『シン・仮面ライダー』の制作発表に驚きの連続!池松壮亮は選ばれるべくして選ばれた!?
■オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会
『仮面ライダー』が初放映されてからちょうど50年経った2021年の4月3日、日本中にビッグニュースが流れました。
それは「エヴァンゲリオン」シリーズ、『シン・ゴジラ』で日本のアニメ界、特撮界に金字塔を打ち立てた庵野秀明さんが監督、脚本を担当される『シン・仮面ライダー』の製作でした。
ついに「仮面ライダー」にもシンがつく日が。
そのニュースはアニメ、特撮、そして庵野秀明さんファン以外の人をも震撼させるほど強力なものでした。
それから『シン・仮面ライダー』の公式Twitterでは少しずつ写真がアップされ、その中には仮面ライダーの戦闘シーンには欠かせないダムの写真もあり、期待感はますます膨らんでいきました。
第1話にも使われた奥多摩の小河内ダムかな、それとも秩父の浦山ダムかな?
たった1枚だけでしばらく喋りたくなってしまうほどの強烈な写真。
新たにデザインされた、立花レーシングクラブのマークにも狂喜乱舞。
オリジナルのかっこよさを残しつつ、洗練されたデザインは思わずため息を吐くほど。
全体像がまったく見えませんでしたが、サイクロンが製造されてる過程も興奮しましたし、複眼のみの投稿でも、「あ、旧1号の淡いピンクだ。ってことはやはり初期をリスペクトした内容になるのかな」など、写真から得られる情報を余すことなくしゃぶり尽くしていました。
そんな中、先日の9月30日にいきなり、Twitterにて記者会見が生配信されました。
その名も「シン・仮面ライダー対庵野秀明展 合同記者会見」。
急な告知に驚いたと同時にタイトルの「対」に歓喜し、そして何が発表されるのか胸が高鳴りました。
そして記者会見が始まったあとすぐのVTR振りと同時に聞こえたバイクのエンジン音。
何回も見てきた『仮面ライダー』のオープニング。
ん?いや違う。
むちゃくちゃ寄せて作られた新規のオープニングやないか!
自分の歳も忘れて、一気に童心に戻ってしまいました。
オマージュのディティールのクオリティがとんでもない。
カメラアングルからライダーの細かい所作、例えばハンドルを握るところやギアにかかる左足の動きまで、再現率ほぼ100パーセント。
ちょっと待って。
歌、流れてきた!
藤岡弘、さんバージョンでも子門真人さんバージョンでもない。
誰が歌ってるんや。
プロっぽくないぞ。
これ、藤岡さんパターンの主演が歌ってるパターンちゃうか。誰だ?あかん、VTR見たすぎて主演の予想に思考が向かない!
なんやこのかっこいいサイクロン号は。仮面は特にデフォルメもされてないライダーだ。あ、でも細かいところが現代風になってる!
ってか主演誰や!
背景回ってる。マフラーもちゃんと6本ある。蜘蛛男の動きすごいな。
ってか主演誰や!
パニック状態に陥りました。
心地よいパニックでした。
VTRが終わっても怒涛の情報解禁が続きます。
主演の本郷猛役は、なんと池松壮亮さん。
呼び込みがあり、登場されると、なんとまさかの松葉杖。
藤岡さんのバイク事故までオマージュすんの?
徹底しすぎてるやろ!
大半の方がこう思われたことでしょう。
聞けばアクションの練習で靭帯を怪我された、つまりマジ松葉杖。
喜んではいけないことだと思うんですが、その姿は本郷猛の洗礼を受けたように見えて、少し神々しさすらありました。
そこからのインタビューに答えられているときに思いました。
今まで池松さんが演じてるのを見てても気づかなかったんですが、声が若かりし藤岡弘、さんに似ているのです。
怪我といい声といい、本郷猛に選ばれるべくして選ばれたのかもしれません。
庵野監督へのインタビューも貴重な話ばかりでした。
自分が見たいものよりも、同時期に仮面ライダーを見ていた人に向けて作るだとか、海外展開よりもまずは日本のお客さんに向けて作るだとか、ノスタルジーを大事にするだとか、デザイナーに出渕裕さんが入ってるだとか、平成ライダーだと『仮面ライダーファイズ』や『仮面ライダーカブト』が好きだとか。
中でも驚いたのは、監督も東映特撮ファンクラブに入会されていて、過去作品を見返したりしてるとのこと。
やはり「エヴァ」のイメージが強い庵野監督ですが、そんな監督が東映特撮について語られてるシーンはとても新鮮で、機会があればもっと聞きたいなと思いました。
今月1日から開催される「庵野秀明展」では、『シン・仮面ライダー』の展示もあるとのこと。
劇場公開はまだまだ先ですが、この催しに足を運んで、生サイクロン号を拝んできたいと思います。
9年前に行った特撮博物館も、見た後の満足感がすごかったので今回も非常に楽しみです。
(文:篠宮暁)
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