国内ドラマ

REGULAR

2022年01月29日

「駐在刑事Season3」第3話レビュー:254万光年を超えた親子の絆!どこまでもお人好しな質屋店主の想い(※ストーリーネタバレあり)

「駐在刑事Season3」第3話レビュー:254万光年を超えた親子の絆!どこまでもお人好しな質屋店主の想い(※ストーリーネタバレあり)



「駐在刑事Season3」の画像を全部見る(全7点)

寺島進主演の金曜8時ドラマ「駐在刑事Season3」が2022年1月14日より放送スタート。

元・警視庁捜査一課の刑事だった江波敦史(寺島進)が、持ち前の洞察力で次々と難事件を解決していく大人気シリーズ第3弾。今度はどんな事件に立ち向かっていくのだろうか?

本記事では、第3話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

【関連記事】第2話レビュー:オレオレ詐欺グループの内輪揉めを解決!?

【関連記事】第1話レビュー:帰ってきた”駐在さん”!

【関連記事】バイプレイヤーズ:ドラマシリーズの魅力

【関連記事】佐藤寛太インタビュー

「駐在刑事Season3」第3話レビュー



質屋店主・吉井(橋本じゅん)が殺害された。

蔵から盗まれたダイヤのネックレス、頭から血を流し倒れている吉井。彼は奥多摩で大のお人好しと言われるほど優しく親切な人物だった。恨みを買って殺されるなど、想像もできないという。

通常、蔵で保管されている品は売物ではないため、店頭には並ばない。誰が何の目的でネックレスを盗んだのか。そして、吉井はなぜ殺されてしまったのか。

捜査線上に上がったのは、フリーターの男性・城戸(曽田陵介)だ。



彼こそが、蔵から盗まれたとされるダイヤのネックレスを、吉井の質屋に売りにきた人物だった。城戸の話によると、誤って自転車事故を起こしてしまい、相手への見舞金が必要になった。自身の母に相談したところ「資金の足しにするように」とダイヤモンドのネックレスをくれたらしい。

吉井の質屋に持ち込んだところ「そんな大事なものを簡単に売ってはいけない、預かっておくからお金は3ヶ月以内に返しにきなさい」と言って、30万を渡してくれたという。

なんて良い話だ……と吉井の親切ぶりに心があたたまるが、奥多摩の駐在さん・江波(寺島進)は、とある違和感をもった。「自転車事故のときにできた」と話す城戸の額の傷が、どうも一ヶ月前の傷にしては”新しい”ような気がしたのだ。



果たして、城戸の話は真実なのか。30万円を返すのが惜しくなり、こっそりネックレスを取り戻しに蔵へ忍び込んだ可能性は考えられないだろうか。その際に吉井に見つかってしまい、誤って殺してしまったのでは?

捜査が進むにつれ、江波は吉井の娘と出会う。

吉井はだいぶ前に離婚しており、妻子と離れて暮らしていた。当時、吉井が勤めていた会社で金銭の使い込みが発覚し、その濡れ衣を着せられた吉井は逮捕されている。それが原因で離婚に至ってしまったのだ。幼かった娘は、父のことを「よくは覚えていない」と話す。

娘は、未だに父のことを「会社を私物化した人間」だと思っている。人のことを想い、親切すぎるくらいにお人好しな彼のことを、勘違いさせたままで終わらせたくない。そう考えた江波は、さらに捜査に力を入れる。

そんな矢先、吉井の質屋に便利屋として出入りする、山之内(佐伯大地)に出会う。



吉井が亡くなる少し前から便利屋として売り込み、蔵の掃除などを手伝っていたという。吉井が亡くなったと聞きショックを受けた様子。その後も「ただ帰るのは申し訳ない」と仕事をしていたようだが……。

ここで、元捜査一課刑事の江波、持ち前の洞察力が光る。

城戸の着ているTシャツ、そして山之内が首からかけているタオル。双方についているマークが共通のものだと気づいた江波。同じフットサルチームに所属しているという城戸と山之内は、なんと先輩・後輩同士。糸が繋がった瞬間である。

暴かれた事実は、こうだ。

せっかく便利屋を開業するも、なかなか軌道に乗らず悩んでいた山之内。ほんの出来心でダイヤのネックレスを盗んでしまう。たまたま山之内の自宅にやってきた城戸は、これまた出来心でネックレスを盗み、質屋に売ってしまったのだ。

山之内は、そのネックレスを取り戻すために、便利屋として吉井の質屋に入り込んだ。吉井の信頼を得たタイミングで蔵に入り込み、ネックレスを盗み出そうとしたところ、見つかってしまう。誤って吉井を殺したのは、山之内だったのだ。



吉井は、どこまでも親切で、大のつくお人好しだった。

盗品と知らずにネックレスを受け取り、かわいそうな若者に30万円を渡した。どこぞの者と知らない便利屋を店に入れ、ネックレスを盗まれそうになっても「これはなかったことにしておくから」と主張した。

そもそも離婚の原因となった会社の金銭使い込みに関しても、吉井の人の良さにつけ込んだ、同僚による罠だったのだ。

吉井は、犯罪組織に加担していたわけでも、誰かの恨みを買って殺されたわけでもなかった。全てを知った娘は、父に対する想いを吐露する。

お互いに星空が好きだった父と娘。地球から254万光年離れた、肉眼で見られる最も遠い銀河とされる”アンドロメダ銀河”。父娘の想いが、254万光年の時を超え、ようやく繋がった瞬間だ。

事件を解決するとともに、人の想いも繋ぐ江波。次回の活躍も楽しみに待ちたい。


(文:北村有)

【関連記事】第2話レビュー:オレオレ詐欺グループの内輪揉めを解決!?

【関連記事】第1話レビュー:帰ってきた”駐在さん”!

【関連記事】バイプレイヤーズ:ドラマシリーズの魅力

【関連記事】佐藤寛太インタビュー

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

©テレビ東京

RANKING

SPONSORD

PICK UP!