争 ガーディアンズ』レビュー:妖怪も大魔神も登場する、新たな"令和版"妖怪大戦争!
『妖怪大戦争 ガーディアンズ』レビュー:妖怪も大魔神も登場する、新たな"令和版"妖怪大戦争!
■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT
現在、角川シネマ有楽町ほかで順次開催中の《妖怪特撮映画祭》でも上映されている1968年の時代劇『妖怪大戦争』と、2005年の現代劇『妖怪大戦争』。
昭和、平成と描かれてきた日本の妖怪たちが大集結する特撮ファンタジー・エンタテインメントが2021年令和の夏、また新たに登場!
今回も2005年版の三池崇史監督がメガホンを握り、巨大妖怪獣の出現による現代日本の危機が描かれます。
世界を救うカギを握るのは、伝説の妖怪ハンター(北村一輝)の血を受け継ぐ少年兄弟の兄・ケイ(寺田心)なのですが、事態を収拾させようと目論む妖怪たちは弟・ダイ(猪股怜生)を“選ばれた勇者”と勘違いして連れ去ってしまったことから、てんやわんやの騒動が繰り広げられていきます。
また妖怪たちの中で仲間割れが起きたりするなど(このあたりは三池監督作品らしいですね)、そうこうしているうちに妖怪獣が東京間近まで迫ってきて、ついに妖怪たちは勇者を用いて大魔神を復活させ…!
そう、今回の目玉のひとつに、やはり今回の《妖怪特撮映画祭》を大きく彩る伝説的人気キャラクター大魔神が、それこそ半世紀以上ぶりに銀幕に見参するところにありますが、正直その造型などはオリジナルのファンからすると賛否が分かれるかもしれません。
(いつも思うことですが、特撮ヒーローにしても怪獣にしても、リメイクされると妙に今風のデザイン・アレンジが施されすぎて、本来の魅力が損なわれることが多々ありますよね……)
むしろ個人的に見ていて楽しかったのは、2005年版さながら登場するバラエティ豊かな妖怪たちの魅力のほうで、ぬらりひょん(大森南朋)や隠神刑部(大沢たかお)、雪女(大島優子)、姑獲鳥(安藤サクラ)など見ているだけで楽しくなってきます。
中でも主人公と共に行動することになる狐面の女は、いつもの杉咲花のほんわかした個性とは真逆のきりりとした魅力を醸し出していたように思えます。
また2005年版『妖怪大戦争』で主人公を務めた神木隆之介も特別出演していますが、その設定の妙もお楽しみに!
まあ、何だかんだで夏休みはにぎやかな特撮映画がよく似合いますし、こういった特撮ジャンル・ムービーは定期的に作られてこそ技術や企画の向上などに繋がっていくものです。
子供たちが大好きな妖怪が大挙登場する本作も、冷房の利いた映画館の中をさぞエキサイトさせてくれることでしょう。
(それにしても、きちんとした本格的『大魔神』映画、そろそろ作ってもらえないかなあ、などと思ってみたりもして……)
(文:増當竜也)
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(C)2021『妖怪大戦争』ガーディアンズ