(C)西崎義展/宇宙戦艦ヤマト2205製作委員会
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2021年10月02日

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章-TAKE OFF-』レビュー:まさにリブート版の新たなる旅立ち!

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章-TAKE OFF-』レビュー:まさにリブート版の新たなる旅立ち!

今度こそ完全にシリーズを
着地させるために!

実はこの後1995年よりOVAシリーズとして、『完結編』からおよそ300年後の宇宙を舞台にした『YAMATO2520』がスタートしましたが、製作会社の倒産によって第3巻で中断したまま現在に至っています。



また『完結編』からおよそ17年後を舞台にした『宇宙戦艦ヤマト復活篇(第一部)』が2009年に、またその『ディレクターズカット版』が2012年に公開されていますが、実はこれらもラストが異なるというパラレルワールド化がなされており、つまり昭和から続くヤマト・シリーズは、すっきりとした完結を未だに迎えていないのです。

そうした中、オリジナルをリブートすべく2012年から始まった『宇宙戦艦ヤマト 2199』『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』は、昭和から始まるシリーズのポリシーを受け継ぎながら、今度こそ真の着地点をめざすべく腐心し続けています。



特に『2202』はオリジナル最高傑作である映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』とシリーズ分岐のきっかけとなったTV「宇宙戦艦ヤマト2」双方を融合させつつ新たな道をめざすための苦労は並々ならぬものがあったことでしょう。

正直に申して『2202』そのものの出来は、観念的描写の多さや説明台詞の難解さなども手伝って、個人的には評価しておりません。

(ただし二代目艦長・土方竜さんには涙しました)

もっとも、ここを通過しなければリブート・ヤマトは最終目的地に到達できないことを鑑みるに、そこを乗り越えての次なる試練として製作された今回の作品はまさにリブート版の“新たなる旅立ち”として認めるのにやぶさかではなく(多少のアナクロニズム臭はご愛敬としておくべきか)、今後はオリジナル版とはどんどん異なる展開になっていっても許されるのではないか、いやむしろどんどん新たなるスタッフ&キャストで新たなるヤマト・ワールドが形成されていけばいいとまで思っています。



今回の『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち前章-TAKE OFF-』は、そんな今後を期待させるに足る仕上がりでした。

健闘を祈りたいと思います。

(文:増當竜也)

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