「ファイトソング」第4話レビュー:“恋の取り組み”が早くも終了!?励まそうとする慎吾は、あまりにもタイミングに恵まれず……(※ストーリーネタバレあり)
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清原果耶主演のTBSの火曜ドラマ「ファイトソング」が2022年1月11日(火)より放送スタート。
岡田惠和オリジナル脚本で送る本作は、夢破れたスポ根ヒロインを演じる清原と、一発屋ミュージシャン、万年片想いの一途な幼馴染の不器用な3人の恋と成長を描く。
本記事では、第4話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「ファイトソング」第4話レビュー
キス、するのかしないのか、というところで幕を閉じた前回。キスできないどころか、まさか芦田(間宮祥太朗)が花枝(清原果耶)の空手を食らうとは思わなかった。強引なのはキュンとしない、○〇らしさとか、決めつけはキライ……
ここまではっきりしているヒロインってなかなかいないし、気持ちがいいなと思った。「わたしのほうが先に曲作っちゃいますよ」という花枝に対し、「ん?」ととぼけた表情の芦田がかわいくて、ちょっと噛み合っていないところ含めて、この2人はお似合いだ。
花枝たちを見失った慎吾(菊池風磨)&凜(藤原さくら)は、露店でムササビのぬいぐるみを発見。芦田のことをムササビと呼んでいることから、花枝にぬいぐるみをプレゼントしようとるんるんの慎吾。凜は「恋する2人はこういうの絶対見つけるんだって」とけん制する。ラブコメのセオリーを全部解説していく凜、いいぞ。
そんな凜の予想通り、やって来た花枝と芦田はムササビを発見。ぬいぐるみを愛でている花枝を見、突然「ムササビ~」とジャンプする芦田……。しかもそれをスローモーションで繰り返す演出もあり、結構あっけにとられた。花枝の「頑張りましたね、芦田さん」は、そのまま視聴者の声でもあるだろう。本当に頑張っていた。
ぬいぐるみに声を繰り返す機能があることを知った花枝。「耳がいいんだね」と呟き、表情を曇らせる。陰から覗き見していた慎吾と凜が顔を見合わせた。花枝の異変に、きっと気付いただろう。
芦田の家に掃除に行く花枝。そこにはマネージャーの弓子(栗山千明)の姿があった。芦田に思いを寄せる弓子は、花枝のことを上から下までなめるように見るなど、敵意むき出しだ。
この日の弓子は、芦田に大事な話をしに来ていた。その内容は、「1週間後のコンペに新曲を出す、ダメなら契約解除」というもの。2ヶ月間の猶予があったはずなのに、いきなり1週間になってしまった。ちょっと急すぎる。
掃除をしながら話を聞いていた花枝は「何したらいいですか、できることないですか」と芦田に詰め寄る。必死な表情だったし、花枝、これはもう完全に好きじゃない……?
帰りの車の中で、慎吾は早々に花枝の異変に気付いたようだった。いつも通りのくだけたノリで、元気づけようとしているのが伝わってくる。それにしても、「告白された? まいったな~」「俺そういうところかわいいよね」の慎吾が、今日も今日とてパブリックイメージの菊池風磨と寸分違わなくていい。でも、その合間に見せる寂し気な表情の塩梅が絶妙だ。
その夜、花枝のためにBBQを企画する慎吾。芦田と何があったかあえて聞かない慎吾にしびれを切らした凜は、落ち込んでいる理由を聞き出そうとする。自分に不利になるかもしれないのに、くよくよしている慎吾を見ていられないのが凜なんだよなぁ……。
恋の取り組みが必要なくなるかもしれないことに落ち込む花枝、「それってもう……」で言えなくなっちゃう慎吾。どこもかしこも恋愛の矢印が全部切ないゾーンに突入している。
葉子(石田ひかり)の家へ掃除に行った帰り道、大学時代の部活仲間に遭遇する花枝。芦田からの連絡を待ち続けてモヤモヤしていた花枝は、発散のために練習に参加することに。しかも、たまたま通りがかった芦田も見に行くことになった。
見たことのないものでも見るような目で、芦田は花枝の試合を見守る。劣勢でもたのしくてたまらんという笑顔を浮かべる花枝を見ていると、この子からこんなにも大事なものを奪った病が憎くなる。
ブランクがたたってか、花枝は相手に完敗。汗だくになりながら、「だ~めだ、全然。でも気持ちいい!」と終始楽しそうだ。そんな花枝からインスピレーションを受けたらしい芦田は、走って体育館を後にする。
家に着くなり、花枝の涙とか、笑顔とか、汗とか、全部思い出して一心不乱に歌詞を書く。その中には“会いたい”の文字も。男の子アイドルに歌わせるにはいい曲が出来そうだと思ったのだが……。
練習を見に来て以来、連絡のない芦田。スマホばかり気にしている花枝の気を紛らわせようとトッポギをふるまう慎吾だったが、いざ食べようというタイミングで芦田から電話がくる。展開的には連絡がくるとしたら今しかないんだけど、心の底から今じゃない…!!!と叫びたくなった。
花枝の様子を見、「行けよ、呼ばれたんだろ」とあまりにも優しい声で言う慎吾。1人でご飯食べるの苦手って言ってたのに。
「出会って初めてできた曲だから、1番最初に聴いてほしい」と、花枝の耳にイヤフォンを入れてあげる芦田。曲を聴いた花枝は、「なんか元気出る」と笑顔だ。そんな花枝の肩を借り、芦田はぐっすり眠ってしまう(作中でおそらく初めて間宮祥太朗のまゆげが見えた)。1週間という短い期間の中で、頑張って作ったのだ。この努力はぜひ報われてほしい。
そして、ついに結果発表の日。花枝にとって人生でたった1曲だけの音楽「スタートライン」を聴いている時に電話が鳴る。電話口の芦田の声は暗く、「曲、ダメだった、今までありがとう……」と別れを告げる。
はじまったばかりの“恋の取り組み”が、唐突に終わりを迎えてしまった。芦田へと傾いていた花枝の気持ちはどこへ行くのか。作品も中盤、ここからの展開がますます楽しみだ。
(文:あまのさき)
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