『レイジング・ファイア』がすごすぎた! 私の“推しカンフーアクション鬼強い俳優”大紹介


ウー・ジン


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『ドラゴン×マッハ!』で、メインキャラのチーキットを演じたウー・ジン。監督・製作総指揮・脚本・主演を務めた『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』が公開当時の中国映画歴代興収1位を飾り、なおかつ現在の1位作品が主演作『長津湖』(原題)というのだから、今や中国映画になくてはならない存在と言えるだろう。

そんなウー・ジンも、『SPL/狼よ静かに死ね』でドニー・イェンと圧巻のバトルを繰り広げている。漫画家・荒木飛呂彦にそっくりな温和な顔立ち(笑顔がキューピーのようにかわいい)なのに、金髪・ドス使いの殺し屋という役どころで、短時間で刑事を次々と手にかけていく姿の憎々しさたるや。それだけに部下を殺された刑事の怒りと純粋な殺意がぶつかり合う、ドニー・イェンとの警棒vsドスバトルは圧巻の一言。ウー・ジンの出演時間こそ短いものの、直後に展開されるvsサモ・ハン戦に負けず劣らずのインパクトを残す伝説的なシーンとなった。

『戦狼 ウルフ・オブ・ウォー』『長津湖』で主演として存在感を放つ一方、『SPL/狼よ静かに死ね』のようにサブキャラクターでも結果を残す。それだけウー・ジンのアクションを主体とした演技が優れている証拠であり、たとえばベニー・チャン監督作の『コール・オブ・ヒーローズ/武勇伝』も例外ではない。サモ・ハンがアクション監督を務める本作は、流れ者のマー・フン(エディ・ポン)&ヨン・ハックナン(ラム・チウワン)の自警団と、軍閥の息子であり悪意を煮詰めてできたようなチョウ・シウロン(ルイス・クー)一派の対決を描いた武侠活劇。ウー・ジンは軍閥側の人間だが、悪役と呼べるようなキャラクターではなく、それでもベニー・チャン特有のダイナミックな演出とワイヤーワークが光る二刀流エディ・ポンvs長槍ウー・ジン戦は本作随一の見せ場だ。

ウー・ユエ


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『イップ・マン 完結』に出演したウー・ユエは、サンフランシスコのチャイナタウンを取り仕切る太極拳の達人・ワンを好演。息子を留学させるために渡米してきた葉問とブルース・リーの処遇をめぐって対立し、その“ピリピリムード”は初対面シーンで円卓上のガラスを破壊してしまったほど。よろしい、ならば拳で語り合うまでとばかりに始まる詠春拳と太極拳の手合わせは地震によって途中で幕を降ろすも、さすが達人同士とあって2人が描き出す型の美しさにはグイグイと惹きつけられる。

マックス・チャンと共演した『狂獣 欲望の海域』でも、ワンと同じくチョビヒゲ・オールバックのビジュアルで刑事・阿徳を演じたウー・ユエ。なぜだろう、チョビヒゲ・オールバックだと愛嬌を感じさせる顔立ちなのか、本作で数少ない感情移入しやすいキャラクターだからこそマックス・チャンと対峙せざるをえない状況がつらいところ。太極拳とは違ってこちらは荒々しいファイトスタイルなので、ワンが“静”なら阿徳は“動”のアクションと例えることができる。

世の中には“乱れた前髪”に一定の需要があり、それに合致した上に戦う男の色気すら感じさせるのが『SPL 狼たちの処刑台』。ウー・ユエが演じたタイの現地警察・チュイは、狭い室内での格闘戦からフットチェイス、高速二刀流アクションシーンと見せ場がてんこもり。特に高速二刀流アクションは汗に濡れそぼった前髪を振り乱すほどの迫力で、筆者としてはウー・ユエのベストファイトに挙げたい。とはいえ本作は記事内に挙げる作品の中で物語的に最もハードであり、1週間ほど立ち直れないような“しんどい”部類の作品なので鑑賞時には覚悟のほどを。

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トニー・レオン


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見つかってしまった。『シャン・チー/テン・リングスの伝説』への出演で、トニー・レオンが世界に見つかってしまった。いやもともと世界に名を馳せるレベルの俳優なのでそんな書き方は失礼なのだが、それにしたってウェンウー役のトニー・レオンは魅力の塊。長きにわたってテン・リングスを率いて暗躍する存在という役柄だけでも引きが強いのに、妻を失い悲壮に暮れた挙げ句ついには世界を滅ぼしかねない行動に出るのだからポイントが高い。極めつけは息子シャン・チーとのガチンコバトル。これだけトニー・レオンの魅力を引き出してくれたのだから、マーベルには感謝の念を送りたい。

ちなみにドニー・イェンやウー・ジンらは俳優になる前から武術をマスターしていたが(ニコラス・ツェーもテコンドー経験者)、トニー・レオンははじめから武術を体得していたわけではない。そのためチャン・イーモウ監督作の『HERO』や葉問役で主演を務めた『グランド・マスター』では、アクションに“挑んだ”かたちになる。特に『グランド・マスター』では、カンフーを会得するためにトレーニングを重ね、蹴りをかわそうとして左腕を骨折してしまうアクシデントも。そんな血のにじむような努力を重ねた上で演じた葉問は、ドニー・イェンとはまた雰囲気の異なる美しさを漂わせていて、“鬼強い”という表現に相応しいカンフーファイトを見せつけている。

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