「ファイトソング」第1話レビュー:完璧なキャスティング!最高の“火10”がついに開幕!!(※ストーリーネタバレあり)
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清原果耶主演のTBSの火曜ドラマ「ファイトソング」が2022年1月11日(火)より放送スタート。
岡田惠和オリジナル脚本で送る本作は、夢破れたスポ根ヒロインを演じる清原と、一発屋ミュージシャン、万年片想いの一途な幼馴染の不器用な3人の恋と成長を描く。
本記事では、第1話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「ファイトソング」第1話レビュー
清原果耶にとって民放ドラマ初主演となる本作。岡田惠和オリジナル脚本とあって、大注目していた。第1話を見終えた感想は……控えめに言って“最高”だ。
常に明るくチャラく、でも仕事には真剣で大事なところはきっちり締め、時折イケ散らかす夏川慎吾を演じる菊池風磨。
一発当てて以降ヒット曲に恵まれず、自暴自棄になっているミュージシャン・芦田春樹を演じる間宮祥太朗。
そして、夢半ばで道を絶たれてしまい、無気力な日々を過ごしている木皿花枝を演じる清原果耶。
この3人のキャスティングが完璧だった。
特に今回、清原果耶の魅力が爆発している。花枝が抱える秘密をシリアスに表現する繊細な演技は言わずもがな、ドラマ「俺の話は長い」や映画『まともじゃないのは君も一緒』でも垣間見えた会話劇の巧みさが光っていた。
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幼い頃に母を亡くし、父にも捨てられ、児童養護施設へ預けられた花枝。“強くなってこの世界と戦いたい”という思いから空手に興味を持つ。
ところが施設のルール上、花枝は空手教室に通うことができない。仕方なく、晴れの日も雨の日も、教室を覗いていたら(誰も注意しないの優しい)、師範と思しき髙田延彦が顔を出し「入ってこいや」と招き入れる。
そこからめきめきと頭角を現した花枝は、スポーツ推薦で大学へ進学。日本代表も夢ではない位置までつけていた。
ところが、大会で優勝したその日に事故に遭ってしまう。やっとここまできたのに。「なんなん、これ」という花枝の心の声は、そのまま視聴者の声の代弁でもあった。夢に手が届きそうなところだったのに、あんまりだ。
これをきっかけに、花枝は大学も空手も辞め、自堕落な生活を送るようになってしまう。
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施設で暮らすみんなにとって憧れの的だった花枝の姿は、今や見る影もない。見兼ねた養護施設長の直美(稲森いずみ)によって、花枝は慎吾が経営するハウスクリーニング会社で働くことに。
ところが、花枝は仕事中にぼーっとしていてミスをしてしまう。最初は花枝を元気づけようとフォローの言葉を並べる慎吾だったが、「やる気なくて」という花枝の言葉を聞き、「こっちは魂削ってやってんだ」としっかり注意する。
かと思えば、優しく花枝の気持ちを聞き出そうとするし、トップオブ陽キャみたいな方法で慰めようともする(菊池風磨のリア恋が爆発していた)。この手数の多さというか、軽さというか、くるくる変わっていく感じが筆者はとても好きだが、花枝にはちっとも響いていない。残念。
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一方、一発屋ミュージシャンの芦田は、マネージャーの伊達(栗山千明)からあと2ヶ月で結果を出すように求められてしまう。
そんな折、たまたまポストに入っていた“運気があがる”というサンシャインクリーニングのチラシを見て、部屋の掃除を依頼。本当に運気があがるんですか? としつこく聞く芦田、ちょっと怖かった……。
芦田の部屋に掃除に来る花枝。家主と清掃員として出会った2人は、“あるもの”で繋がっていた。
それは、10年以上前に芦田が作ってヒットさせた唯一の曲「スタートライン」。
花枝にとって母親との思い出の曲であり、「世界にたった1つの音楽」「この曲があれば他に音楽はいらない」と言わしめるほど大切なものだった。現に花枝が持っているiPodには、その1曲しか曲が入っていない。
たまたま清掃を依頼した人が、生涯で1曲というくらい大事にしているのが自分の作った曲だなんて、もう絶対に運命だ。ちょっとずるい。
芦田はその曲をピアノの伴奏に乗せて歌い始める。
すると、これまで弱いところを見せなかった花枝がぽろぽろと大粒の涙をこぼした。そこで明らかになった、花枝の秘密。
彼女は事故に遭ったときの検査で、聴神経腫瘍が見つかっていた。最悪の場合、聴力を失うこともあるという。
亡き母との思い出を紐解く、彼女にとって唯一の音楽が、もしかしたら聴けなくなってしまうかもしれない。突如突きつけられる事実が、見る者に重くのしかかる。
だから、大学も空手も辞めたんだろう。誰にも打ち明けず、たった1人で抱えたまま。
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そんな花枝に、大きなタオルを差し出す慎吾。優しいとこあるじゃん、と思っていたら、いきなり「俺と付き合ってくれない?」と言い出した……!?
幼馴染の陽キャと、弱り切ったミュージシャン、そして秘密を抱えたヒロイン。
芦田と慎吾、いわゆる“当て馬”はどちらなのか(ちなみに筆者は慎吾が“当て馬”だと踏んでいる)、すでに白熱している三角関係は、まだまだ始まったばかりだ。
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(文:あまのさき)
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