『ウエスト・サイド・ストーリー』、さまざまな社会問題にも向き合うスピルバーグの意欲作


これからも続々登場!
新旧ミュージカル映画の上映


そしてミュージカルは『ウエスト・サイド・ストーリー』だけではありません。

この後も続々と新旧のミュージカル映画が公開されますので、その一部をご紹介して本稿を終わらせたいと思います。

2月25日から《テアトル・クラシックスACT.1 愛しのミュージカル》と冠して、20世紀を代表するミュージカル映画6本が全国順次リバイバル上映されます。


『若草の頃』

20世紀初頭のセントルイスを舞台に、ジュディ・ガーランド&マーガレット・オブライエンを娘役に迎えながら、当時のアメリカ家庭の様子などを微笑ましく綴るヴィンセント・ミネリ監督の『若草の頃』(44)。


『イースター・パレード』

1910年代NYを舞台に、真逆な性格のダンス芸人コンビ(フレッド・アステア&ジュディ・ガーランド)の四苦八苦ぶりを楽しく描くチャールズ・ウォルターズ監督のバックステージもの『イースター・パレード』(48)。


『巴里のアメリカ人』

終戦で退役しても帰国せず、画家として大成すべくパリに居座るアメリカ人の恋を描いたヴィンセント・ミネリ監督『巴里のアメリカ人』(51)はミュージカル・スター、ジーン・ケリー宿願の映画化。クライマックスが圧巻!


『紳士は金髪がお好き』

1920年代のNYからパリに向かう客船内で、玉の輿狙いのショーガール(ジェーン・ラッセル&マリリン・モンロー)が巻き起こすハワード・ホークス監督のコメディ・ミュージカル『紳士は金髪がお好き』(53)。


『上流社会』

ビング・クロスビー/グレース・ケリー/フランク・シナトラが恋のさや当てを繰り広げるチャールズ・ウォルターズ監督『上流社会』(56)はコール・ポーターの名曲が鳴り響く上に、ルイ・アームストロングまで出演!


『ビクター/ビクトリア』

失業したソプラノ歌手(ジュリー・アンドリュース)が“女装した男装歌手”として売り出していくことから巻き起こるブレイク・エドワーズ監督『ビクター/ビクトリア』(83)は、1930年代パリまで見事に再現しています。



これらの多くは『ウエスト・サイド物語』と『ウエスト・サイド・ストーリー』との相違さながら、20世紀ならではのゴージャスかつロマンティシズムに満ち溢れたハリウッド映画の象徴ともいえるものばかりで、およそ今の時代では再現できないものばかり。

『ウエスト・サイド・ストーリー』をご覧になって『ウエスト・サイド物語』にも興味を持ち、さらにミュージカルそのものの魅力をさらに追及しようという方々にとって、まさにタイムリーなプレゼントといえるラインナップでした。

また『ミニオンズ』などでおなじみイルミネーションが製作した3DCGアニメーション映画『SING/シング:ネクストステージ』は、前作以上の豪華絢爛さをもって、クライマックスではミュージカル・ファン垂涎の壮大なSFロック・ミュージカルを披露!

こちらは3月18日より日本公開されますが、大人から子どもまで楽しめる春休み映画として強くオススメしておきます。

(文:増當竜也)

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