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<岡田准一の魅力>を武道家が解説!「戦闘から溢れる色気」


映画作品で見る岡田准一のアクション


派手さよりもリアルを追求する姿勢は、その主演映画でも随所に見られる。例えば、岡田准一の主演映画の殺陣における決まり手は、絞め技が多い。

1.『SP 野望篇』


『SP 野望篇』におけるベルトを使った絞め。相手自身の腕が首に巻きついた状態で、その上からベルトで圧迫し、肩越しに背負って吊り上げる。この絞めを見た時に、僕は唸ってしまった。

ベルトを直接首に巻き付けて吊り上げたら、それはもう首吊りである。殺してしまう。殺す必要はない。失神させればいい。ベルトと首の間に腕をかませることで、気管は絞まらないが相手自身の腕によって頸動脈は圧迫され、やがて“落ちる”。いわばベルトを使った“肩固め”である。

他にも、ヤスケビッチ式腕十字からオモプラッタに移行し、そのままフットチョークで絞め落とす。流れるような動きが素晴らしい。実際のアクションの素晴らしさについては、どうか映画本編を観てほしい。

2.『燃えよ剣』



『燃えよ剣』においては、土方歳三VS岡田“人斬り”以蔵という“幕末・夢の対決”が、あろうことか絞めで決まってしまうのだ。剣の勝負で劣勢となった土方は、流れるような動きでテイクダウンしたかと思うと、そのままチョークスリーパーで絞め落とす。この土方と以蔵の結末こそ、岡田准一の真骨頂である。

打撃及び剣を含む武器での戦いは、博打的要素が強い。当たらなければ意味がないし、当たったとしても致命傷を負わさなければ、これもまた意味がないのだ。戦いにおいてアドレナリンの出ている人間は、生半可な痛みでは倒れない。そもそも、痛みに気づかない。実際に僕は格闘技の試合中に指を骨折したが、それに気づいたのは試合後だった。

関節技も同様である。アドレナリンの出ている、あるいは覚悟を決めた人間は、骨を折られようが腱を断ち切られようが、向かって来るのだ。そのような人間を制するいちばん効率の良い方法は、意識を絶つこと。

アドレナリンが出ていようが、覚悟を決めていようが、意識を断たれたらおしまいである。
打撃で意識を絶つことも可能だが、それには効率良く脳を揺らす必要があるし、動いている人間にその類の打撃を当てることは至難の業だ。

結局、いちばん使い勝手が良いのが絞めなのである。頸動脈を圧迫することで脳への血流を止め、失神に導く。

また、もう1つの絞めの利点は、フィジカル差や体格差に左右されないことだ。打撃の攻防には、リーチ差や体格差がモロに出る。大きな相手を投げることも難しい。

岡田准一は小柄である。出演者の中でいちばん小さく見えることも稀ではない。そんな小さな岡田准一が、複数の大きな敵を打撃だけでガンガンぶち倒す絵は、それはそれは痛快だと思う。しかし、“本業:武道家”の岡田准一は、そのような“ファンタジー”を望まない。

だからこそ“絞め”である。頸動脈や気管に、体格差は関係ない。

3.『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』



『ザ・ファブル  殺さない殺し屋』では、女性が三角絞めで男性を絞め落とすシーンがある。素人相手ならともかく、お互いがプロの状況で、圧倒的にフィジカルで劣る女性が勝つには、絞め技が最も説得力がある。普通にハイキックとかで勝ってしまったら興ざめである。

このシーンの殺陣を考えたのも岡田准一だが、やはり徹底的なリアリストであり、武道に対する姿勢はとことん真摯だ。

ちなみに、この「プロの殺し屋なのに女性に絞め落とされる男」を演じた安藤政信は、岡田准一に対して「弟子にして下さい。道場出したら通います」と言っている。名作『キッズ・リターン』において、(元ボクサーの俳優を除けば)映画史上1、2を争うほどのリアルなボクサーを演じた彼をして、そう言わしめている。

だが、まだ甘い。
僕は、「住み込みの内弟子」になりたい。稽古でのせいぜい2〜3時間だけではなく、寝食をともにすることで、すべてを学びたい。

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