『劇場版 呪術廻戦 0』エヴァのシンジくんが転生して可愛い女の子と相思相愛になる夢小説として観た感想
3:やはり碇シンジではなく乙骨憂太だった
実際の本編での乙骨憂太は、やはり緒方恵美の声質と演技もあって、碇シンジそのものに見える時もある。特に終盤のシリアスなシーンで乙骨憂太は「死んじゃダメだ!」というセリフを放つのだが、碇シンジの「逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ!」をどうしても思い出して困ってしまった、というのも正直なところだ。
だが、最終的には「やはり碇シンジではなく乙骨憂太という人間だ」とも思うことができた。特に前述した「失礼だな」に続けて言う、ある2文字の言葉は、碇シンジでは放てないものだろう。ずっと自問自答を続け優柔不断なところが多かった碇シンジに対して、乙骨憂太は悩むことがあっても結論を出すのは早く、その信念を確固たるものとして宣言する。2人の明確な違いが、その2文字に刻印されていたと思うのだ。緒方恵美のこのセリフの表現そのものにも、シビれるような感動があった。
何より、『劇場版 呪術廻戦 0』の物語に触れて、乙骨憂太という1人の人間のことが大好きになれた。人生において不可避な大切な人の死に遭遇する時に、彼のことを思い出して、少し強くなれる方もきっと多いと思う。碇シンジの「その先」に進んだような強さを持つ乙骨憂太を、心から賞賛したい。
(文:ヒナタカ)
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